あなたとわたしは一膳の箸でした
年を経た槐の木から
それはそれは丁寧につくられて
生まれたのでしたね
ある朝 ....
私はこの歳まで生きてきて
分からないことがたくさんある
まず「正しい」という言葉の
意味がよく分からない
「正しい」ってどういう意味ですか?
知ってる人は教えてください
「間違い」の反 ....
あなたにあげる
おおいぬふぐりのあおい花
うぐいすのなきごえ
おひさまのあまい香り
はるの日のはじまりを
....
シクラメン曇りガラスの向こうから微笑み返す師走の窓辺
気づいてよヤドリギの下に立つ私キスして欲しいなんて言えない
雪の降る聖なる夜に祝福をポインセチアの火よ燃え続けて
凛とした清楚な ....
凍る
水の表面で
足先から
凍ってゆく
満ち欠けの
潮騒のように
訪れては
去ってゆく
感情に
感覚が
乗っ取られる
肩の上に
降り積もる
雪は
道にできた轍を
消そうと ....
なんでこんな夜中に書いてるんだろうとつくづく自分を馬鹿だと思う。
トルコのセダトとムスタファがけっこう好きだった。
日本の大証上場をうたい文句の中企業で一緒に現場をやっていたのだが
さすがに ....
ひとりのひとを ほんとうに愛することができたら
多くの人に愛される 気がします
小寒の東京タワー夢芝居
あなたの唇を枯らし
血をにじませるもの
わたしのこぶしを引き裂き
血をにじませるもの
冬
凍りつく冬の陽射し
寒い朝には人々の胸中に隠れたものが明るみに ....
人間 いつだって
便利に移行するときには寛容なくせに
一つ不便の階段を下るごとに
愚痴が増える生き物なんだねぇ・・・
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雪を水に入れると 水になるように
水は氷に 雪水はつららになるように
死ぬことも生まれることも生きることも
体を通るものの 変質なのだろうけれど
心は 消えても響く
共にと思う幻想に支えられ ....
失うことを見つめている
悲しい気持ちを確かめている
30年経ってもなにも変わらない
あの頃から泣き場所をなくしていた
私は忘れるのが得意になっただけだ
強烈な自白剤を打たれたところでなにも思 ....
雪の日に
しんしん積もる
雪の日に
私の命が降りてくる
私の分身
私の死体
しんしんとしんしんと
降りてくる
懺悔と
嘲笑と
甘えと ....
襖で仕切られた四畳半の、その襖を開けるとまた四畳半、また四畳半、大きさの異なる箪笥がいくつもあり、埃避けの布を掛けた雛壇があり、その隙間にすっかり平たくなった綿布団があり、そんな部屋が前後左右に際限 ....
唄いたい人は何処でも唄うのだ
弾きたい人は何処でも弾くのだ
唄うこと/弾くこと
それが至福であるかの顔をして
奏でる音楽を待っている
人が居れば最高だけど
まるで自分の為だけの ....
あなたが浸る湯船にうかぶ
ひとつのゆずになりたいと
からだの芯まで温めて
すこやかなれと
やすらかなれと
....
隣から届いた賀状が速達
夕陽のあたる夕暮れの
古いレンガの倉庫街
漂うあの歌 あのメロディーは
港の悲しいエレジーで
昔の俺(おいら)の子守歌
港近くの襤褸アパートで
親父も知らずに育った俺(おいら)
酒場 ....
年季の入ったステレオが
不意に歌いだした
インディゴに沈む
コンクリートの部屋で
遠い国の流行歌
綴りも知らないけど
こぼれ落ちた無声音は
冷たい床を浸していった
誰かが作った ....
【 Window 】
ブラインドを上げて
窓を大きく開けた
そこから新鮮な空気が流れ込んでくる
青い空 鳥の囀り 風の音
明るい陽の光 そこに希望があった
掌を伸ばせば届きそうな楽 ....
すっげえ詩をよんだら
かきたいとおもったり
かけないとおもったり
それほどでもないとおもおうとしたり
でもさ
やっぱり
すっげえ詩ってあるんだよね
自分が ごまかせないほど
....
あなたのかたい頬
思いのほかやわらかくて
その冷やかな瞳にも
熱い涙は宿るのだが
心の奥深くに一つの扉があって
それは故郷へと繋がっている
絶対零度の沈黙
この地上の何よりも冷たい場 ....
川沿いを歩いていると
色鮮やかな
もげた螺旋階段がくるりと横たわっていた
私は危ういバランスを保ちながら
登ってみると
先に透明色の螺旋階段が伸びている
そうっとゆっくり
どっこ ....
大晦日は
子供部屋のとびらを
あけておかなくてはならなかった
トシガミサマが来るので
トシガミサマ
というものがなにで
どんな姿をしているものなのか
わたしは知らない
ある年の ....
僕の家の水道水には
カルキとカルマが含まれている
カルキは浄水器で
取り除けるかもしれないけれど
カルマはおいそれと
消えて無くなってはくれない
僕は毎朝
カルマで顔を洗 ....
えら
背びれ
くちばし
翼
囚われている
その範囲からの逸脱は
一方には死
もう一方は生を意味する
彼にはその水槽こそが出発点であり
前提であり結論である
保障され ....
双六で『ひみつを言う』のマスとまる
年賀状にAir Mailと書き忘れたので
私の想いがとどくのは
一ヶ月後かもしれません
雲一つない青空に
紙飛行機が舞っている
一つや二つじゃない
それこそ無数に
たくさんの白い翼が
たくさんの願いをのせて
思い思いの方角へと
ゆっくり 漂う
涙を孕んだ雨 ....
大晦日 日系スーパーまで高速を飛ばして 注文していたお節を2組取りに行く
太巻きとシアトル巻き、上の娘の好物のイクラの瓶詰と、
私しか食べない刺身も一緒に買う
「Japanese noodles ....
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