トランク一つで旅に出よう
遠い遠い異国の地へ
木の橋を渡り森を抜けるのだ
憧れていたムーミンの家
扉をノックしたのなら、彼は出迎えてくれるかしら?
可愛らしいお家の中で、お茶 ....
良い詩を書いた夢をみた
白く光る窓辺、花瓶の横のメモ帳に
涙を拭いながら
山吹色のえんぴつを走らせ
時に端を噛み
悠長、と呟いていた
花瓶は水だけ入っていて
くびれた所は緑に汚れてい ....
どういうふうでも
最後には
もういちど
出会いたいと
おもう
もういちど
出会って
いまより良くは
できない
おなじように出会って愛みたいになってぼろぼろに傷つけて
たくさ ....
「鳥が空で迷子にならないのはなぜ?」
幼い目で僕を見上げた
その髪を撫でながら
「くだらない考え事をしないからだよ」
と呟いた
美しいものは特に
何も持たずに輝いている
昨日 ....
車のライトに浮かび上がったふたつの影は、やはりどこか
不釣合いだった。
男のジャンバーの下からはスウェットがのぞき、女は短い
スカートに、つんのめりそうなハイヒールを履いていた。
ヨシダさ ....
サツマイモ
さすがに君も化粧落として
掴んだものがコレ
真新しい長靴も泥だらけになって
急ぎ足で抜いてきたようだ
もしかして きみ
屈託のない笑顔に問い掛ける
うちだけど
渇いたくちびる三角帽子 ....
か弱いものでも生きてゆける
それが人間らしさってこと
それなのに時には誰かを押しのけては前に進み出て
この一歩が生死を分けるのよね
なんて言い訳をする
※
世の中は悲し ....
夕食の支度をする
そう言って彼女は
地下鉄に乗り込み
買い物に出かける
何となく僕は
ビールが飲みたくて
反対のホームから
地下鉄に乗る
笑っている人
泣いている ....
それを動かせば
すべてが動く
山の裏の光
みどりの
光
冷たい鉱
白は触れる
空とまばたき
つぶらな音
獣を追う声
壁に消える背
夜の径を
透る ....
僕に詩(うた)を下さい
書き損じの紙切れ
池に舞い落ちた木の葉
真夜中の月の海
僕は何処かに置き忘れているのかも
駅の遺失物の棚
旅先のホテルの一室
ツンドラの森に
いつも
....
宇宙はこわれて
とろとろの熊になった
やわらかで許された
ひとりぼっちの熊
わたしが出会うのは
その熊の孫の孫の孫の孫
なのだけど
まだだれも知らない
とろとろの熊しかいない
....
睡眠もそう
食事もそう
人間関係も
得意も失意も
喜びや悲しみも
利他やエゴも
愛も嫉妬も
なにものかへと向かってゆくには揚力がいる
この揚力をコントロールすることが必要不可欠
た ....
遠野の山道/峠の途中 一本の巨大な枝垂れ桜/
とおののやまみち とうげのとちゅう しだれやなぎにかっぱがぽつり
春先にその桜の根元/その下で春先に相撲を取る河童一匹/
はるさきいつも ....
ふたり 夜空を見上げて
満天の星のした
夢 語り合ったね
不安な僕の心を
君の笑顔が支えてくれた
自信のない未来を
君が拓かせてくれた
ずっと君の隣を歩いてゆくと
思っていたけ ....
あなたに
似合う季節は
どれとは言いがたいので
あなたへおくる言葉はすべて
どうやらいまも
なりゆき
です
探しものは箱の中
箱という名に閉じこめられた
とても ....
赤い感情と青い記憶とを
つむいで
むらさきを織る
夏の恋
ひざまでの深さのつもりで
いつのまにか飲みこまれている
息継ぎに顔をあげるたび
水面にゆれる ほほえみに似た光を
肺にかさ ....
あまり器用ではない指先で黄昏時の風景を繕い始めると
粗野な一日が少しずつ整理されて見え隠れしてきます
落穂拾いのように身を屈めた姿勢は屈折した姿 ....
{引用=箱舟の乗り合い名簿の吾が名消し}
そんなにもきみはまっすぐにぼくをみて
うんうんとうなずきながら
まるでひとかけらのまよいもないふうに
ぼくのはなしをきいてくれる
ぼくはいままでにたくさんのことをみてきたけれど
その ....
空きびんのそこに
ひかりをいれるやりかた
まくらについたにおい
夜のしみついた
空きびんのそこにある
ひかりみたいに
安っぽく
安らかで
失われやすい
性質だったな
....
ほら
やわらかな終わりがきたよ
やさしい
天使の顔をして
私は
急に思うのだ
三途の川の水面にも
低く高く
トンボの群れが
乾いた
秋を告げるだろうか
ワシは
車を ....
ジェットコースターみたいな波乱万丈な恋がしたいと
夢見る夢子ちゃんは思ったけれど、
きっとそれはどれもハッピーエンドだったからで、
いざ恋をしてみると、どうしようもなく穏やかな恋にあこがれた
千年を巡ってたどり着く真昼
孤独に鳴るシンバル
居眠りする太陽
大きなあしなが蜂が
買い物帰りの
バイクの音を鳴らしていく
高い木の上で揺れる
一枚の古びた葉の付け根から
葉先に向 ....
くもらぬ声で
ささやく物語が、愛
結末は
かなしくても
信じるしかなかった
瞬きの間が、愛
傷んだものは
そのままにしておくことが、愛
差しのべる手も、愛
叫ぼう ....
I love you が言えない僕
でも安心していられる。
Nothing to fear 怖くない
虐待された猫を飼う。
幼すぎた二人の心
人を傷つけあい
でも繋がっているものが
....
友へ
こころを寄せて
手紙をしたためています
わたしのうしろで書かれないものたちが
茶化して耳をくすぐります
フェルメールの筆は光の代用
ずっと見ていたかったのに
わたしは弁明しなけ ....
旅立ちは賑やかだ
大皿に盛り付けられた笑顔と
色とりどりの激励の前で
あくまでも清々しく感謝を歌い
覚悟の靴紐を適当に結んだら
潔く見えるように出発しよう
旅立つ者の不安は誰も ....
{画像=110917004242.jpg}
わたしはひかり / わたしはしずく
ふようして / こうかする
あなたはやみ / あなたはこうずい
かくさんして / ....
私にもかけてかけてかけてかけてかけて
塩塩塩塩塩
あなたと一緒に
溶けていたいの
真夏の夜に
溶けていたいの
このわたくしは
塩が一番いいの
....
110916
○○地方は120ミリ
新たな水害も予想されますから
雨の降り方にはご注意ください
天気図の指し示す先には
2つの台風が同心円を ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173