何もない深い海に
沈みたいときがある
そんな気持ちが
突然わたしから出入りする
たとえば地下鉄の窓からや ....
今でも あの場所を流れています
高速道路の車列が整然と
途切れない 地平線のように続いて
形にならない声を
無差別に浴びて打たれ
そして 流れ 流れていく河
大きな河の膝の青タンを ....
人は皆いつか「自分」という
透けた衣服を、脱いでゆく
その日まで誰もが人という
何処かが欠けた、器です。
(器にはゆるしという
{ルビ一滴=いってき}の水が響く )
....
白鶺鴒と歩道ですれ違った
Pardon, forever!
スタスタスタ、にっにっにっ
{画像=120107114152.jpg}
春になっても
その球根は芽が出なかった
「おばあちゃん、これ、フリョーヒンだね」
知ってるよ
フリョーヒンは時々現れるんだ
僕が働い ....
<1>
これがなければ
生きることができなかった
これがなくても
たぶん死ねなかったけれど
これがあったほうが
人様に迷惑をかけない
はずだった
これがあったほうが ....
あのね、正しい空はいつだって
きっと明日は暑いから動けない
たとえば夜からうまれた一瞬ならば
細胞の色にそって
私は彼女を嘘つきだと言う
線上にならぶ
黒いすきまからみえる ....
愛する{ルビ女=ひと}と結ばれる前
この手は一度、天にあずけた
働く場所が決まる前
この手は一度、天にあずけた
これから家族3人で
叶えるたった一つの夢の為に
妻のぬく ....
愛不足 爪を噛んでるクリスマス
娑婆に出て10年ぶりの冬景色
かあさんを庇い刺されたサンタさん
落とし穴落ちて出られぬ冬の浜
凍空に生きる方向見失う
鴛鴦が互い ....
〜しりとり四行詩より〜
いっぱいの 期待に
居ても立っても 居られず
体たらくな生活は ひっそり
のつのつと降る 雪のしずか
(2005/02/15)
{引用=尊敬}
{ルビ此様=かよう}に不埒な {ルビ我=わ}が恋知らぬ
ぬしの手の上 くちづけを
{引用=友情}
喜怒哀楽の 皆を受け入れ
それでも許すは 額だけ
....
人生という苦手な課程を落第し続けた僕の
その沢山ある蝶番のうちの
どこへと君は紛れ込んだのだろうか
君は笑っているね
君はすべてを笑っている
君は人生とも社会とも言葉とも
笑顔で向き合って ....
彼は誰時の薄明かり
隣のプレデターが覚醒しないよう
そっとエイリアンは飼い猫に朝の挨拶を済ます
飼い猫は小さな赤い口を開け
小声でキュアと鳴く
彼女もプレデターは怖いのだ
食い扶持目当 ....
ああ、
貧乏に生まれて
貧乏のままで死んで逝く
ああ……
啄木さんや一葉さんの
気持ちがちょっと分かったけど……
才能は銀河の果てほど差がある!
ああ、もう
わたしなん ....
1
幼い頃、「またあおうね」の挨拶は会うでも遭うでも逢うでもなく
すべての可能性を包括していた
loveにもlikeにも捕われず
すきだとささやきたい
漢字とカタカナとアルファベ ....
らくだ色の毛布のなかで
ひだまりに
あたまを撫でられた
....
空から垂れるものは
何本の線ですか
すがるも はなすも
自分次第でしょうか
君はゆるやかな
さかをのぼっている
私はその背中を押したいけれど
おまえはおまえの…
そうきこえるき ....
溺れる人が
泳げないとは限りません
泳げるはずなのに
溺れてしまうことは
よくあることのようです
また
溺れた人を助けようとして
しがみつかれて
共に
溺れてしまうと
いうことも多 ....
もやいがほどけて
岸からゆっくり離れ惰性ですすむスワンボート
寂れた観光地の人工湖は静かでのっぺりしている
スワンボートは誰も乗っていないんだったら
おひまをいただき
ペ ....
まぶしさがいずこからかやってくる
湖面は揺れ
私は浮かび上がろうともせず
かといって沈み込むこともなく
散り散りとなった魚たちの肉片を
生臭い目で受け止める
巣の中で縮こまる小鳥のよ ....
どこでもない幸せは
どこからやって来るのだろう
何も見えない心の奥底か
からっぽの場所に吹く風か
何気ない言葉は
どんなに深く軽い想いから生まれるのか
この思いは誰も知らない 見つから ....
きっと その
水色の子は
女の子でしょう
あなたに 毎日
愛をささやきに
来たのでしょう
私の真っ白い子は
おしゃべりで甘えん坊で
食いしん坊でした
どこからか
飛んで ....
一年の最後に
日めくりカレンダーは
ちょっとさみしげに
でも満足げに
最後の仕事を終えた
一日は
吹けばとぶような
薄っぺらい紙だったのに
過ぎ去ってみれば
こんなに厚い
めく ....
まつげの先にくっついているのは
きっと、全てからこぼれたひとかけら
布団からはみ出た指先の冷たさに驚く
そういえば昨夜見ていたニュース番組で
朝夕の冷え込みに注意しましょう
とか何と ....
今日を生きることに疲れた心を連れて行ってあげる
追憶の岸辺には様々な物が打ち寄せられている
陽に晒されて白く乾いた流木の傍らに
幼稚園に母が持たせてくれた馬車の模様の小さな青いお盆
好きな ....
あなからこどもが零れ落ちるように
夢をみている
いつか
あなたの我慢がフローリングを濡らしたように
だれかの白い肌がりんごのように
なめらかな弦
だれの望みだろうか、
夜は ほん ....
僕という手品を君に見せてあげよう
きみはつまらないっていうけど日常はとてつもなく
素敵なショウだってね
種明かしは簡単さ
詩人であればいいのさ
世界という書物を書き換 ....
Ⅰ
ちらちらと粉雪が舞うなか
高らかにラッパの音が鳴り響く
あれは祝福の合図か
それとも最後の審判への警告か
澄んだ空に鳴り響く清らかな音に
私は身も心も洗われて行くような気 ....
もう一度と
願う君の横顔を
遠い私はおぼえよう
海が壊れた日を
忘れない私たちの
手がどれだけよごれていようとも
互いにだきしめあいながら
{画像=120105004250.jpg}
現状認識
悔恨と希望、両極端に振れる
不安定な時代を生きる
情景は印画紙に焼き付けられ
その意味は後から知るこ ....
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