自分のこころが
話し相手の私
悪も私
善も私
いろんな私
お前と私の くされ縁
ペンとノートで膝つき合わせて
何の進歩がなくたって
へっちゃら
お前の いじの悪さを思う
私の頑固さを お前は笑い
諦めてしまえば
お空 ....
船場汁っちゅうのは
塩鯖のアラを使い、
その塩気と、
だしだけで食べるもんや
汁の具は鰭と目玉、
鯖の骨やらのアラのほかに
大根の薄切りをつかう
そんだけでもう十分やろ
板張り ....
いくつもの
物語の
すべてが語られて
ひとりの人として集められて
終わるころには
陽の光から逃げるような
細く長い影が
やっぱりひとつ
薄く 揺れるだろう
生まれてからは
笑い ....
ある日アヒルの王子様がやってきて
結婚してやってもいいけどなどと言ってきた
でも待機児童問題が、と言うと
ガアガア鳴き始めたので
彼には彼の人生をお尻プリプリ歩んでもらう
瓶ビールに ....
夏の雨が降るとやってくるシロイルカ
冷蔵庫から勝手にサーモンなんか出して盗み食いしてる
(いいけど、いいんだけどね。そのために買っといたんだけどね。柿の種もあるよ)
腹が満ちたら、さてっと、やる ....
○鉾市の部屋(有馬記念当日)
競馬中継が映されているテレビの前に陣
取っている五人。鉾市が茶菓を乗せた盆
を持ってやってきて座る。
遥「あ、すみませ~ん」
鉾市「いいねぇ、 ....
主な登場人物
葛城涼歌(16~18)高校生
川上千伽子(17~19)右同
環華織(17~19)右同
神楽キャロル(17~19)右同
井園遥(17~19)右同
浅田鉾市(69)書店ア ....
あんまり桜がきれいだから
少し寄り道していこうか
寄り道はいくつになっても
心が踊る
野焼きを済ませたばかりの土手は
あっけらかんとした楽しい黒焦げ
ショートカットにしたばかりのうなじ ....
〇北海道・大里育成牧場・放牧地【九月】(早暁)
大きな放牧地の前に看板が出ている。
白み始める空。鳴きかわす鳥の声。
寿々芽が歩いてくる。そのシルエット。
〇大里育成牧場での寿 ....
「駒は乙女に頬染めさせて」登場人物表
橘川寿々芽(25~29)JRA所属騎手
早坂姫香(20~24)右同
(以下の人物の年齢については登場時のもの)
海老原剛市(56)木本厩舎・ ....
深夜から勤務の節分は
その年幾度目だったろう
もう分かっていた七時過ぎの休憩
だから持ってきていた
サッポロ一番味噌ラーメン
休憩室のガスコンロでぐつぐつ
さて、からだも ....
僕の瞳にはオレンジだけど
君の目には何色なのか
そよぐオレンジの群れに
君はお尻を向けて移動中
ちょうど僕の胸の高さに居て
翅を広げる
胸部と腹部の背中がはっきり
見 ....
「星ころし」
悲しいことがあると
星を見ていた
お姉ちゃんは夜に泣く
一番小さな星を探していって
順番にころしていた
悲しいことが多すぎて
埋葬された星の数は
あと一つで百になる
....
子供の見る世界は
活発な栗鼠のように目まぐるしくて
全てが産まれたての星星のように瑞瑞しい
けれど
その月日の流れる公転の速度は
その身体のなかにある地軸の回転は
じつは樹木の成長のように ....
君はさながら落下した蝙蝠
五体投地のごとく身を投げ
泥に翼を打ち付けながら恍惚と匍匐する
堕胎した言葉の数々を
霧の森の果てる處に埋めに行く
生まれよう ....
初冬の光は
ちょっとあたたかで優しい
川のほとりで
すすきが日光浴している
若いすすきは
つややかな穂先をしならせて
本当の冬を迎えうつにあたり
どう生きていこうかって
ささや ....
同じ二音を持てる単語をかさねて詩歌は作れぬか
「{ルビ窓=まど}辺に{ルビ惑=まど}うマドンナが{ルビ魔道=まどう}師を呼ぶマドリード」
こっから先が出てこない 考え続けて十二年
そろそろ新 ....
炊飯器が天に召されて三度目の冬
あれから飯はフライパンで炊いてます
浸水三〇分ってのは変わりませんが
一〇分で炊けるんだからやめらんない
着火して 最大火力で加熱
ガス台の隣でうすい文庫 ....
防衛費の増額とその財源をどうするかの議論を皮切りに、与党内の政局が大きく変わろうとしている。
一番の変化は与党の若手議員の多くが経済を勉強して、正しい貨幣観を身につけたことだと思う。
財務省 ....
理科の授業で実験のある時に限って
やたら目を輝かせていた小林くんは
セイタカアワダチソウの
蹂躙する広場で消息を絶った
缶けり鬼の高く蹴り上げられた缶は
とうとう落ちて来なかった
少し遅れ ....
とおくのびていく
声、
ういういしくかなしい
静かさの相貌を帯び
わたしは失なわれた
ふるさとを想う
ふるえながらふるえながら
明日のことは
誰にもわからないから
....
お月さんよぅ
誰も見上げてないよ
平凡な様子だからかな
月蝕の時と同じ月なのに
毎日同月
ややこしいな
(ちがうよ)
誰かしゃべった?
お月さん?
毎日、別の月だったんだ ....
ぐるりとしつらえられた
アイアン製の肋骨
鳥は出て行ってしまったけれど
残像として
生きている 今も
初冬の夕暮れはまばたきするごとに暮れ
憂うるわたしたちは夜を迎え撃つ
そのうち弾 ....
砂糖で出来た四肢に諦念はめぐる
踊り子の腰に巻かれた拒絶
やわらかく宙を抱く腕の中で
見えない魚がくるりとひるがえる
塔のない町で 城のない町で
踊り子は眠りにつく 酒精の匂いに紛れて
....
十六年九ヶ月前の過去の俺が聴いていた
滅び 滅び 滅び 滅び 滅び 滅び 滅び、という
乾いたシグナルの源泉が、現在、分かった
今日の日本のことだったんだ
国土(特に地方)は荒廃し
地方の高 ....
たんたんと
こころのおきばしょをさがすために
いきてきたわけじゃないのに
あいらくも
たんたたんとやられちゃ
もうなにもかも
あぁ
そんなことのために
ことばが ....
すみわたる水色
アルルの跳ね橋
輪はひろがってひろがって
川面に輪は
波打ちながら広がって
すべて一体に自ら保ち
水色、降って
降り注ぎ
わたしはいるよ、
ここにいる
....
原則は
ゆつくりリズム
なかに韻
ときどきうまく
まとまれば吉
問題は
良心の音
ハモネプし
君の根でなく
みんなのおとね
無意識は
今の時代は
常識で
阿吽の呼吸
....
コンサートの演目が残り少ないころにぼくは生まれた
終電の網棚にある週刊誌ほどには世間をしらずに
世の中にはどれだけの情報量が飛び交っているのだろう
量子コンピューターの時代に8ビットの
演 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174