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傷つく想いと傷つける想い
どちらが重くて痛い?
独り帰って涙を流がす時
わたしは誰かを傷つけている
だから ....
よごれた指を
水につけて
すこし
きれいになり
水は
わずかに
濁る
わたしを
これ以上
みじめに
させないで
たいせつなひとが死んだ
死ぬのは
だれだってあたりきなのに
こんなに悲しみで
ざわついているのはなぜ
死がふしぎなわけでもないのに
別れることは
だれだってあ ....
お盆
虫取り
夏祭り
生に近いし
死に近い
いつから
八月になったのか
私には記憶がない
そう言えば
今日
「意味」を全うした蝉が
地べたに落ちていた
とたんに
歪んだ蜃 ....
手鏡に映るわたしは、
媚びた笑顔を貼り付けて、
片想いの彼に振り向いてもらうための練習をしていた
プリクラに写るわたしは
美白と睫を盛る効果で
タレントみたいに可愛くなって、笑っていた
....
夏の風が呼んでいる
遙かなる草原の向こうで
草原の緑のさざめきは
どこへ導こうとしているのか
誘われるままに
草原をずんずん進んで行くと
やがて目も覚めるような黄金郷
神殿に祈りを捧 ....
花風がカーテンを揺らしていく。小刻みに空の青さが変化していく。庭にはまき水をした形は残っていない。木々と花々の境界線の弱弱しさ、視覚から萎れかかるものが消えていく。雲は夕立の前触れだ ....
セミ
かと思ったらエビ
枝にたくさんの甲殻類が
困っている
あさおきて、かおをあらって、ごはんをたべて、それからがっこうへいきました……
そこでもう、ただ鉛筆を舐めている。その先へは進めない。
楽しかったことや、辛かったことも書いたらいい、と先生。
やす ....
なくしたもの
ここじゃないどこかで
落としてきたもの
きっと大事だったもの
ああ
いつになったら
涙はかたちになるかなぁ
アップルジュース 飲みたいね
アップルジュース お ....
こんな時間に一体誰なんだよ。と。
少々不機嫌になりながら
重い腰を上げて電話に向う
受話器の向こうから
「みきょーかい?
かぁさんだよ。
モト―が、いよいよだよ。
長くない ....
わたしは
自慰をして
足らずに
よくしらない男を
呼び出して
抱かれる
さいきんのモーテルは
清潔であかるいし
窓だってある
そうして
そこを出た足で
花を買いに ....
かあさんのあいしてるは
おつきさまみたい
やさしくつつんでくれるから
こんやもぐっすり
とうさんのあいしてるは
とうさんのせなかみたい
しんぶん ....
おとなになればなるほど
母親からはなれていく気がする
きょう、わたしはかれの妻になるけど
ほんとうは母親にハグしてほしいと思っている
ほんのこどもなのだ
天国だとか
ほんとうもうそ ....
{引用=
ぼくがぬぐえたはずのなみだで
かみさまのいちびょうをかう
どうせ
あなたはむげんのときがあるのだから
ぼくがぬぐえたはずのなみだをぜんぶ
さしだすかわりに
かみ ....
あたいは線香花火
絶頂をすぎてもチリチリ感じていたい
火球 果てるまで
果物はみな少なからず官能的だと思うのだけれど、桃なんてその最たるものだ。たたずまいや、匂いや、舌触りや、もちろん味も。
桃の皮を剥くのって、肌を剥くのとも似ている。薄皮を剥がす感じ。熟れた桃の、 ....
病院待合室に警報音が2度鳴り響く
何処で鳴っているのだろうと音源を探す
と、待合室の片隅に置かれた冷水機から
誰も触っていないのに水が出始める
誰も居ないのに放物線を描いて噴出する水
....
雨は
縦からやってくるのに
雨のにおいは
横からやってくる
ボブ・ディランが
教えてくれた
「Blowin' in the wind」
その答えは
風に吹かれているだろう
雨 ....
熱風と潮のからさに生足を出したというのは言い訳だろう
追想と他人の秘密を剥がす酒 求めないはずの指先を磨ぎ
隙をみせ皮膚が食われるもよおしを芽吹ける場所が賑わっていく
その箱のなかには夢が溢れていた
幌馬車に乗っていたり
早馬にまたがり二挺拳銃は火を噴いて
またあるときは電話ボックスから秘密基地へと飛び込めば
誰もが海の向こうの豊かさに憧れた
....
日曜日の午後、黒井千次の短編小説を読む。短い小説は、小さな旅をしたみたいに、すこし疲れる。
朝の散歩で拾ってきたおち葉を、ページの間にはさみ、椅子にすわった姿勢で目をつむる。
眠るつもりはないが、 ....
あるけるけれど
おぶってちょうだいと
おかあさんに
おねがいしたの
いいわよといって
おかあさんは
おぶいひもをだして
せおってくれた
秋の日よりも
あたたかい
おおきなせ ....
汗が光ったのを察知して
君は一生懸命 左手で扇いでくれる
クエン酸の入ったドリンクを一気に流しこむ
その立ち姿を横目に
また夏が来たネ!と
笑いながらハンカチを渡す 麦わら帽の君
日々草が咲いててね
とっても綺麗だったから
花言葉ってあるよねって
とつぜん思ったりして
調べてみたら
なるほどって思った
街中の大きな花屋さんにひまわりがあってね
ビックリする ....
山すそに嫁いで間もない頃は
会社から帰って玄関を開ける前に
そっと結婚指輪をみつめた
関所を越える前の通行手形
新姓と共に 自分で選んだ道
でも まったくなじみのない夫の家族達
ただいま ....
カブトムシ うずくまり居る 雨もよう
2011.06.20
ため息がちぎれる夜に正座して冷蔵庫からの明かりで本読む
息つぎの仕方をうまく覚えられぬうちに夜はどんどん深まり
静謐をやぶる術をしりたくて肌を押したり引いたりしてみる
ざらざらの ....
あらそいごとがきらいな
ひとだった
だから
ぼくを遠ざけようとした
やさしくて
水色のにあうひとだった
だから
あたたかな裸からは海の
おとがした
空晴れて町に溢れた人消える
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