トキエは泣いている。薄暗い納戸の奥の、
紅い鏡掛を開いた鏡台の前に座り、泣きなが
ら化粧をしている。「おかあちゃん」幼い私
はトキエに纏わり付いて、その名を呼び続け
ている。戸外から蜜柑 ....
陽炎の中溶けて 掬われることない
雪の中溶けて どこの道も傳えない
雨の中滴っている ただ
わたしと云う流体

てんてんてん、の信号に
折り重なる人の影 声の風向き
その間左右へ ....
 「こころいき」


奇跡の勾配を ころがる
空は水色、
水は空色。

鳥が鳴き
あたりという あたりに
しきりは 無い
緑の匂いがする
こけて膝小僧を すりむ ....
絶対的な漆黒に支配されながら
もう消えてしまいたい、と
泣き続けた夜
だけどそんな闇でさえ 
萎え始める瞬間がある
私の意志とは関係なく
朝は必ずやって来るのだから―
地球が営みを辞めな ....
人間の未来のために死ぬパセリ 君の色はどんな色?
いじわるな質問ではないから
並んだ色鉛筆から
一本だけ取り出して
君の色で画用紙いっぱい塗ってみる
君の色はこんな色
赤 青 緑 黄色 黒 白
ご覧
僕が選んだ ....
ログインして現代詩
日の出より先に現代詩
自転車のチェーンがはずれて現代詩
鳥が着地する瞬間は現代詩
雲がちぎれて現代詩
水たまりは現代詩
玄関開けたら2秒で現代詩
スープの隠し味に現代 ....
プチトマトの実がついたと
子供のようにはしゃぐ君の瞳は
まだ昨夜の喧嘩のことを
忘れていないよと言っている

後ろからのぞき込む
バツの悪い僕の視線は
幼いトマトと君の横顔の間を
 ....
 ぼくはカウンターに肘をついて給料日
 それこそは至福のときだ
 さっきからボックス席の爺婆父母長男次男長女が
 やかましく
 カンパチヒラメ鳥貝シマアジウニ軍艦
 赤だし鶏カラ揚げエビチリ ....
【緑の風】

一輪車に乗った子供が
緑の風をうけてゆく

不安定なのに
軽快に

不安定だからこそ
愉快に

たったひとつの輪さえ
あればいい


【蕗によせて】

 ....
君のことをついついゆで卵ちゃんと呼んでしまうのは僕の悪い癖だが
君が僕のことをゴリラちゃんと呼ぶのはとても心外なんだね
ああ確かに見た目はその通りなんだがそれにしても僕のデリカシーをボロボロにして ....
 
ウソやないけど

ホンマでもない

アタイの 後ろ髪


 
サフランや天女の細い脹脛 さからう ゆだねる
かいなく よそごと

こらえて の こす
そしらぬ わたり

ひより びより さえずり ともし
むかえて ふりだす
くさむら やぶやら
   「砂浜に抜ける路地」を一つ拾ってきて、波の音
   を額縁に飾る。愛という言葉で何を隠したいのか。
   行間には関係性だけがあって鞄には入らない。み
   んな事情を抱えていて、 ....
あの日まあるい芝生でヒョウスケくんを待ったことをまるでさっきのことのようにアーヤは森の木々を見つめながら思い出していました

ヤンおばさんの家から飛び出したアーヤはまあるい芝生に向かって走りました

 ....
泣いてばかりいる子どもだったんだけど
気づいたら大人の部類になっていて
それでも泣いていたら知らないひとにバカにされたので
思い切って殺しました
それからやっぱりこわくて泣いていたら
大丈夫 ....
言論の自由の中で
わたしたちは饒舌な唖になる
会葬者の囁きにも指先を踊らせるが
本心は棺の中
乾き切った筆のように横たわっている

表現の自由の中で
わたしたちは着飾ったマネキンだ
禁 ....
{引用=
緑をゆらす
風は、なおらかに こんなにも
美しいものだから
少しばかり
すずろ歩き


季節をむさぼれば
不埒な 出会いが待っている


ちいさな 会釈


往 ....
 一


 セミの抜け殻が立ち上がり
 自分を置き去りにした
 主を探し始める

 何も見えない目で
 広がらない翼で
 動かない足で

 命が生まれ変わる度に
 脱ぎ捨てられ ....
いつも物思いに耽っているではないか
夜が明けるときの音が嫌いだ
それにしても静かな音楽が聴けなくなっている
もちろん騒音に酔いしれることもない
鼓膜は伝わる息を避けている
要するに ....
小学校から、
モンシロチョウの観察をするので
イチゴパック2つ
持ってきてくださいと
お手紙が来た



イチゴを頻繁に買う地域なのか
百均で飼育ケースを買った方が安くな ....
青田には君をモデルにした案山子それのとなりに私の案山子 ひとりにひとつ星があれば
遠慮なく願い事ができる
かなわなかったと怒ることができる

なまえをかこう
しるしをつけよう

星には手が届かないから
だから
私は木がすきなんだ

空 ....
生まれ変わったら
水虫になりたい
ジュクジュクの
しつこい
水虫になりたい
水虫になって
貴女の
薬指と小指の
間に潜んで
貴女のことを
感じていたい
貴女の匂いを
嗅いで
 ....
小さな
ぼくなら
海の近くから
人ごみにでては 浮かれた音楽を聴いたり
アメリカ映画ばかり



 まるで
 大人の挨拶のようにきみが呼ぶから
 ぼくはきたけれど
 いつにない星 ....
春の風は遠くから来ます
夏の風は遠くへ行きます
あこがれ、とは違う
何処か知らない所へと
私を誘います

秋の風は通り抜けます
冬の風は通り過ぎます
喪失を知らしめ
懐かしい者どもと ....
 一


 雨粒に君を閉じ込めて 
 空にぶら下げておく

 いつでも好きな時に
 見えない糸を
 風の鋏で切って

 僕の前で
 パチンと弾けて
 ほしいから


 二 ....
三輪車を 逆さにして
サドルを ペタンと地面に つけて
ペダルを おててでくるくるまわしながら
もうひとつの おててで 車輪に砂をかけて
しばらく くるくるまわして 突然叫ぶ
「ど ....
じじからもらつたわらばんしにきらいなにんげんのなまえをかいた。

「静かにしてくださいよ」という声がして、みんな黙りました。
残念です。結局答えは1つしか用意されていなかったのですね。
最初か ....
たまさんのおすすめリスト(5173)
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10年後- nonya自由詩27*13-5-21
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【緑化帯】_詩人サークル「群青」五月のお題「緑」から- そらの珊 ...自由詩26*13-5-21
ゆで卵ちゃん- 梅昆布茶自由詩1413-5-20
後ろ髪- 殿上 童自由詩17*13-5-19
サフランや天女の細い脹脛(ふくらはぎ)- 北大路京 ...俳句913-5-19
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(最終回)アーヤと森とふしぎなひかり- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...4*13-5-19
8:20(細長い缶入りのジュース)- はるな自由詩713-5-19
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青田には君をモデルにした案山子それのとなりに私の案山子- 北大路京 ...短歌413-5-17
星の木- 朧月自由詩813-5-17
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美味しいね- るるりら自由詩19*13-5-16
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