浅瀬のような空でした

私は止まれない魚になり
そして反芻する言葉の中で
現実だけが薄暗く沈んでいきます

ぴしゃりぴしゃりと時間の岸に
私の影が跳ねています

それよりもあなたは
 ....
ひとが生えている

近寄ると体温が匂う
生えたばかりの子株が
かわゆらしく親にしがみついている
泣き顔、笑い顔、憂う顔
みな目を閉じ
しずかに空の下にたち 並ぶ

農夫の姿は見えない ....
太陽が沈んでゆく
そこが西の空だ
そして今日は下弦の月
だからすぐには
月を見ることができない
真夜中までじっと待て
そうしたら
太陽が沈んだ反対側を見ろ

今日の理科で習ったばかり ....
青や緑の絵の具を
うすくのばして
あの透明をあらわそうとして
さっきから
なんども失敗している
{引用=
手をひいて
石を渡る
ぬらりとした光沢に滑らせた足を
からだごと、ぐいと引き ....
低い空に積乱雲が育ちはじめる朝
目が覚めたら痕跡はなくなっていた


夢じゃない証拠をさがして
扉をあけて外へ出たり
勝手口へまわったり
冷蔵庫をあけてみたり
蛇口をひねったり ....
お盆に実家に帰ったら
なつかしい扇風機が居間にあった
こどもの頃に足でスイッチを入れたり切ったりして
かなり邪険にしていた扇風機が
とてもモダンで今っぽく
おしゃれな感じに見えた

お墓 ....
顔が
いい感じで
寝転んだ姿が
可愛くて
何を考えているのか
よくわからなかったけど
ちょっと好きだった

京王線が好きで
就職したら
千歳烏山あたりで
一緒に暮らそうって
言 ....
太陽の抜殻が
うすく影をのばし
速度を落としていく

過ぎゆくものはみな
風の一部となり
思いとともに
彼方へとはこばれた

恋人がいま
海のまんなかで
夏の手紙を書いている
 ....
わたしの金魚鉢には
ガラスのおはじきが入っているだけ
靴箱の上でうっすらとほこりを被る


きれいに洗ってよく拭いて
チリンチリンと入れなおし
明かりを消した窓辺に置いた

 ....
居酒屋で 
ビール片手に酔っ払い 
まっ赤な顔して 
柿ピーの一つひとつを 
座敷畳の隅に並べ 
目尻の下がった
頼りない 
顔をつくる 

「 なんだか俺みたいだなぁ・・・ 」 
 ....
原宿で車を停めるとこを探していて、
流石ふだん家に籠もりっぱなしの青年は駐車場を中々見付けられんかった。
もうすぐ七時になってまう。
大体の服屋は七時に閉まる。
妹はもうその辺に停めたら、と言うが ....
愛。
いいなー。
うらやましいなー。
NTTに今日も苦情。
オーライまた明日。

カウボーイになりたい。
キオスクにつばを吐きかける。
くるの?今から??
けど居留守をつかった。 ....
月の瞳に
海が映るのか
海の鏡に
月が潤むのか

旅立ちはいつだって
こんな夜の、ブルー

マストを背にした
ひとつひとつの心に
青はなにを
語りかけるのだろう



 ....
明け闇に稲妻
白い栞のように

風は慌ててページをめくる
朝を探している


井戸につるべは落とされて
鏡が割れるように
宝石が生まれるように
しぶきは上がる

あたたかい頬 ....
  {引用=
  めちゃくちゃに頭がキレるのにひとつだけ
  熟語の読み方を間違えている友人がいて、
  21世紀の学生らしからぬ高尚な論議に花を
  咲かせているときに限って彼がその言葉を
 ....
そこは空かと問うたなら
鳥はきれいに黙して
はばたく

そのたび言葉は
空から遠いわたしの胸を
いやしの為に
傷つける


 幻はまだ
 あこがれとしての痛み

 選 ....

家を出ると
道端に
無数の舌が落ちていた

赤信号が
誰ひとり停められなくて
途方に暮れているような真夜中だった

舌たちは
うすべにいろの花のように
可愛らしく揺れなが ....
海が近いことを知り
かなしみをさまよい
また生まれては
消えゆくものの儚さは
通り雨のように
振り返ることもない

いのちもまた
空のしたに
ゆたかにたたえられ
空もまた海に
鮮 ....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている

朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
夏の終わり

りんりんと鳴く虫の音の響く夜の淵

なまあたたかいぬめり気が
頬をなでる



セックスを終えてアパートを出た後の
このにおい

夏のにおい、のような
記憶のか ....
眠るまでの少しのあいだ
自分から発せられる
においを嗅ぎながら
内側から人間の
かたちをなぞってみる
それから
夢の世界にたどりつく

夢の世界に浮かぶ雲
彼もまた
眠るまでの少し ....
銀座の路地裏に入ると 
色褪せた赤い{ルビ暖簾=のれん}に 
四文字の 
「 中 華 食 堂 」 
がビル風にゆれていた 

( がらら ) 

曇りガラスの戸を開くと 
「 イラッ ....
明るく前を向いて 
「365歩のマーチ」を皆と歌い 
両手を振って明日へと歩む 
「あるべき姿のわたし」 
の下を 
「ふぬけたわたし」の亡骸が 
独りうつむいたまま 
低空飛行している ....
{引用=




軒下にぶらさがって
死んでいる私

どうしてこんなことになったのかと
突っついてみるのだが
むなしく揺れるばかりで
答えるはずもない




 霧の ....
空が生クリームをあわだてたようだから
もうすぐ雨がおちてくるころ

ぼくの足もとは
草原の小径にかわり
土のにおいが 近づいてきた

傘をひらくと傘のなかに
しずかな足音がひびいた
 ....
水になろうとするように
魚が魚のかたちで泳いでいる
そんな潮溜まりでは
生きものの群れがまばゆいという


空を仰ぐひとは
吐息ほどの
祈りの水を浮力にかえようとする
浮いては沈む
 ....
告げることもなく
終わるものの
西日に照らされる
影のかたち

騒がしく
鳴り続けた夏が
ひとびとの胸に刻まれる
記憶のかたち

あの角にはたしか
食堂があったはずだ

なぜ ....
{引用=


  事実、失われたものたちが/こどもみたいなことを
  眉間に集束して、にこやかに手を振っている/窓際に並べ合って、トランプしている
  夏の蜃気楼に酔った、寂しさの群れが/失 ....
夕方
花に水遣りをしていると
ブルーサルビアの花の影に
妖精がいた
一目見て
「ヤバイ」
と思った

妖精は蝶の羽を持っていて
ブルーサルビアの花と同じ色のワンピースを着て
髪の毛 ....
     もはやそこに音楽はなく
           遠雷だけが
     Erosの扇をひろげていた
      regretの沼にむかって

  日常の仮面が剥ぎ取られるとき
根源的 ....
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