{引用=
気がつくと夢中で空を掃いているわたしはいつかの雨の一滴
薄まって波の光を目に宿す あなたはすでに透明標本
それぞれの同化できない手の指が束ね ....
わたしは愛したい
あなたの優しさ
わたしは愛したい
あなたの眼差し
わたしは愛したい
あなたの存在
猫である
愛である
※
ファミレスの窓側席で神事を語る
日 ....
そうして僕は
君の肢体に
必要以上の嘘を吐く
生きている
死んでいる
育っていく
腐っていく
うねうねと
まっすぐに
はじらいもなく
慈悲もなく
まるで天女の装いで
....
線路の上を
ただひたすらに走る毎日は
それが
仕事とはいえ
時につまらないものに
見えてきます
そんな時でした
あなたに出会ったのは
午前八時三十五分
あなたは向こうから
....
左うでをかばって働くから右うでのほうが汚れていたいつも
「どっちみちかなしいよ」
どっちみちかなしいのだ
泣くほうも泣かされるほうも
でもどこかでだれかが
重さをはかって得を ....
部屋で寝転がり
凹凸のある真白い壁紙をじぃっと眺めていたら
いてもたってもいられなくなり
クレヨン屋さんに走る
奥行きの広い店内には何百色ものクレヨンが
一色ずつ一本ずつ
天井まで透明 ....
海よ
お前が産まれたのは
イブの日なんだよ
お腹を痛めた母さんは
たった一人病院で
お前を産んだんだよ
父さんは
知らせを聞いて
すぐタクシーで病院に
向かったのだけれど
間に ....
焚き火を消さないのは
君がまだ眠らぬが故
先に眠るのは
君を信用しているが故
山で眠るのは
己の無力さを
知る為が故
彼方に飛び去って行く鳥を見送るは
見知らぬ土地の匂いだ ....
生後3ヶ月
娘の知能はまだ犬以下である
せめて「待て」を覚えてほしい
この瑞々しい生き物は
自他共に制御不能である
意思の疎通は不良
寝返りできず後頭部は禿げ
糞 ....
’69年
Lolling Ageの時代だ
Coltraneが40歳で急逝し
BeatlesがAbbey RoadのEMI Studioで
7月30日にPaulが独りで
Golden Sl ....
書類を見ていると 何か
忘れものをしているような気になってくる
言葉の海に眠る時間
私の思い出さない何かを
確実に彼らは知っているのだ
紙の上に印字されたメタ・メッセージが
私をひきつ ....
前世はおむつでした
その前は
朝顔を咲かせた藍染の浴衣でした
かすかに覚えているのです
あなたと
一緒に
縁側で線香花火をしましたね
華々しく燃えたあと
ぽたりと火種は落ちて
こ ....
ありがとうも
ごめんなさいも
また今度も
いらない
生きている
私たちに
また夜が
祝福する
エレベータ
昇って
降りて
繰り返す
夜の波だ
打ち寄せる
....
?. ヘンリー?
{引用=His Royal Harness Prince of Wells United King-damn In Gland}
ヘンリーって変なやつ
変なやつ 変なやつ
....
強い風が吹いている
頬を刺す/身震いする
そんな日の空は真っ青で
遙か彼方まで澄み渡っている
昨日
君に投げつけた言葉を思う
今日
君から投げ返された言葉を噛みしめる
....
僕にはできないことが沢山ある
今となってはできないこととか
いくら努力しても出来ないことや
端からできる筈のないことだとか
そんな中で何が一番堪えるかというと
タマゴが産めないこと
なん ....
母さん
随分あんたと
話してないな
いつも 棘を踏むような気分にさせられるから
母さん
今日も元気に働いてるかい
俺のいない町で 遠い空の下で
自由を楽しんでるかい 暴君だった親父か ....
十六時になったので
この川沿いのベンチから立ち去ろう
綺麗な夕日を
今日は見たくない
宮島行きの遊覧船が
けたたましく船着き場を離れてゆく
週末は車が通れない元安橋
センターラインを ....
あなたの詩ください
あなたの生きている詩ください
死んでいる詩でもいいから
わたし、外側からぶち当てられて
その作用でしか動けません ....
今日の昼ごはんに
ピザを焼いた
冷蔵庫の片隅で
あやうく忘れられそうになっていた
正月から持ち越しのハムを
細かく切って載せてみる
魚焼きグリルを予熱する
五分ののちに
三日前 ....
まちがいもまた
こたえなのだった
まちがいが
ひつぜんであるかのように
せかいはただしい
ほうこうにむかっている
もしもまた
あしたまちがえても
それがせかいの
....
さしすせそ
が
歯に沁みる朝
凍ったままの思考を
ポケットに突っ込んで
背中を丸めて歩き出す
たちつてと
が
舌で弾けない昼
すっからかんの頭に
ラーメンをすすり込 ....
【債】
抱えてる負債のことは気にならぬ彼を抱いてる夜君思う
【念】
奥さまは記念切手コレクター生きる喜び23日
【迫】
迫り来る得体のしれない暗闇に飲み込まれそう誰か助けて
【 ....
「Somewhere Over The Rainbow」
あの
七色の橋が
青空に溶け消える前に
そっと
踏み出して行こう
子供の頃見た夢の国
もう
幾年月 はや流れ ....
幸せに 犠牲を払い 幸せに
小さな世界の中で
自己満足という
落とし穴に嵌り込んでいた
仄暗い穴の中では
自分の声しか聴こえてこないから
これが世界のすべてだと
信じてきっていた
たぶん
わたしは小さな蛙 ....
むやみやたらに
不安になった
刑務所から脱走した
殺人未遂の犯罪者
まだ捕まっていないらしい
今にも そいつが
玄関のチャイムを鳴らしそうで
いやいや
災厄はチャイムなんか ....
好き という気持ちは
天使ではなく
悪魔が運んでくるのかもしれない
この胸の痛みは
鎌状の針で
突かれているからだ
思いもつかない
衝動も
悪魔とは
悪さと書くが
....
倦怠は ぬるい酸のように
この肌を 柔らかく溶かしていく
このバスタブから 立ち上がれば
街の風が 洗うだろう
むき出しにされた 俺の白いあばら骨を
カルシウムで出来た 籠の網目の隙間か ....
この緑色の液体を飲みなさい
毒は入っていなくてよ
揉み解した葉っぱを干からびさせた物を
お湯にひたして体液を抜き出したのよ
人間は森から離れてしまったから
植物液を飲まないと
魂なき野 ....
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