持ち前の笑顔とやらの裏にある疑心のやり場がまだ見当たらず
舞い込んだ平穏にさえ整合性 求めてしまうみだりなユーウツ
孤独だと自惚れるより幸福を受け入れるほうがよっぽど難儀
 .... 
夜を翔け抜けろ
システムに
善きことを入力せよ
そして善きことを出力せよ
システムを強化せよ
僕等よ僕等
めげるな行くぞ
ふたりがまた会えるなら
百 .... 
ほんの気紛れだった
マンションの折込みチラシで
折紙しようなんて思ったのは
最寄駅徒歩7分を山折り
南角日当良好を谷折り
指紋の間にかすかに残る
あどけない感触を頼りに
無骨な指 .... 
感覚を駆って 
熱と湿度が飛び交って 
ふたつの身体を高めていく 
星間飛行の鈍色の船体が 
故郷の水を恋しがって 
恒星の配列をなぞるように 
五感が跳ねて 
目を閉じているのに  .... 
見えないものに
なりたいな
癒えないものに
なりたいな
光らぬものに
なるもよし
至らぬものに
なるもよし
切れないものに
なれるかな
消えないもの .... 
きみのペースに生きている
ゆるまったり急いたりして
かたちを自在に変えながら
音楽を奏でるいきもの
春の空をゆびで容易くひろげて
降りてきたきみなのでしょう
川辺の花に鼻をよせ
草にむし .... 
折り紙
あなたは何を折りますか?
折り鶴
空へ飛ばしませんか?
紙を折れば線がつく
たとえば人生が一枚の紙であったなら
線の数を讃え合いましょう
紙を広げれば最初からやり直せる
 .... 
誘う手のさみしさに似て 誘蛾灯 
布団の中で広げた架空の地図さえも
ままならない
実際の世界は
もっと歯がゆい
おい魔物
わたしの胸に居座るのなら
おまえの目で
見えるものはいったいなんなのか
吐き溜め .... 
          指関節をなんど曲げても
          言葉がどこにあるか
          わからない
人類の要素のひとつ わたくしも
紙とペンで書いた言葉を 今は .... 
今日の議題は今日の空! 昨日でもなく明日でもなく
誰にでも優しい男がいたけれどこの空みたいと思えばよかった
命って一人がひとつ持ってます持ってる間は生きています
病室の四角い窓が今朝 .... 
舗石の下には砂
自由の下には旗
投げつけられた火炎瓶
怒号、
硝煙、
五月革命のパリ
嘘つきアルベール
誰しもあなたのことをそう呼んだ
真実ばかりじゃ息がつまっちまう
たまには嘘 .... 
つめたい床の上に
つめたい果実が転がっている
べつに
なにも
守ろうとはおもっていない
わたしの床に
つめたい果実が転がっている 
 
目が覚めたらやっぱりおっちゃんやった おっちゃん
ひとりやったら泣いちゃう おっちゃん
そんなおっちゃん、やさしいしたってやー
  
ぴゅん ぴょぴょ ぴゅんぴゅん ぴょぴょ
美観地区の入り口の交差点が
信号がかわるたびにそう囀る
ぴゅん ぴょぴょ ぴゅんぴゅん ぴょぴょ
欠けたまま生きている
欠けてい .... 
山道を行く
 
水流れ青き木立の杉林曇り空には静けさがある
オレンジの紅葉咲きけり西教寺気恥ずかしげに四人で歩む
敷物を広げて座り妻語るハンミョウという道しるべ虫
山道はなだらか .... 
ひろげたお店を片付ける
そしてトイレで用を足したなら必ず水を流す
便器の底を覗けば
生きてきた私自身の素性が判る
※
早や店じまいの季節になったものだと
ひろげすぎた店 .... 
ホホノホホホ 秋の穂ホホホ
掌から伝わる 生命の輝き
金色に映る波をかき分けて全身に駆け巡る新しい血
ホホノホホホ 秋の穂ホホホ
瞳に流れ込む 銀色の月
月の穂体中を撫でまわし全 .... 
若葉は青臭くていいと
老いた葉が
羨ましげに
鑑賞している
尖っていた葉は
あなたを守るため
傷つけるためじゃない
でも 遠ざけたのは
青くて頼りない葉だったから
そ .... 
気付きもしなかった寒さが
心を貫く
お前
そこに一人で
平気なの
砂漠を凍らした夜風が
鼻をツンとさせた
まだ今日も終わらない
この夜は今
始まったばかり
一人のベ .... 
幼子は俺にとっての
起源にして頂点
願わくば
これからの一日一日の
当たり前のことに 
畏敬の念で結ばれていますように
かつては野も森も小川も大地も
目に写るありとあらゆる光景が .... 
ドは横たわっている音
いつまでも重い音
太りじしのオダリスク
レは小さな女の子
たんぽぽ色で爪先歩き
笑ったね?無邪気なお目目
ミは若草のさざめき
さ緑の丘 駆け下りる若者
涼 .... 
寝転がってかいだ土の匂い
イチョウのじゅうたんを踏む音
冬を呼ぶにじんだ雲が浮かぶ空
「覚えていますか」
誰かと同じだった歩く早さも
いつの間にかずれて響きだす
”忘れよう”
 .... 
僕たちは立っていた
路上に立ちつくして
いつ訪れるかわからない
僕たちをどこかに
連れていってくれるであろうものを
ひとすら待ちつづけていた
僕たちは整然と列を
乱さずに立っていた
僕 .... 
頬濡らす涙が新たな自分生むアクアリウムに浮かべた憂鬱
 
ピアノには人の想いが乗りやすい朝の匂いがする恋をした
 
田舎者右も左もわからない都会の色は迷路そのもの
光るもの探して歩く癖が .... 
つめたさは皮膚よりさきに目からくる すばやく、ゆっくり、的確に 
深夜、満月が天空に輝き道路脇のトウモロコシ畑の背の高さに道路脇が深い闇となっている。そんな道を一人歩く男。そんな夜、大きな棕櫚の樹に向かって歩きだす男。
棕櫚の樹は国道16号と県道の交差点に大き .... 
咳ひとつ腸捻転の賑はひかな
仏壇の裏にはまた仏壇がある
墓地の裏にあるキャバクラへ行く 
グラウンド・ゼロに何が建つのか
私は知らない
おそらく
洒落たショッピングセンターと
御影石のモニュメント
原爆ドームを見上げると
青空が見える
ドームの小ささを
私たちは .... 
すべてが新品である
お互いの存在が目新しい
人の世の独立した若い単位として
1
姑が時には訪ねて来る
そこではもう、息子だった子はいないのだが
姑は新婚の部屋のなにかについて
なんら .... 
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