夜中
息をひそめて
折りたたんだ気持をひろげていく
広げきったら折りたたみ
わたしが
きのうのまま
朝を迎える
ああ、これコピーしといて、ついでに死ね
必ず最後に死ねと言う職場の先輩に
自分はただニタニタしながら、はい、と答える
おい、オマエお昼一緒に食べようぜ、ついでに死ね
はい、いいですね、よろ ....
もうさがさないでくださいあたいのこと
どこにもいないのですから
かぜのなかにさえ
あなたのこころにさえ
人魚でもない星でもない
あるいはおんなでもない
もう時間がないのです
いつ ....
高気圧が低い
おにさんこちらてのなるほうへ
追いかけても
誰も捕まえられなかった
嫌になって
薄目をあけると
どうやら
周りに誰もいない
口惜しくて
やみくもに走ったら
迷子になった
何 ....
雪がふる夜は、まぶしくてどこにいたらいいのかわからない
でも適度にフラッシュを焚かれて白飛びした街は綺麗で、
ずっと同じ時間にいたいと思わせてくれる
背中の骨がつばさの名残だなんて言われても ....
掘削船がやって来る
おれの堆積した泥土を掘り返す
脳だけクラゲの揺蕩いで
光の海に温む予定が台無しだ
山の麓に猫女が住んでいるという
噂の真相を求めて捜す者も多いらしい
捜 ....
影は次々と
落ちてきて
重なって
離れて
あおい時間も
ふじいろの空間も
あなたの指で
押し広げられて
そんなふうにして
世界はできあがり
あなたが残した
古い写真の
風景 ....
うちには時計が大小20以上はある
掛け時計 置時計 目覚まし時計
腕時計 携帯電話の時計 PCの時計
給湯器の時計 ファックスの時計
炊飯器にも時計が付いてる
時計が多過ぎてうんざ ....
知らないほどに、人は愚かで
知るほどに、人は悪く
けっきょく救われヘンのやなぁ
夢に疲れて夢で寝る
夏の来た部屋に貼れないカイロ
福耳の貧乏神はそのうちに福の神へと変わると思う
雪が降り積もる
形の上に
形のままに
雪が降り積もる
同じ重さで
同じ冷たさで
人の想いは
あまねく
くまなく
降り積もることはない
人の想いは
違った重さで
....
ましろな朝。静かな朝。まだ誰も踏んでいない雪はどこまでも、白い。
「雪とけて 村いっぱいの 子どもかな」小林一茶
雪玉を投げ合う無邪気な子どもたちをみつめるまなざしのなんて優しいこと。 ....
雪はライトに照らされて
数千万の点の直線になる
雨よりストップモーションで
風より自由はないようで
そんな光景を外に置きながら
ひとり畳のうえでうたた寝をする
....
物心まだついていない
丘をのぼってまたひとりになったならそこには
すがすがしい空気の夕暮れが凛としてあるのだ
街の喧騒が遠くでささやくように聞こえても
揺るがずにきちんとたたずんでいるものに逢いたかった
自 ....
雪祭りで賑わう
地下街をあるいていた
柱の影から目の前に現れた人物が一瞬父かと思った
現実の父より
かなり若いし
実際の父は
病院のベッドで
寝たきりだと
すぐに気づいた
似 ....
冬景色 北国生まれじゃないけれど懐かしいわぁ今日は湯豆腐
かつをぶし削って薫る郷愁は年経るごとに熟成します
水仙をたどれば春はつながるよ ふるさとの土 温かい風
手作りの竹馬結局乗れ ....
アップしたら北大路京介さんの間にはさまってしまった
ザクッザクッ・・・と霜柱
冬を踏みつぶしていく・・・快感♡
2014/02/06
生きているということは
自分に穴を開けるということ
生きているということは
穴から塩辛い結晶手放すこと
生きているということは
穴を塞ごうともがくこと
生きているということは
....
チョキチョキと切り抜いたのは嘘泣きです天使の羽と切れないハサミ
足の裏さみしい沼を飼っている思い出喰らい泣いては縮む
夜が降るきのうも降った今夜もね、 ....
あなたは空を探す
世間体の要塞に閉じ込められて
強固な偏見の鍵をかけられても
逃げ出す知恵を巡らせる前に
小さな明かり取りの窓を見上げて
あなたは空を探そうとする
あなたは空を探す ....
ぬかったわ
ふるぼこではないか
ぼっこぼこではないか
荒廃した この さもしい自分は
一体どうしたら いいんだ。
いやまて これは
文字の羅列をなぞる指先
田田田田
....
芥川龍之介とマリリン・モンローは
一、生母の狂気遺伝にぼんやり怯えていた
一、心身疲弊と神経症状に苛まれていた
一、常用眠剤プラスαで眠り死んだ
傑出の質量はあたかも
恒 ....
お風呂の中には水がある
どこからきたのか知りたくて本を読む
おぼれそうになりながら
読む本をささえる指
わたしはどこへゆくの
流れる水になって
言葉はあふれても
どこへもゆけないの
....
2月3日 午後8時
そうだ、今日は節分ではないか!
豆まきをやらねば、と突然思いつき
子供達を呼ぶ
「ねえ、豆撒きやるよ〜。おいで〜。」
「豆撒きってなあに?」
「節分の豆撒きだよ。」 ....
柊に名前なき深海魚挿す
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