やっと会えた母は、とても穏やかな顔をして眠っていた
真新しい白装束 解剖の痕跡も知らず
すでに身体は綺麗に浄められて
「コロっと死にたい」
いつもの口癖通り、突然の呆気ない最後だった

入 ....
普段の私は40Wくらいの明るさで
人に会う時は60Wになる
さらに仕事中は
100Wの明るさで全開だ!

しかし100Wの電球は
消費電力が大きい過ぎて……
電球がすぐに切れてそうになり ....
ハッキリと分かれた
新緑の出来 不出来が
皮肉にも映えている

豊かだらけの様は
皆 退屈に見えて
つまらないと
頬杖つくけど

清らかも濁りも
この平面では普通で
なんのたわい ....
 
小さく洩れるアナタの声

頬をつたうアナタの涙

そして、愛がまた溢れる


 
週末の仕事を終えて
駆けつけた、朗読会の夜。  

再会の朋と麦酒の入ったグラスを重ね
泡まじりの一口目に「ふうぅ…」と、一息。  

不惑の四〇歳とやらになって間もない朋は  
司会者 ....
電動歯ブラシ一本朝の洗面台
ぶるぶる
おやおや寒いのかな
白い粉
雪のように真っ白で
雪国の少女が掴んだ歯ブラシ
ぶるぶる
ぷるぷる
ぶるぶる
ぷるぷる
今震えているのは
 ....
凡に生き抜きたくはない 滑稽な道にはバナナの皮が咲き乱れる
シリアスな持ち主故 そんな気分には成れない 慣れる気質もない
半分ジョーダンの段差は知っている 

つまずくんだ 小癪なその段差に
 ....
木をおおい 木になりかけた雪は
風に 陽に 重力のため
地面へ 水へと おちる

おちない雪は 木を裂く
重すぎて 硬すぎて
木を潰す

溶けて吸い込まれるしかない
雪の木  
その肩に
いつも少年は
かなへびをのせていたので
私はそれが作り物だと思っていた
見慣れてしまうと
日常は背景になるので
誰もそれを指差したりはしなかった
私を見ても
誰も指差したりし ....
海に裏切られ 花に批難されたら

枯葉にも笑われる生き様


ヒューっと 大きく豪勢な車が

目の前を風のごとくに走り過ぎようとするよ

ハンドルにしがみついた女の人

なぜ ....
フラワーデザイナーの看板が雑草に埋もれていた あなたが抱える孤独は

わたしによって規定されている

それをわたしはよく分かっているから

あなたは孤独ではないと伝えたい

わたしが抱える孤独は

あなたによって規定されている ....
嫌な顔をした先生 でもフランクフルトを詩にしちゃいけない理由 なかった


いつの間に空箱になる ボンタンアメ 好物の似た大人と子供


欲しかった柔らかい胸で頬を埋めた 肌の ....
こころは洗濯できるものだろうか

いつもその時どきなりの

こころで生きれるように

できるものならば

天気の良い日に

やさしい風の中に

干してみたいものだ
ぼくが朝に来るたびに
遠景にある像がわずかに
動く気配
それをモアイ像となづけて
毎朝
位置を確認する
いつかぼくと一体になるために
近づいてくるのだ

事故のときには
重い像が空 ....
寝息もかたちを持つ生々しい夜に
生きていることははずかしかった
熱と湿りを帯びるからだが
その振動や重みが

やがて夜の裾がめくれはじめ
青と赤が互いを超える
はじまりとおわりを混ぜ ....
葉を落とした蔦は陰鬱な妄想
囚われた家も人も沈黙を叫ぶかのよう
十一月は開けっ放しの箪笥
風や霙しか仕舞われていない空の空

冬は心の真中から始まる 
だがものごとの始まりは不明瞭 
 ....
山の神舞 蝦夷神の生き残り
桓武天皇の御世
たいらげられた蝦夷の神
  
神社(やしろ)は倭の神の依り代のため
彼らは神社(やしろ)を知らなくて
ご神体ははやちねさん
早池峰神社の鳥 ....
小学5年の娘から
毎度毎度の
近況報告


あのね
ママが風邪ひいて寝込んでる
パパが心配するから
口止めされてたけど
メールは口じゃないから いいよね
だから
おみまいの メー ....
 木枯らしがいろどり集めさらいます頬を伝うは無色な涙


 秋だから人恋しくて鍋に浮く豆腐のようにゆらいで誘う


 街中をクレヨンで塗り準備する赤もいいけどここは黄色で


 ....
歩きつづけていればいつも風のなかにいられるのに
立ち止まればいつも後悔ばかりあふれ出す
そんな思いを振りはらいながら地下鉄の駅まで
強い日差しに照らされて歩く

明け方に見た夢のなかで傷つけ ....
遠ざかるボイジャーニ号蓮根掘る 非常階段には
扉があって
内と外が隔てられている
内のものかといえば
そうでも非ず
外のものかというえば
そうでも非ず
非常のために作られた階段
日常では使われない
避難通路

 ....
{引用=
心の 光合成らしきものを
うしなった日


一人掛けのテーブルに
書置きをのこし
家出する




…そこは、街路のきえた荒地
枯れ葉が、錯乱したさき
風の音に ....
さようならと
言うひとの心はいつも
決着がついている

置いて行かれたくなくて
あせるのかな
わたし
遅れるのがいやです

みんな でいれば安心だなんて
そんなことないよね
いつ ....
朝、足の間を通る冷たい風が頬を撫で、小鳥も寒さに声を詰まらせる。
老人の乗る三輪の自転車に、白く縮れた毛に埋まった老犬が連れられて
いる。その犬は、進む、止まるを幾度も繰り返しながら、ノロノロと老 ....
雲」流れに逆らう水は行き場を失う。積もる荒れた大地に鷺は降りたち。季節は素早く足取りを止めた。
沼。葦群の中、これ以上歩めばもっと地獄をみるだろう。あなたはどちらにしても傾がなければならない。波 ....
咳き込むや特定秘密保護法案 過ぎ去ったものの影を追わないで

思い出の名前を口にしないで

あの日を小瓶に閉じ込めないで


銀の魚は
網の目をくぐって
すべるように消えるもの


手から手へと渡ってゆく ....
膝下五センチのスカート丈
三つ折りの白い靴下
おかっぱに切りそろえた髪
私は校則通りの平凡な中学生

ふくらはぎ下までのスカート丈
伸ばしたままの靴下
パーマがかかった茶髪
そう、あな ....
たまさんのおすすめリスト(5215)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
最後の紅- 渡 ひろ ...自由詩32*13-12-2
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