眠くて仕方が無いと母は言う
こんなに眠くて仕方が無いのは
悪いことが起きるから
それとも脳梗塞なのかしらん
雑煮の鍋を温めながら
迷信深い島の年寄りの顔になる

庭には
他の樹木とは、 ....
朝日が昇る
あたりまえのような顔をして
しかし
この胸に広がる喜びはなんだろう

日付が変わっただけなのに
普通に昨日の続きなのに

カレンダーが新しくなる
新年という
新しい一歩 ....
     どこから。


     
     ひやりとしている土の上で生きている梢の揺れる(揺れる)末端に刺さる光、が








        わたしの温い肌に染む ....
 
道端で
ガードレールを呑み込んで
冬の蛇が死んでいた
白く 汚く
冷たく 硬く
すべてに背中を向けていた


ひとりの少女が泣きながら
蛇の頭を撫でていた
私は言っ ....
電池切れになるといつも
顔の表面にある二つの窪みから
機械油が漏れました

その度に
博士は慌てふためいて
電池を換えてくださいます

ですが今回
機械油は一向に止まらないのです
 ....
それがほしいのだという
網の籠を背負って
捕まえて入れるのだという

静かな息に
舞い上がり漂ったのち
重さを感じて落ちてくる頃に
掴むのだという

小走りに途切れて
靴音の後ろか ....
眉毛とまつ毛が白くなっていたら
それは
死んでいるのではなく

眠っているので
おこさないでね
うつし世は春雨なりき芝居果つ

渡り廊下の左右より春の闇

洗ひ髪夜しか逢へぬ人と逢ふ

揚花火仰ぐ横顔盗み見る

首筋に跡を残せし残んの蚊

衣かつぎ妻は家では酔へぬも ....
私ノ耳ハ鋭イないふデアル
貴方ノ言葉ヲ切断シ解剖スル
私ノ指ハ尖ッタぴんせっとデアル
貴方トイウ存在ノカケラヲツマミ
冷タイしゃーれノ上ニノセル
マタ私ノ瞳ハ敏感ナ電子顕微鏡デアル ....
今は崩れし前方後円墳
色褪せ剥がれたる胡粉
古への熱狂と興奮
陰鬱に漂へる悲憤

見出されし死者は怒り
水気無き額に雨滴り
明かされし{ルビ咒=じゅ}は空を{ルビ撓=たわ}め  ....
遠くは近くにある
カーテンの裏
机の引き出しのなか
本の一ページ
遠くへ行きたいな
君と遠くへ行きたいな
あなたのちょっとした仕草や
ささいな言葉の切端に
どうしてだろう
こんなに悲しくなる

ただ歩いているだけ
ただ買い物をしているだけ
ただ笑っているだけ
なのに どうしてだろう
胸 ....
彼はにんじんだが
私がおろしてしまった

まな板のすみに にんじんのおろし
主人の好きな きんぴらをつくらなければいけないので
いつもより速く ごぼうを切る
トマト 枝豆も切る

その ....
最初の舞台は私の家の玄関先
(もう三十年も前に植えたという)
ダイダイの木の濃緑の葉に
まんまるな卵が産み付けられたのは
風薫る五月の午後

 うるる。るる。うるる。
 あったかい。
 ....
海はすっかり赤ワインで
空はすっかり酔っているのに
うみろばはまだやってこない

ところで
したり顔でカイが言うには
うみろばの役目は
海馬のはんたいなんだって
海馬ってなんだか知らな ....
春愁なんていまさら歌えない
だからカカカと明るく笑って
カイの住んでる森に行き
おっきな声で春を告げる

おおい、カイ!
起きてよ!
雪の女王はもう死んじゃったよ!
でかけるよ!

 ....
 この頃 冬といっても
 僕の国や
 何も知らない人達の国では
 ギリシャ世界のアネクメーネのように
 どんなに寒くても
 明日への蓄えがなくても
 火の点し方さえ知らなくても
 飢 ....
[へりくつのうた]


へりくつりくつ
かたっぽのくつ
へりくつりくつ
くらいどうくつ
へりくつりくつ
なんてたいくつ





[たらたらのうた]


 ....
荒野には屍などない。屍は豊饒の証である。荒野は小気味よいほどの空白であり、そこにはふくふくした糞便も滋養豊かな腐肉もない。目立つものといったら枯れ木だけだが、その枯れ木ときたら、湿っぽいので燃料にもな .... [バリケードのこっち側]


その前日
あたしは工場で残業した
まんまるいちんち段ボールの箱と格闘して
それでもまだ働けとベルが鳴った

自転車をこいで家に帰ると
戦いは明日だと言う ....
あてもない夜を歩いていると
石門だけが残った丘の門番に出会った
夜も長いので空の話を聞かせてくれ
という ので
十二番目の石から昇る太陽について
ありったけの知っていることを語ってみた
そ ....
常夏の島の書き割りが落ちたら
きっとここは西日の当たる四畳半

でも大丈夫

西日の当たる四畳半で今度は
アフリカ大陸の書き割りを描いて

サファリルックに身を包むから

そう ....
 1

少女は夕暮れにオルガンを弾き
聞き覚えたメロディを拾う
不安定なコードで単調な伴奏を繰り返し
遠い歌声に耳を傾ける

暗い森の奥 澱んだ沼の畔
彫刻のように動かぬ蟾蜍 ....
サイレンが変なメロディつけて鳴っていて
校舎の窓にほおづえついていると
校庭ペンギンが
横目でこっちを見てる気配
すべりだいの隣のやつ


昨日ノリちゃんが
すべりだいの時にパ ....
生駒さんの餅まきで
みっちゃんは手を伸ばしとったけど
その手に餅は届かず
白い紙切れだけが絡んできた


帰り道

こんなんいやや
とちぎろうとしたころ
竜田川の迅奈良が顔出し ....
会社を休んで
食卓の電卓の上に隠れてみた

電卓の5の上に立って
19731973と打たれたら
きっと楽しいだろうと思う

電卓の5の上に立って
14.26と打たれるのは
スリリング ....
全ての女の子へ
王子さまは
かえるだったりするのだろうから
玉子さまだったりもする
当然、白馬になんて乗っていないし
スポーツカーなんか持っていないかと思われ
運転免許だって持っている ....
大丈夫、シナチクは食べられるから大丈夫。

大丈夫、海を渡らなくても大丈夫、
溺れるなら、歩いてゆけるから

優しいのは同じで、寂しいのは八分目。
だからいつも同じ髪型でも平気

いつ ....
あきれたことに
男の料理のうるさいこだわり
重症であるとみた
牛の脛肉やすじ肉を
すりおろした梨で煮込むビーフシチュウ
たった2時間で出来るのだと
得意げな彼

不吉なオレンジ色の月が ....
白黒白黒 テントに籠もる咳払い 秋の夜長の神経衰弱

七並べ アルミパイプの指定席 正面に花 照れるジョーカー

「大ちゃんの絵ができました」叔母の手による油絵を喪服で抱え

安らかに ....
あおばさんのおすすめリスト(15331)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
眠くて仕方が無いと母は言う- Six自由詩904-1-21
「_夜明け_」- 椎名自由詩3*04-1-20
輪郭だけが残っている- 嘉村奈緒自由詩1004-1-18
ノート(冬の蛇)- 木立 悟自由詩704-1-17
ロボ- 暗闇れも ...自由詩1*04-1-10
蛍追い- 藤丘 香 ...自由詩40+*04-1-10
強がり- 山内緋呂 ...未詩・独白303-12-30
半仙戯- 佐々宝砂俳句603-12-30
量子力学- 佐々宝砂自由詩303-12-27
土塊に擬す- 佐々宝砂自由詩203-12-16
遠くへ行きたいね- そう自由詩203-12-14
悲しみについて- そう自由詩303-12-14
一品料理(既婚編)- 山内緋呂 ...自由詩403-12-13
ついの宿りは- 佐々宝砂自由詩503-12-12
うみろば風信- 佐々宝砂自由詩5*03-12-10
春咲ねこのて- 佐々宝砂自由詩5*03-12-10
冬越し- AB(な ...自由詩1003-12-8
りりと☆のことばあそびうた- 佐々宝砂自由詩7*03-12-6
贋者アリスの洞窟の冒険- 佐々宝砂自由詩203-12-5
小詩集「マルメロジャムをもう一瓶」- 佐々宝砂自由詩18*03-12-3
空の門番- AB(な ...自由詩403-11-28
書き割り(芝居の背景のこと)- えのき自由詩203-11-27
遠いひと- 佐々宝砂自由詩403-11-25
夕方校庭ペンギン- Monk自由詩27+03-11-25
迅奈良と幣_(じんなら_と_ぬさ)- AB(な ...自由詩403-11-22
電卓父さん- ミサイル ...自由詩1203-11-19
Someone_to_Watch_Over_Me〜全ての女の ...- サダアイ ...自由詩1203-11-18
ガールガールガール- k o u j i * ...自由詩14*03-11-16
梨_(二)- Six自由詩403-11-16
法事にて- 石原大介短歌13*03-11-15

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