少女が恋した相手は{ルビ舟人=ふなびと}だった
{ルビ陸=おか}で生きてはいけない
それが舟人
祖先をたどれば
互いに 海で生まれた小さな泡同志だが
海を捨てたものたちは{ルビ陸人=おか ....
あかるい色で
あまずっぱい
白い網に囲まれて
なかなかたどり着けない甘い実
一生懸命網をはずす人
はずさない人
いろいろあるけどみんな欲しいのは甘い果実です
....
憂鬱な朝の第一声
曇天に向かって
呪詛する言葉を発する
自分は独りの老人だ
曇天の向こうには
雲から垂れ下がった
塔が地上に突き刺さる
恐ろしく繊細な根元が
地上に突き刺さる
....
『人生がときめく片づけの魔法』近藤 麻理恵 著
母が「面白いわよ〜」と貸してくれました。なんかどうでもいい著者の過去話や自慢が間に挟んであるので、太字だけでいいなと判断し、10分ほどで読み終えま ....
目をつむると火花が散る
切なさで肺がつぶれる
わたしは、ただの人間で
恋をするとレモンのような理想を夢見る
あの人の、浮遊感が堪らない
彼の影に針をさして標本にしたい
アコースティック ....
君は ポーズをとる
傷ついた純真
夢の紡ぎ手
{ルビ女王=クイーン}
その他 もろもろ
その全てに 飽きたとき
君は 煙草をくわえる
春先のプラットホームで
紫煙の中に霞む 擦 ....
失いたくないものを
握りしめるのは
罪なのだろうか
ひとつの観念が
わたしを捉える
それを解除しようとする別の思念が
....
「水際」
水際、を考える。
ボーダーラインを越したり、引いたり。
波打ち際の刹那。
それは躊躇するもどかしさにも似て。
繰り返し訪れる人生の選択にもなぞらえる。
....
眠りの舟は行き先を天に託す
私は知らぬ間に
川のほとりに
抜け殻を置いて
サラサラと流れる小川を
一人 小舟を漕ぎ始めた
春風に押されて
もの欲しげに
小舟を見下ろす
タンポ ....
男が嘘をついた
嘘だと分かっていて
わたしは騙されたふりをする
嘘だと言ったら
瞬間に
嘘が本当の嘘になってしまうから
すべてを失いそうで
怖くて
わたしはそれを言えない
男 ....
三角くじを引いた
三角形の赤い紙が
二枚合せに貼ってあり
それをはがすと
一等
二等
三等とか
なにがしかが書いてあるようだ
スピードくじとも
いうそうな
アナログなスピー ....
アンティークな拳銃に
新しい空砲が装填される
たとえば愛、みたいに
言葉に置き去りにされた音で
会話された昨日
すでにいくつかの言葉が
歩き出してしまったようだ
今日
位置について
....
僕が勝手にホームだと思ってる店がある
マスターはブルースバンドのギタリスト
髭がかわいい熊ちゃん
カウンターで日本酒呑みながらブルースやロックのDVD観ながら
ぼんやりとい ....
夏の朝
海浜へ続く道
サンダルと
ランニングシャツで歩く
道端に月見草が揺れる
雲が盛り上がっていく
形が何かに似ている
顔
胸
腕がのびて
腰がひろがって
口が開いて
何 ....
キレイダナ
綺麗なものを
僕の眼も見る
このマチガイを、この
すべての僕等の間違いを
ほんとうの物にする
ホントウに綺麗なものが
僕の眼の裡に映る、もう
間違いもかまわぬ
....
あなたを乗せた船は故郷に近づき
ふたりの思い出は遠ざかる
幸せになりなよと、そんな一言のメールも打てぬ間に
{引用=
気がつくと夢中で空を掃いているわたしはいつかの雨の一滴
薄まって波の光を目に宿す あなたはすでに透明標本
それぞれの同化できない手の指が束ね ....
わたしは愛したい
あなたの優しさ
わたしは愛したい
あなたの眼差し
わたしは愛したい
あなたの存在
猫である
愛である
※
ファミレスの窓側席で神事を語る
日 ....
そうして僕は
君の肢体に
必要以上の嘘を吐く
生きている
死んでいる
育っていく
腐っていく
うねうねと
まっすぐに
はじらいもなく
慈悲もなく
まるで天女の装いで
....
線路の上を
ただひたすらに走る毎日は
それが
仕事とはいえ
時につまらないものに
見えてきます
そんな時でした
あなたに出会ったのは
午前八時三十五分
あなたは向こうから
....
左うでをかばって働くから右うでのほうが汚れていたいつも
「どっちみちかなしいよ」
どっちみちかなしいのだ
泣くほうも泣かされるほうも
でもどこかでだれかが
重さをはかって得を ....
部屋で寝転がり
凹凸のある真白い壁紙をじぃっと眺めていたら
いてもたってもいられなくなり
クレヨン屋さんに走る
奥行きの広い店内には何百色ものクレヨンが
一色ずつ一本ずつ
天井まで透明 ....
海よ
お前が産まれたのは
イブの日なんだよ
お腹を痛めた母さんは
たった一人病院で
お前を産んだんだよ
父さんは
知らせを聞いて
すぐタクシーで病院に
向かったのだけれど
間に ....
焚き火を消さないのは
君がまだ眠らぬが故
先に眠るのは
君を信用しているが故
山で眠るのは
己の無力さを
知る為が故
彼方に飛び去って行く鳥を見送るは
見知らぬ土地の匂いだ ....
生後3ヶ月
娘の知能はまだ犬以下である
せめて「待て」を覚えてほしい
この瑞々しい生き物は
自他共に制御不能である
意思の疎通は不良
寝返りできず後頭部は禿げ
糞 ....
’69年
Lolling Ageの時代だ
Coltraneが40歳で急逝し
BeatlesがAbbey RoadのEMI Studioで
7月30日にPaulが独りで
Golden Sl ....
書類を見ていると 何か
忘れものをしているような気になってくる
言葉の海に眠る時間
私の思い出さない何かを
確実に彼らは知っているのだ
紙の上に印字されたメタ・メッセージが
私をひきつ ....
前世はおむつでした
その前は
朝顔を咲かせた藍染の浴衣でした
かすかに覚えているのです
あなたと
一緒に
縁側で線香花火をしましたね
華々しく燃えたあと
ぽたりと火種は落ちて
こ ....
ありがとうも
ごめんなさいも
また今度も
いらない
生きている
私たちに
また夜が
祝福する
エレベータ
昇って
降りて
繰り返す
夜の波だ
打ち寄せる
....
?. ヘンリー?
{引用=His Royal Harness Prince of Wells United King-damn In Gland}
ヘンリーって変なやつ
変なやつ 変なやつ
....
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