わが弟は師走の生まれ、
誕生日には雪が降る。
故郷が初雪みるのは大抵、
わが弟の誕生日。

わたしと違って律儀なやつで、
盆と正月に帰省する。
うわばみの父と呑んで笑って、
真っ赤 ....
 

部屋の灯りを消し カーテンの隙間を覗いたら
霧に滲んで電線にひっかかっている
ミカンの房のような月がいた

おやすみ 泣き虫の月


夜の周縁を震わせて
電車が横切ってゆく
 ....
 八月十五日、登山道の除草を開始した。四カ所の登山道コースを一人で受け持っている。トータル十日以上はかかるだろう。
 人は「大変ですね」と言う。しかし、大変なことなど何一つない。思い悩むことはないし ....
きれいだね、
ほんと
きれいだね

ひさしぶりの
ふるさとの浜辺で
花火を
とおく
みつめながら
やわらかな笑みをうかべていたきみを

うちわと、浴衣と、えくぼと
海のにおいと ....
  それはまるで
  昨日の太陽のさんさんと
  眩しいばかりの煌めきで在り
  今日の雨のしとしとと
  深く深く浸み込むさまで在り
  いつかの風がそよそよと
  凪い ....
生活に芯というものがあるとしたら
花を挿していなければいずれは緩んでくるものだ

日々の心のゆらぎは錆びた弦楽四重奏
山巓からの水脈が生をうるおしているのならば

堕落した駱駝は回文好きだ ....
また、あした

また、あした


きょうも暮れる、

かえり道


も一度あえたら

そうしたら


どんな話しを、

しようかな


あかく染まった

 ....
人がいなくなった庭は
草がぐんぐん伸びて
かつてその地に眠った心臓のありかを隠した
もう探し出せないし
探そうとする人もいない
よく見ればブルーベリーが細々と実り
小鳥が集う楽園になった
 ....
 ・《善罪》- うまい - 満腹刑



 ・《接着罪》- くっつきすぎ - 熱湯刑



 ・《木罪》- 便利 - 伐採刑



 ・《錠罪》- こだわりすぎ - 溶 ....
逃れ去っていく
逃れ去っていく記憶の
その核心を掴もうと
広がる鉛の海を泳ぐ、泳ぎ続ける
 
 失われた薔薇の花と団欒
 終わった関係と更地
 虚脱の時を刻む秒針

静まっていく
 ....
ほとけさまは、たからもの

ぎゅっとにぎるの、たからもの

ここにあるから、えがおになれる



ほとけさまは、たからもの

ときにはいやになる、たからもの

だからエイっ ....
縁側に座り西瓜を食べながら
その黒い種を口から飛ばす
黒々として立派な弾丸は遠くまでよく飛んだ
白くて未成熟な種は気がつかずに食べてしまったかもしれない

夜、蚊に刺されたあとをかきながら
 ....
無限につらなってゆく世界の果ての階段を
親しげな不条理とうでを組んできみがのぼってゆく

いつもおもうけれど
宇宙のなかの点にすぎないのに
点には面積がないのに
線にも幅がないのに
ぼく ....
     休日の午後4時、
     大きな鍋にぐらぐらと
     日々のあれこれが沸騰する時間
     きっかり2分
     それ以上でも、それ以下でもない
 ....
花ならば
一番うつくしいのは咲き始めの頃
おずおずと開きかけたつぼみの輝き

咲き誇る満開の時を過ぎ
花びらを散らす
それで終わり?
歎きながら枯れる日を待つ?

いいえ そこからま ....
今日もとりあえず元気で行こうハイタッチ
いつも優しいばくだんを作っている
そんなひとが好きだ

ひらきなおれない中途半端な言い訳
落札できまる交換価値とは無縁ではなくても
それでもやっぱり ....
陽は落ちて
辺りはひっそりと
静まり返り
あんまり暗い
夕暮れだ

玄関先では
見知らぬ声が
会話を交わし
部屋を
ノックして
歩き廻る

濃くなる夜闇が
ざわめき始め
 ....
オオカミは
目の前にいる羊を
食らいたかった
飢えていたのだ
一気にかぶりつき
 ....
脇.
なんだか、また今日は風が強く吹いていますね。(面白い^^)
達観しているというか風来坊というか自然災害指定というか、或いははたまた風の又三郎なのかな?

3.
なんだか、別の日には ....
     見る影もなく
     下垂の一途を
     たどっています
     この両の房の中にある
     喜びと寂寥、
     この歳になればそれはもう
    ....
     それは
     雨ざらしにされた
     靴下のように
     不誠実だった
     だから捨てた
     時が経ち
     青空が広がり
     太陽の光は ....
『沢村忠、知ってるか
「キックの鬼」で
漫画にもなったんだけどな』

『俺もキックボクサーだったんだけど
ブームが去ってしまって
試合も組まなくなったから
地元に帰ってきて
トラックの ....
ずっと
ひとり
だったんだ。

はぐれ雲の
ため息
みたいに。
ずっと、
ひとり、
だった。

主をしらない影が
主を懇願するように
ぼくは
それを
求めていた。

 ....
みしらぬ女性に
あいさつした

「知っていますよ
 あなたの事は」

と彼女はいう

ぬるっと
眼球が飛び出し

アジサイの
葉っぱを

はって
溶けた



 ....
離島に夏がくる
隣の猫は人間になりかかってきた
この忌まわしい季節には
神経節細胞の痛みだけが秩序ある情報なのだ

ぼくの離島は温存されて
真夜中に大陸とひそかに交信する

部屋のAI ....
優しく意識が広がるから
道行く人の顔は微笑む

光の夏が近づいて
揺れる青空は遥か霞み

優しく意識が溶けるから
見慣れた街は異郷となる
まずスマホ それからテレビ OFFにする

死ぬまでは 生きれるように 今は寝る

悪いのは あなたじゃなくて タイミング

無意識は あなたの味方 いつだって

嫉妬かな 嫉妬なのか ....
14歳の頃 心から信じていた先生が言った
「今の君には無限の可能性がある」
「でも君がそのうちの1パーセントの可能性を選択した瞬間に、残りの99パーセントを失うことになるのだ」と
それは冷酷な  ....
バスは満員
電車も満員
ひとびとは水底に四角くならんで
青くひかる
ぶつかり合わない程度に
ゆれあい
いつか
自由になれるんだろうか

乗り物を降りると

豆腐屋が通りを ....
収入のほぼ10割がドングリで「ドングリ払い」出来ぬと辛い
たまさんのおすすめリスト(5201)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
わが弟は雪男- 福岡朔自由詩3*21-12-24
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山の中の孤独- 山人散文(批評 ...5*21-8-17
遠花火- 草野大悟 ...自由詩421-8-12
雨上がりの日に- 石田とわ自由詩7*21-8-9
夏の四重奏- 梅昆布茶自由詩1621-8-8
また、あした- 令和9年自由詩2*21-8-7
青空オルガン- そらの珊 ...自由詩9*21-8-6
しけい- 津煙保存自由詩6*21-8-4
その時その瞬間- ひだかた ...自由詩721-8-3
たいせつ- 令和9年自由詩321-8-3
西瓜な季節- そらの珊 ...自由詩9*21-8-2
さめたコーヒーのうた- 梅昆布茶自由詩1621-7-29
沸点- 石田とわ自由詩6*21-7-23
花ならば- Lucy自由詩421-7-23
夏なんです- 梅昆布茶自由詩1421-7-20
告知- ひだかた ...自由詩721-7-19
飢え- 石田とわ自由詩3*21-7-18
いろいろやってみる(四万十川的感想勝手にひとり連詩)- 足立らど ...自由詩4*21-7-18
房の中- 石田とわ自由詩8*21-7-18
捨てられないもの- 石田とわ自由詩2*21-7-17
問題は、明日の朝- 板谷みき ...自由詩4*21-7-15
あいつ- 草野大悟 ...自由詩821-6-22
あいさつ- ナンモナ ...自由詩11*21-6-16
離島の夏- 梅昆布茶自由詩2021-6-14
優しい午後- ひだかた ...自由詩7*21-6-11
脱鬱川柳- TwoRivers川柳7*21-6-6
空の扉- Lucy自由詩11*21-5-11
豆腐のうた- 自由詩17*21-1-31
収入のほぼ10割がドングリで「ドングリ払い」出来ぬと辛い- 北大路京 ...短歌721-1-22

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