掴む
あなたをしることは
太陽をつかむよう
刻んだ空の破片を
脇に抱えて
あなたを見つめると
丘の上の鐘の音が七色に飛び散っている
あなたはいつもそこで
わたしはいつもここ ....
この国で一番大きいといわれている図書館に訪れた。出迎える広いロビー、その向こうにはぎっしりと本が並んでいる。多くの本は分厚く、背表紙は無機色だ。館内は足音も響かない。すみません、珍しい本が読みたいん ....
高い飛び込み台から、どぼん、と飛び込む。水中は真っ暗で、深いのか浅いのかも分からない。確かめるために潜ってみようとするが、体が動かない。何かと思ったら、水面に手首がひっかかって抜けないのである。困った ....
泣いていいのよ
とお歌が言うから
泣きました
ら
母はお止しとお尻を
パチン
とぶちました
泣きたかったけど
母の手が痛かったので
私は
自分の部屋へ駆け込む間もなく
口元を
....
あの子は
気分のいいときも
泣きたいときも
海を見に行った
ブレーキの利かない自転車を
力いっぱいこいで
砂をかんでぱたりと倒れた
のは初夏
そこ ....
さようなら と
行かないで と
触れないで と
抱きしめて が
ごちゃ混ぜになって
降ってくる
答えを求めて見上げたけれど
空は蒼く輝くだけで
代わりに ....
白い石畳が光に溢れ
行き交う人々の顔が
白色に洗われていく
追い抜いていく
自転車から
黒髪の流れ落ちて
梔子咲き零れる側を
歩く、口無しの恋心
ため息の後に芳香
機が熟 ....
割り箸をやめるお店が増えてきた
日本製の割り箸って木を切った時の
間伐材っていう余った木で作ってて
その収益金でまた森に木を植えているのに
どうせ大量に仕入れるのは
中国産の安い割り箸なんで ....
あの魔女の暗く碧を産める祝祭への求愛、深く深くうずく泉の深層
人工的な意識を喰らうと彼女の肌を葡萄酒が覆う、シュガーと香を焚く私の全て
飢えて渇いた内臓に生え出しそうなシビレ茸を摘んではかじり
....
人間は青い空がいつでもそこにあるような気でいるけれどもそれは違う
空はいつも降ってきている
降り続けているのになくなってしまわないのは
絶えず生まれ続けている ....
ねがいはかなわない
なんてねうそだよ
雨上がり、祝福されたまぶしさの中
君がいってしまった
眠らなかったけだるさと家に帰れないかんじ
寝てるひとは何もしらないはずだ
なのに
見ていた
....
{画像=080701003655.jpg}
今日はまた曇天の気持ちが
重たくぼくを暗くする
通りを走り過ぎる自転車の少女も
手を繋いで歩いている老夫婦も
みんな静かな見えない時を歩いている
....
旅先の友を訪ねた
帰りの列車のシートを倒し
ポケットに忍ばせた
ウイスキーの小瓶を一口
喉が焼ける一瞬、
の後に
聞こえて来るのは
我胸に とくん とくん と響く
....
歯を磨いたら
ダヴだった。
そんなとき
誰かをおもいだして
胸がきゅっとなる
{引用=
(ポエトリーリーディング:http://www.myspace.com/slymelogue)
}
あいすることはしんじること
しんじることはいきること
太陽の温度ほてる今日も ....
3歳になったばかりのひぃちゃんが
裸足でおんもに飛び出して
水溜りで遊んでる
空から大粒の雨がぼぼぼ
大きな傘差したひぃちゃんは
しゃがんでかえるさんとお話よ
ゲロゲロぎょっとびっくり ....
そういえば僕は
綺麗な半円を描く虹を見たことが
ない
娘の絵本に描かれた
空に架かる橋なんて
どこにあるのだろう
あるいは
幼かった頃に
(例えば両親の故郷で)
見たこと ....
夕暮れ
赤い窓の外
見つめているわ
ほんとは待っているの
好きなの
とても
置いて来たのはわたしだわ
わかっているけど
ほんとは
もう忘れたかな
色が消えて行くね
日は沈 ....
ノートに書いた文字が
はしから消えてゆくのと
あなたは不思議そうに
ペンを見つめていました
言葉がかわいそうだから
もうこれ以上は言わないのと
あなたはすっかり黙って
消えた文字を追 ....
私には
雨の日にしか現れない庭がある
窓を開ければ
雨音がこちらまで反響する
そこにあるすべて
落ちている小石、葉の連なり
紫陽花の花のひとつひとつ
存在という音が聞こえる
天から ....
雨樋の裂け目から
私だけに降る雨がある
長方形の庭の隅
縁側から三歩進むと
雫の群れとの遊び場
傘に隠れてよく泣いた
いつも悲しいときは雨で
そのおかげで気が晴れた
傘を回して雫を ....
#response
地水火風って言うけどやっぱりむかしのひとって馬鹿なんじゃないかと思うだって火だけ仲間はずれ
つめたい地面
あたたかい水
つめたい風
あたた ....
きれぎれに
夕暮れに
夜夜に、きみは髪の毛を編んで
いる、指先で
ふれて
いる、暗闇に、きみは
きれぎれに
くちづけている、刻々と
空になるまで
静けさを測る術を探している。冷たさには限界があるのだけど、
静けさを測る術を探している。住宅街の、小さな公園の、真夜中、ブランコをこいで、こいで、鉄の鎖を軋ませて、泣いてしまいそうだ、どこかの家 ....
雨が歌ならば
それはどんな傘でしょう
歌のような気がするだけで
それはふるえる
息継ぎの音
近すぎた鼓動の足音
声を聞いた
傘の下で
たしかなこと
待ち合わせた雨の庭 ....
教室の窓から
くもりぞら見上げて
君はつぶやいた
「雨のにおいがする」
君の予言を受けて
ほどなく雨は降り始めた
放課後
よくわかったね、と言いたかった君の
姿はもう、教室になく
....
雨が抑えている
気持ちにふたをして
重くのしかかるのは
度の強すぎる眼鏡のよう
咳こんだところで
深く吸ったところで
するのはただ、土のにおい
しみてゆくしみてゆく
こころもぬれて ....
{画像=080627011741.jpg}
思いついたら
机に頭をぶつけてみることだ。
硝子板を敷いているので
本当に
ゴツン ゴツン
と音がする。
就職を前にした
五月の終わり ....
埃にまみれた卒業文集
将来の夢はパイロット
無邪気な瞳が描いた未来は
希望の光で満ち溢れていた
いくつもの挫折を経験し
いくつもの現実を目の当たりにし
妥協して生きるコツを ....
たった今大きな丘を越えてきた足を
くるぶしまで持ち上げてみせた
割れんばかりの音とともに地面はほんとうに割れてしまった
にょっきり生えるこころもち汗ばんで
スカートのすそをつまんでは離し
つ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511