【恋するシーラカンス】
次ニ カラダガ アクノハ イツ?
湿った瞳で 体の中をのぞいても さあ
青天も 深海なのよ
るりいろが ひるがえるパチンコ屋の銀の壁面 巨大魚に想える
あ ....
高層ビルの一角に再現された空中庭園
そこに残ったのはサクラの樹一本
話が違う。
そこの地べたにはかつて公園があった。
今日(いま)
ベンチに腰掛ける老人はもういない。
ラジオ体操をする ....
空が あなたの 哀しみを 映して
哭いている
ギラリ 突き刺す 刃のような 光が
月の 隙間から 差し込んで
土砂降りの粒に キラリ 写った
瞳の 目の前に キラリ 移った
大 ....
めまいがする
にじんでいる
なみだがとまらない
さけびたいのに
おれのせいなのに
こころなんて蟻さ
きよらで柔らかな生き物に
知らぬまに踏み潰されている
....
土用波志賀原子力発電所
皮膚が青く発光しながら離れていく
わたしたちの本当の名前をよばないでください
あの時もうすでに終わっていた命
夏休みのプールの匂い
それから
冬休みのプラットフォーム
ながいながいコードを ....
「人生」なんて言葉はとっくに死語だから 大局的思考はもう時代遅れだから そんなことを言いたくなる人生の一局面に 瞬間やその持続で人間の時計の針の音だけを聴く 時計のように正確で慈悲に満ちた通告に 僕は ....
棚の上には
黒いローマの熊が立ち上がる
人形の髪は長く伸びる
わたしは眠いのを我慢して
こっくりと頭を傾ける度に
その度に舌を噛み切ってしまわないか
冷静に算段する
祭や 花火の 季節だから
楽しそうな 恋人達が
嫌でも 目につく 夏だけど
寂しく響く 笛の音は
新たな ステップへと
導いて くれるでしょう
太鼓が弾む 音に合わせて
扉を そ ....
今日はコーヒーショップで
売買契約を結ぶことになっている
しかしコーヒーをひと口飲んだ途端
売るのだったか買うのだったか
金額はどのくらいで
そもそも誰と何を売買するのか
きれいさっぱ ....
ぼくはきのうまでのじぶんは嫌いだ だからブログをはじめようとおもった
ぼくはあなたのブログがだいすきだ だからブログをはじめようとおもった
金魚のことや植物のこと 夕陽のことや病院のこと ....
一度も私のものだったことがない君を
果てしなく喪いつづけている
その喪失が胸に生む波紋の美しさに
{ルビ彩=あや}なす言葉でうたわずにはいられない
象の柄の蓋をしている赤い色の練り香水、
透明の香水。
「ありはしないと思いながらきらり」
アラウンド・フューチャー。
ジャスミンの効能を数え上げて寝て死んで起きると朝、
(思い出さない) ....
ひとりごとを聴いている耳がある
福の種をききながら、ビールをぐびぐび
柿の種を、一粒、二粒、
あれあれ、福の種未満に見えてきたよ
*YouTube 福の種 (チャクラ)
http://www. ....
その古い家には
ちいさなあかりとりの天窓があって
夜ふとんに入ると
その窓がいやに気にかかってたまらなくて
ぎゅっと目をつぶった
星も見えないようなちいさな天窓
月明かりだけはぼんやり ....
亡き母の生まれ変わりかアカイエカ
藍色の夜空は存外に明るい
満月に掛かる雲の存在感
けれど写真には写せない
人の目の能力に
追いつけない機械
進歩とは何だろうと思う
思えば人は
生物が作った細胞という種がないと
....
きみのゆかた姿が見たくって 誘った夏の金魚花火 まつりの雑踏の中に 大好きなきみのうなじ
手と手をつないでぶらぶら歩く でも知ってるんだ きみが想いをよせてるひとは俺じゃないって
いとしの ....
極楽や照らせば光る{ルビ蜚蠊=ごきぶり}も
持続可能な崩壊、夏。
botにも陰日向あり半夏生
汝が前の妖かし涼しくて夜更
真夜中のデパート小袖の手はゐるか
座敷ぼこ居ら ....
ガードレールに捲きついた
細い蔓植物が雨にたたかれ揺れている
雨はそれほど強く降っていた
たぶん汗なのだろう、額から頬にかけて液体が流れ落ちている
さらに背中は液体で飽和され
まるで別の ....
サングラス賞味期限の切れた麺
三尺寝とあるラジオの夢を見る
俺が死ぬと生態系が崩れる
夕陽の照り返す ビルの窓ガラス
夏の短い影と熱風を通りに落とす
古ぼけたビル群
短い窓から覗く疲れた顔
またぞろ老人が吐き出される。
ビルの彼方には夕焼け雲とスカイツリー
決まった時刻にぞ ....
幼い子供達とはあまり遊んだことがなかった 家のローンがのしかかっていた
人生でもっとも不要なもののために 一番大切なものをないがしろにしていた
時代の風は遥か家族の上空を吹き過ぎて行ったさ ....
心臓がゆっくり動いている。
ゆっくりすぎる。
こういうのを徐脈というのだと
知識としては持っている。
目の前が白い。
何も見えないほどギラギラと白い。
白いがこれは眼前暗黒感に変化する ....
真夜中の校舎がいきなりスライドした。
なんのことかわからなくて目をみはる。
見覚えのある建物はすでにそこにはなく
見たことのない建物がそこにあった。
そこに行かねばならないとわかっていたの ....
土曜日の午後
コーヒーショップに子象が入ろうとしたが
ドアに胴体がはさまって
そのまま動けなくなってしまった
店の外から象使いの少年と通行人が
しっぽを掴んでエイヤッと引っ張っている
....
変わらない日なんてない
水溜まりは乾き
草は地面を覆う
飛ぶ鳥は雲を追い
日は速度を落として沈む
変わらない日なんてない
日記は二日で書かなくなり
アルバムは途中から白紙のまま
....
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