すべてのおすすめ
生活に芯というものがあるとしたら
花を挿していなければいずれは緩んでくるものだ
日々の心のゆらぎは錆びた弦楽四重奏
山巓からの水脈が生をうるおしているのならば
堕落した駱駝は回文好きだ ....
無限につらなってゆく世界の果ての階段を
親しげな不条理とうでを組んできみがのぼってゆく
いつもおもうけれど
宇宙のなかの点にすぎないのに
点には面積がないのに
線にも幅がないのに
ぼく ....
今日もとりあえず元気で行こうハイタッチ
いつも優しいばくだんを作っている
そんなひとが好きだ
ひらきなおれない中途半端な言い訳
落札できまる交換価値とは無縁ではなくても
それでもやっぱり ....
離島に夏がくる
隣の猫は人間になりかかってきた
この忌まわしい季節には
神経節細胞の痛みだけが秩序ある情報なのだ
ぼくの離島は温存されて
真夜中に大陸とひそかに交信する
部屋のAI ....
遥かなる文明の端っこに腰掛けているのです
なんだか大切な靴も失くしてしまいそうで
雨も止んだようなのにぽつねんと一人で腰掛けているのです
忙しい新聞記事を時々は読みたいとおもいます
3 ....
ことばって何処にあるの
辞書のなかに埋もれているの
人間って何処にいるの
へそまがりな生き物じゃあなければよいけれど
幸福と善とはいっしょなのでしょうか
あるいは幸福のしっぽが見え隠 ....
空があり風があり
時は世界樹をかけのぼって
あしたへとながれてゆく
だれかが小ちゃなブルースを
奏でているような気がしてでもそれは
ぼくの知らない紫の小花の群れだった
月への梯 ....
疲れた心のためにインスタントコーヒーを一杯いれる
僕は悲鳴こそあげないが
なんだかいつもテンパっている
60〜70年代に掲げた自由ってなんだったのだろう
敵はいないし仲間もいない
....
何処にも届かなくていい
誰にも関わらなくて
何の問いもないが
ただ在ることを想う
ダーウィニズムがもたらした
革命にしたがおうとおもう
忙しい自分は本当なのだろうか
ぼくはい ....
とりあえずのチキンは食べられてしまって
ぎゃばんのseasoningが恋しいクリスマスも近いし
ぼくのなかの騒がしい自由は休憩しているのだろう
忘れさられる歌を今日もうたっているし
....
不思議の森を歩く
ぼくの世界は既視感でみたされ
ぼくの記憶は整理されてたたずむ
ぼくの未来は予感され
ぼくの狂気はひた隠しにされて
ぼくの愛は調整され
ぼくの調理器は壊れている ....
ちいさく頷きながら君が去ってゆく夢を見た
現実はそう変わらなくてなにもたくらみは仕掛けられてはいない
年老いた少女はいつも夢の花をアレンジメントしているのだろう
丘の上の孤独な愚か者はさらに ....
夢のなか昏い洞窟のしたたり落ちる水滴と
森の朝の露が合成されてぼくらは生まれた
やがて酒場のにぎやかで気怠いピアノの鍵盤を踏んで
自分が誰だか気づきはじめるか忘れ去ってしまうかの
どちらか ....
ふと思ったのだけれどね
人間には通気孔が必要だってこと
きっとどれかの上着に入ったままの入場券もいつかは必要なんだ
なくてはならないものなんてそんなにないんだけれども
たやすい自由はい ....
いつのまにか夜だけがふけてゆくが
僕の朝はいつまでたっても来ない
時間の止まったままの時計をぼんやりと眺め
時系列のなかの無限の選択肢に思いを馳せる
ものごとを整理するには基準が必要だ ....
たいようがうしろからぼくをてらしかげをふんであるく
しんぞうがとまりそうになるくらいきみがすきだ
じんせいのおわりからぼくをならべいんをふんでしのぐ
ないぞうがひっくりかえっても ....
失われた時を還せ
死んだ夢を呼び覚ませ
きみのうなじの産毛が好きだから
僕の名前を風に聞いてくれ
最期の銅鑼が鳴り僕たちのバンドは退いてゆく
黄昏の中へ精緻な夜へと官能をつなぎとめる
....
雨女の君が颱風を呼び寄せる前に 忘れ物 ルシファーお前の本当のなまえを
ちっちゃな落とし物を捜している
言語の獲得はきみとぼく ....
演繹と帰納
対象化と止揚
ナボコフとアンヌ・ヴィアゼムスキー
ダーウィンとジグムント・フロイト
様々な世界観が駆け巡る
数学者は数理に没頭して
あまり感情の処理に脳の活動を割かない ....
いま歌っているのだろうか心から
誰かに伝える努力をしているだろうか
僕はソングライターではなかったのだろうか
きちんと生きているだろうか
きちんと本を読んでいるのだろうか
ドラッ ....
「眠り猫」
眠りたかった
眠り猫のようにまるくなって
幸せな眠りの世界に入りたかった
好きだった
すべてを合わせても足りないぐらい
そのぶん言葉にできなかった
「猫の眼」 ....
キムチトーストにはまっている
いまさら短時間高収入の仕事に就くすべもなく
ちぎられた時間のなかでファーストフードならぬ
簡単な食事と全自動洗濯機
電子レンジとオーブントースター
せまい部 ....
あの日瞳に映った空は
きっと君のどこかに仕舞い込まれ
ときおり顔をのぞかせ驟雨となって
だれかに降り注ぐのでしょう
こころと身体は不可分です
ホイットマンが僕のどこかに
宿っていて欲し ....
継ぎはぎだらけのタペストリー
隙間から柔らかな風が吹いた気がして
離島が点在する
静かな海をゆく船を夢想する
日常は羅針盤もないスケートボード
リュックひとつでバランスをとって乾いた ....
できの悪い推理小説のプロット
夢の死に絶えたファンタージェン
造物主のいない創世記
すべての夢がわずかな因果の隙間に託されるなら
いつもつまずいている僕はニッチな日雇い漂流生活者
....
とびっきりの笑顔ひとつください
おいくらでしょうか?
こころの痛みを鎮めるお薬ひとつください
どこかにありますか?
曇りのない青空のもと
もうお気に入りの傘も要らないと
言ってくれ ....
たいせつをさがしている
大袈裟でもなく控えすぎず弾力をもつもの
空は低いが僕の中にそれをおしあげる力があるだろうか
誰も風化しない星々も変化しないのではちょっと困るのだ
粘土のように塑 ....
きみが奏でるインプロビゼーション
太陽がさししめすデスティネーション
私はずいぶん整理されたのかもしれない
まるで骨格のように洗われるだけになりたいと
素朴な島人でありたいと心底おもっ ....
みどりの線で世界を描く
翠は鎮静のいろ
緋色が補色
融和と柔らかな背反
それぐらいがいいところだとおもうのだ
ビリジアン
青みがかったみどりらしい
マゼンタ
あかるい紅 ....
よごれた皿を洗うことはたやすくできる
こころを洗うことは容易ではない
精神のよごれが頂点に達して
いつもこわれっっぱなしの回路をさらに脅かす
どこの惑星で治療をうけたらよいのか
基本 ....
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