すべてのおすすめ
いくつもの
物語の
すべてが語られて
ひとりの人として集められて
終わるころには
陽の光から逃げるような
細く長い影が
やっぱりひとつ
薄く 揺れるだろう
生まれてからは
笑い ....
父を思う
なぜだか
ひとりでトランペットを吹いている
音楽が好きな父は
アコーディオンを少しやっていたと聞いた
肺活量は人より多かったらしいから
ほんとうにトランペットも吹いていたかも ....
今日も
ボックスに入り
ボックスの電源を入れ
ボックスを叩くと広がる
ワーク・スクエア
ぬくもりのある
白いスクエアをいくつも広げて眺める
その片隅に
小さな赤い
サークルは ....
わたしとすれ違った
年配のご婦人
車いすの
身繕いをした年配の
もうひとりのご婦人を押している
たしかめるようにゆっくりと歩きながら
昼のひかりで満たされた
安全な通りの
木漏れ日のあ ....
番号
まとわりつく、鉛色の
番号たちを集めて燃す儀式
ながい鎖が一筋、見あげて残る
個の人に成れ
番号に生まれたわけではない
番号になりたいわけでもないだろう?
番号は美しく ....
壁を求めて、森は
燃える
壁のない森
なんて
美しい森
わたしの暴風を
かなしい
金槌の硬さに例えて
燃やす
焔が先端を追いやる
あ、らわれる平原
泣くほどの
水がめは
どこ ....
1
外が言う聖域なき改革に
少し笑ってから
だれにも教えるつもりのない
ひとつのメールアドレスを
登録して機能させる
(そこはサイバーエリア)
(そこは賃貸住宅) ....
命を忘れて生きていたら
空に向かって詩を書きなさいという
いつか
あなたと見上げた空がやってきました
みな異なる
あれほどたくさんの雲をノートにして
やっと伸ばした指先が
余計に小さ ....
拙くてもぼくは「君との失踪」を書いて、それが
じぶんを覗いた初めての瞬間
いつとはなしに、その詩が消えてからは
じぶんの覗き方も変わってしまった
(水のように流れて、もはや字面には戻れなか ....
いるわけがない
いつもの夕飯時のはずが
食卓に投げ出される、突拍子もない弟の主張
あの丘で恐竜を見た
家族みんなの一笑、からかいに
きみはひとり意地を張りつづける
うっすらとほの暗く ....
あかつきに浮かび上がる
公務員宿舎と電電公舎
ひとり走って戸に挟む朝刊
サン、サン、イチ、ヨン、ニ、イチ、ニ
口をつく勢い
少年だけの暗号
また足音のように、それはやって来た
....
仮想
ブラックホールを目のあたりにして
シンボルはちびった
りらりら、らりら
追いつけるものなら、捕まえてみろ
術らかな言語が
かれを果実(もくてき)と思いこんだが
うだる密林 ....
嘘をついた少女の
大きな大きな麦藁帽
忍びよる
祈りの歴史
また冬か、たしかに
冬にはだれかの炬燵の生活(くらし)がある
それでも重心は、大都会のビルディングの隙間から
「6億円、買わなきゃ当たらない」という
電車のキャッチコピーにサラリーマンまみれだ ....
校庭跡に残った桜の木
ビルに挟まれてわかりにくいが
駅の改札口を出てほどなくのところに
ふと足が向いてしまう
今はないという
桜田小学校
晴れの日の緑はすがすがしく
ベンチで
ブランコ ....
著作権は著作者の死後五十年を経過するまでの間、存続する。
(著作権法 第五十一条 第二項)
死んでも背負(しょ)って、あるくものだと思ったか
だれ ....
日比谷線はいう、秋葉原、小伝馬町、人形町、人形とは「ひとがた」、エレキテルな水平移動の装置から視神経に憑りつく駅名は、脳のどこかの襞裏で痺れ、角砂糖のように崩れ、蟻の行進に流れてゆく、投げ返してくる、 ....
小さな
ぼくなら
海の近くから
人ごみにでては 浮かれた音楽を聴いたり
アメリカ映画ばかり
まるで
大人の挨拶のようにきみが呼ぶから
ぼくはきたけれど
いつにない星 ....
母さん
ぼくは思いだしました
まだ若いあなたの
細くも強いその手にひかれて夏
緑に燃える蜜柑葉をくぐりどこまでも道はつづいていました
おばあちゃんのお家までねと
暑くて永い昼下がり
眩暈 ....
六月の朝に好きな人に会う。
新しいときの創造は過去を手放すことなのに、音をたてて崩れる国のまえで、いまは少しも淋しくなれない。
ほんの小さな単語たちにも特権は与えられる。神は完全な意味で公 ....
わたしにある
他者の相
他者は正月にもちを食い
他者はゆっくり風呂に入る
他者は身繕い
他者は出かけ
他者は恭しい
他者は賀し
他者は帰り
他者は脱ぐ
他者を脱ぐ
ひ ....
できるなら
現場(そこ)でも祝福の気持ちでいたかった
たとえば
生涯一度の自分の家なら
これに関わるすべての人に
笑顔で労してほしいじゃないか
+ + +
行きの渋滞を避 ....
まどのこちらで膨らむレース
とぎれなく ひたながく
ひかりでいっぱいにささくれた
哲い うすみどりの風がおしいるのは
それは祝福ですわと
すずめたちがけたたましく喉をまっすぐにする
色とり ....
街で
首を竦めてぼくはひとり歩いていたのですが。
日暮れ色で賑わう通りでは
うっかりしていると
さっさと擦れ違ってしまいます
だぶだぶな外套(オーバー)に身をつつみ
壁のような背中 ....
じぶんのなかの書きたいことが霞んできたらそれこそ終わり
バランスとってんじゃねえよ
1
耳なし芳一
壇ノ浦に座す
撥は海風
火の肌をなぜる
赤い藻屑と沈んだままの(旗たち切れの)
悔いの嵐の そのなかの
2
めくらの芳一 どこへゆく
雨滝のよう 夜闇のよ ....
礼を尽くして
空き缶をいただく
あなたの日々は
わたしの知らないところで
正々堂々
みずからの命と向き合っている
早朝
髪をかき乱し
欠伸をしながら外に出る
籠にあふれるビールの ....
(月曜日)
案内板にうかびあがる
現在地
朱い
☆型
ルーツ
(火曜日)
水母をブイに
海図がうごく
あげるよ
権利証書の見返りに名づけた
「どこ ....
歩くのはいつも なまの義足
寄木細工のじん帯をか細い骨で震わせながら
足裏に
肌合いのわるい
なじめなさを押しつけても
二つのものが 交互に役割を担うから
どこか
と呼ばれるcell(セ ....
公的扶助の受給者の列を写せ
民は思う
なぜ、もっとしっかり生きないのか
貧困で餓死した親子の部屋を撮れ
民は思う
なぜ、生活の保障を受けないのか
国や自治体の生活保護行政の抜け穴を ....
たまさんの乾 加津也さんおすすめリスト
(56)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
郷愁_二
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
23-10-3
トランペット
-
乾 加津 ...
自由詩
7*
22-6-22
仕事
-
乾 加津 ...
自由詩
8*
19-12-10
冬に向かう
-
乾 加津 ...
自由詩
4*
17-12-11
番号は予感に眠れ
-
乾 加津 ...
自由詩
6*
16-8-9
森
-
乾 加津 ...
自由詩
5*
16-7-29
@mail_(生体反応の設計)
-
乾 加津 ...
自由詩
10+*
16-3-3
空
-
乾 加津 ...
自由詩
8*
16-2-13
失くした詩への覚書
-
乾 加津 ...
自由詩
9*
15-1-9
丘の恐竜
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
14-7-30
新聞配達_(夢喰植物)
-
乾 加津 ...
自由詩
9*
14-4-19
シンボルくん_(ご利用は計画的に)
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
14-1-18
曙
-
乾 加津 ...
自由詩
13*
13-12-13
ことばの姿(的な)
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
13-10-26
大人のための桜田公園
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
13-9-12
死んでも背負って、あるく_(生体反応の設計)
-
乾 加津 ...
自由詩
14*
13-7-9
日本橋人形町
-
乾 加津 ...
自由詩
9*
13-6-28
砂の好きな海
-
乾 加津 ...
自由詩
16*
13-5-17
夏の日の思いで
-
乾 加津 ...
自由詩
30+*
13-2-11
六月の朝と植物
-
乾 加津 ...
自由詩
15*
12-12-29
他者の相_(生体反応の設計)
-
乾 加津 ...
自由詩
20*
12-12-25
基礎に埋めたぜんまい
-
乾 加津 ...
自由詩
19*
12-12-11
まなざしにも自由の刑の宣告_(幻肢の砦たち)
-
乾 加津 ...
自由詩
15*
12-12-6
秋を見つめてみませんか_三篇_(想起させるものに、忠実に)
-
乾 加津 ...
自由詩
18*
12-11-6
創作者たるもの独り善がりであれ
-
乾 加津 ...
自由詩
18+*
12-10-16
耳なし芳一
-
乾 加津 ...
自由詩
23*
12-10-6
むきあう人
-
乾 加津 ...
自由詩
24*
12-9-15
口に紋様もつ男_(生体反応の設計)
-
乾 加津 ...
自由詩
13*
12-7-29
ひと借り峠
-
乾 加津 ...
自由詩
21*
12-3-1
オツタエシマス細胞
-
乾 加津 ...
自由詩
16+*
12-2-23
1
2
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する