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【 流石の沢蟹】
沢蟹は、歩く
沢を 歩く
さわさわとした沢を歩く
沢蟹も 花見をする
タンポポの花が 咲いている
その花弁を
器用に 切り取り
....
ぼくが弱気なのは
お家のお庭から燃料がとれるから
お出かけしてまで燃料を買いにゆかなくていいから
みんなぼくには
ぼくのお家らしくしろと言う
たしかにぼくの弱気が戦場を拡散させた
だから無 ....
五メートル×五メートル、市民農園の区画ふたつが
わたしの詩の研究室
今、研究室では白いつるバラ「新雪」が咲き乱れ
萩「あすかの」がこんもりと枝を伸ばしている
土に金属の支柱を五十センチほど埋め込み
....
夏の日の夕暮れ
いつまでも続け
つないだ手のぬくもりほどの
せつなさを抱えて
メビウスのまんなかに
つかのま立ち止まり
見つめ合った、ぼくら
いまよりもずっと
不器用で、素直だった ....
真昼の烈光は
漂白剤のように
景色も
僕の影も
脳も
真っ白にしていく
何もない
真昼なり
貧しくて
口減らしのために子が親を捨てにゆく話があった
大金持ちで
お金を使う時間が欲しくて親が子を・・・・
お金があれば
それを使うことで人生を豊かにしようとするひとがいても
なんの異論 ....
たわわな緑が
柔らかなみずみずしさが
宮沢賢治する
新緑が
まだ濃くない緑が
揺れる
たわわな緑が
柔らかなみずみずしさが
宮沢賢治する
生きていることへの不安
貧しさやひなびた ....
あのやまのかなたには
既にあるものがあるだけだ
定点はじぶんの肉体にあるのではなくて
こころを生み出す
脳のなかにあるのかも知れない
昼と夜の長さがほぼ同じなのだ
春分の日なのだ
なに ....
そんなに
目を点にして
俺を見つめるなよ
普段父親らしいことしてあげらないけど
週末はできるだけ帰るから
だから
あんまり俺を見つめると
鼻をひん曲げて
目隠しするぞ
冷たい雨つぶ
まいにち続く忘年会
たぶんそんな連中だろう
理由などない
暇なわけでもない
そうやって万が一の時の為に生きているのだ
それぞれべつべつの連中と
いくにちも繰り返すのだろう ....
こんな色をして
みんなのためにがんばっている
すみのほうでおどけた顔している
こんな色をして
そこにいないひとのことを想い
胸をいためてはまた
きみはみんなのことを想っている
きみのい ....
(ボクめせん)
おかあさん だいじょうぶですか。
ねつ早くなおるといいですね。
ぼくもがんばりたいとおもっています。
ねつがなおったら、あかるくたのしく ....
考えないで
感じよう
継ぎ接ぎだらけの人生だ
考えてたら詰まるから
全開になって感じよう
そいつをうんとかき集めよう
生きてる意味や
未来への不安
どんな生き方になったって
問題は ....
ひぐらし
ぐ〇●●
ら●○●
し●●○
しず○
ず倍○
ま○音
る○○
レ○○○ ....
波の音は
異国のことば
こどもたちが海に入ってゆく
カメラが海に潜り込む
水のなかは
ことばのない異国
それがえんえん繰り返されて
ぼくたちは眠るのだ
....
はやく行きたいな
夕方に行きたいな
暖簾をくぐればほのかな木の匂い
カウンターの香ばしいひかり
ほのぼのとした血の匂い
いい感じで湿っている
やっぱりぼくはここが好きだ
神田三州屋がや ....
泣きたければ泣けばいいさ
泣かないですむ人生なんて
たぶんきっとぜったいない
だからという訳ではないけれど
泣きたければ泣けばいいさ
泣かないですむ人生なんて
たぶんきっとぜったいない
....
【暮れかねる】
ある日 冷蔵庫の中のものが
すべて 薔薇の花になってしまった
五月が さえざえと冷蔵庫の中で咲いていた
ばら肉は どこへいったのだ
薔薇が ここにはあるだけ ....
新緑が万緑へとかわろうとしている
あの幽霊のような柔らかさが消えつつある
また来年
ぼくは新緑に会えるだろう
地球が滅亡しないかぎり
ぼくが絶望しないかぎり
ぼくは万緑にも会えるのだ
....
あの日まあるい芝生でヒョウスケくんを待ったことをまるでさっきのことのようにアーヤは森の木々を見つめながら思い出していました
ヤンおばさんの家から飛び出したアーヤはまあるい芝生に向かって走りました
....
痛くて泣いてるってばかみたい
一人の闘い、だけど
お医者はきちんと診てくれてるし
看護師さんだってついている
それでも
一人の闘い
痛い、痛い
きょうは具合が悪すぎる
家族がいたならと
夢をみる
....
さくらの野郎がまた真面目に
花など咲かせようと張り切っている
春だからあたりまえ
そんな野次にも負けないで
張り切ってふくらんでいる
あたりまえなんかない
あたりまえばかりだ
いろんな騙 ....
毎晩ジャンを抱きしめて眠ってる
ジャンにしてみたらいい迷惑かもね
テディの宿命です
なんて言えない
不安になるとすぐ泣いてしまい
どうしていいのかわかんなくなっちゃう
わたしへのアドバイス
「大好き ....
雪国で暮らすものにとって
春の訪れの
このうきうきとした高揚感は
何とも言い表し難い
特別な喜びであると
つくづく思う
春はお祭り
スキヤキ食べに来なさいよ、と入居者の方にまた誘われた。
ぼくは屈んでこのご婦人に笑顔を返す。
ご婦人はもうしかめっつらの真面目な顔になって午前のひかりのなかに消えてゆく。
ぼくの仕事は介護福祉士 ....
出張先で倒れた
会社のひとにわりと大きな病院に運んでもらった
その間にもお客様からクレームの電話が入っていた
その処理の指示を浅い息でおこなってそこへは明日行くことにした
問題が起こることは普 ....
きょうはなんの日?
誰かにとって
きょうはなんの日?
僕にとっても
きょうはなんの日?
怖くて目をそらせた
ポッケに手を入れた
誰かと見つめている
淋しくて青く見える
悲しくて夜に ....
青い花をみつけた
夏、君を撮った
盗った、だろうか
そんな感じ
帰ってモニターで
可愛がってから
サマーブルーと名づけた
プリントアウトして手許に
は、せずに
季節のめぐりのなか
ときおり君を可愛 ....
失うことを見つめている
悲しい気持ちを確かめている
30年経ってもなにも変わらない
あの頃から泣き場所をなくしていた
私は忘れるのが得意になっただけだ
強烈な自白剤を打たれたところでなにも思 ....
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