仕事 変わって と
頼むよりはやく移動してくる人
ちょっと待て この間この作業は向かないと
変わったばかりなのに また少し嫌や所にふられて
そそくさと戻ってくる 私は あっけにとられる
....
薄い
本なのに
読み進めていくごとに
死者の数が増えていく
人の営みとは?
逸り求める
答えを
土に浸して
熱を持った頭蓋を
冷ます
落下する一滴の体液
足下に舗装された道が広がる。
一滴の体液は一滴の水ですらなく
足下を潤すことはない
アスファルトに吸収されることもなく
側溝に流れる粘り気のある体液
全て虚 ....
休暇明二重まぶたになっている
朝
かまきり が袖を引く
貧弱な鎌をカフスに突き立て
出勤する私を引き留める
そんな鎌じゃ 草も刈れまい
まして人間なんて 狩るもんじゃあ ないよ
生地がいたむから
その鎌 どけておく ....
真夜中
娘の背中をさすりながら
ただ一心に祈る
他に何も要らない
何も要らないから
ただこの子の咳を治して下さい
今この瞬間にも
地球上のどこかで
同じように子を抱きながら
....
{画像=120911010820.jpg}
ベランダから花火に興じる親子が見えた
遠くで見る花火は寂しい
家族で花火をすると必ず
兄弟で取り合いになる花火があった
必ず最後に ....
いつも猫ばかり見ている
静謐な佇まいに時を忘れ
衝動のまま自らを由とする様に息をのみ
猫という美しい獣に憧れ続けている
わたしは悲しい犬
どれほど否定しようとも
....
色あせたふたりの呪文は失敗し
代償はひとすじの涙
そしてひとりだけの沈黙
※「ひみつ」の蛇足
http://po-m.com/forum/showdoc.php? ....
突き刺さる 言葉が
雪 だったら
いずれ 溶けるのが
確定して いるから
少しは 楽に なれるかな
雪吊みたいに
いろんな骨組みが あって
たくさんの 隙間から
外 ....
遠いおとこころの音と聞き違えふと振り返れば下りの電車
陸橋を登らずまわる踏切のむこうにみえるあしたの尻尾
高崎から都心をむすぶ銀の矢の止まらぬちいさな駅にたたずみ
湖にうつる一日なが ....
逆立ちしたくなって
雲の底をひっくり返して
ごっちゃんですの青い空鍋
てんやわんやのこの前の出来事も
ごっつり煮詰めてしまえば
薄味醤油がたっぷり染み込んで
こってり泣き虫だっ ....
生き過ぎて
置きどころのない身を丸め
世界じゅうの
音を聞いていた
気持ちばかりが散らかってゆき
世界が
どんどん狭くなる
それから、立ち上がって
なにもかも行き届いた ....
雨あがり
ひたひたとどこかで
小さな眼が
光っているようだ
きっと虹を隠しているんだ
あいつら
カナヘビたち
すこしずつ
空の時間をずらしている
気をつけるんだな
光ってい ....
今畜生と思いながらも正すひげにゃ
生い立ちを考えずともいまだって野良だにゃあ
魚なんて人間が決めた好物だわさ
本当の猫のゆめをみたいよる
ブロック塀も少なくなって歩きづらいにゃ ....
ふくらみかけているのに
信じることからさけていた
体中に細い針がいくつもいくつも刺さって
抜いては星の砂の中へと仕舞った
他人も自分も
自分も他人も
打ち寄せて返す ....
いつも同じにしてるのに
甘い日と
苦い日
傘を持っていっても
いかなくても
はずれそうな空
一杯だって
同じ珈琲はないんです
しても
しなくて ....
僕らのみている世界が正立像だなんて
根拠のない迷信なのかもしれない
大地は空で重々しく草も生えているし
空は大地で星が涼やかに流れている
僕達は倒立した空の道を車で走り回り
42.1 ....
ロマンチストはどの時代にもいる
ここにも一人
彼はインチキ古物商と素人骨董愛好家の一人二役だ
誰もが経験するようなありふれた出来事を
時を超えて微笑みかける
運命という名工の作として ....
空気人形、という言葉に
いつしか親近感を覚えるようになっていた
乾いた言葉たち
伝えたいことなどなにもなく
空気と同化するだけの日々
私の中身もきっと空気でできているに違 ....
「世界、終わるんだってよ」
『終わらないよ』
「終わるんだってよ」
『終わらないよ』
「終わるんだってよ」
『終わらないよ』
「終わるんだってよ」
『終わらないよ』 ....
良かった恋なんてひとつもなかった
流行歌は嘘つきだ
恋を嫌いになるために
わたしはいままで恋をしてきた
会いたいひとがいない過去しか
持っていないことの貧しさは
愛を知らないままに置き ....
老人ホームでは
いねむりするひとが多い
あっちで うとうと
こっちで こっくり
いっしょうけんめいに
ねむっている
そのしずかな風景は
さなぎの待機のようだ
白い髪にときが重なりあ ....
「叙事詩の精神ーパヴェーゼとダンテ」
河島英昭著 岩波書店 1990年8月27日刊
著者はイタリア文学者です。ボッカチオなどの翻訳研究でも知られているらしいのですが、私は余りイタリア文学に ....
妻と居て
秋の日の午後3時に妻と居て今日は彼女がきれいに見える
窓越しのゴーヤは枯れて涼しい日空気は清く部屋は静かな
九月より妻は黒髪あきらめて白髪を抜かずともよしと言う
街中で知らない人と沢山すれちがう
わさわさ人
つつつ つつつ
つつつ つつつ
つらなる人と私
駅につきすれちがう視線
電車に乗り窓の外を眺めていると
つつつ つつ ....
壊れた蛙になって 何時までも 浮遊する
ぷかぷかと 葉巻を流れた煙の先に
紫の 十字路
オレンジは 爽やかな季節の 代名詞だから
今は 要らないと言ったのに
まあまあ 夜なんだから ....
広い野原に
抜ける空
ぽつんと
ぽつんと
木が立っている
横に広がる枝ぶりと
見事に茂る葉 葉 葉
空と甍のその間
広がる枝を覆い隠す
天平の空の庇に
広がる椨(たぶの ....
{引用=
天蓋は燭光の水あかり
心をてらす 後后のゆらめき
ここは、光さえためされ 路にまどう
教室の窓外に 黒光りする鱗の群れが、
古代魚たちが、泳ぎすぎる」
ありふ ....
夕暮れの淋しさひとつ風に乗せ
揺れるススキを追いかけて
ひとりで道を歩いてた
さよならさよならまた明日
ひとりぼっちもたまにはいいさ
夕暮れのせつなさひとつ風に乗せ
暮れなずむ空を見上 ....
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