カップがソラだとしたら
コーヒーが注がれて
夜が来る

苦い夜がニガテであれば
ひとすじのミルクが注がれる
銀の匙は使わない
やがて白い雲は 時間に溶けてゆく 

どこかに月が隠れて ....
葉を散らし、葉を散らし

刺々しい肌に手を触れる

ほろほろと崩れる外側に

掠れた自分を重ねてみる

空気が凍った森で

ひとり

皮を剥いで、皮を剥いで

痛々しい肌 ....
愛されたかったと
声にも出さず 紙にも書かず
降りしきる錯乱に耐え
笑い立つ秩序を嘲り
愛という概念だけを知り
愛という無に向かって超越を繰り返した
生まれてからずっと孤独だったと
冷た ....
冬のショーウィンドウ
ドレスを脱ぎ捨てたトルソ
首の断面
剥き出しの木肌に上塗りされた塗料が
照明の光を湛えている

展示替えの前夜
殺風景なガラスの舞台
控えめなネックレスだけを身に ....
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう

君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなか ....
吐く息が部屋のなかでも白を語る
かじかんだ爪先に靴下を与えるでもなく

窓の外
早すぎた目覚めがかなしく
ひとりを悟る

{ルビ時間=とき}に負けて
遠のいてゆくあなたの微笑みは
ま ....
「を」の人

鍵穴を
開くための 旅をしている


夜空は うすら明るかった
暗かったのは むしろ樹木のあたりだった
いきものの息遣いがするほうが 暗かった
なにか隠され ....
 讃辞

あなたのセーターは暖かそうだ
あなたの体は温かそうだ
あなたの体温は優しそうだ
心が優しそうだ


 犬

霧雨がそぼ降っている
門灯はあかあかと
門扉は堅く閉ざされ ....
 昔 
 会社の中の仮面に疲れた人が 
 仮面を脱ぎ捨て 本当の自分になろうと
 素顔で生きようと 闘争を挑んだ
 だが
 周りの仮面はそっぽを向いて
 会社の素顔から出るむき出しの刃
 ....
わたしはまだ、
本当の血を流していない

わたしの足元から
見えない厚い雲が
ゆっくりと動く
雲と呼吸を合わせると
静かに痛む、
嘗てのわたしの部屋

大きな流血の ....
悲しんではいけないよ
なんて決まり文句
どこでも拾うことはできるけど
悲しみ
そこいらに落ちているもんじゃない
背後から黙ってやってきて
いきなりけられるようなもの

泣いてはいけ ....
すっぽりと紅葉を被り

ひのひかりを浴びる

こっそりと山を歩きながら

誰にも気づかれないようにと

鳥の鳴き声をまねて

飛んでいく

雲が急に流れだし

しっとりと山 ....
青空の下で歌いたい
防音壁に囲まれた
カラオケボックスの中でなく

往来の真ん中で歌いたい
国会議事堂でも歌いたい
処刑場でも歌いたい
葬儀場でも歌いたい
教室でも歌いたい
職場でも ....
{引用=
冷たい
雨がふりだした
雨宿りする安らぎの軒は、どこにもなかった


若いものは 走りだし
きた道をもどり始める にぎやかな娘たちも
年老いたものは 天をあおぎ
荷を背負っ ....
万馬券的中したの報告は誰にもできず独り焼き肉 記憶はなにを食べて生きながらえているのだろう

指先から冷えていくのを彼女はまだ気づいていない

埃を吸ったあとの掃除機をそっと抱きしめる

モーターの余熱が伝わって やっと明日につながる ....
月の舟に乗って
子供たちは夜を往く

魔法の絨毯
空飛ぶ木馬

月明かりに照らされて
夢を喰らい
子供たちは夜を往く

月の舟に揺られて
夜はそっと更けて行く

月の舟に乗っ ....
酒を飲み普段出来ない話する酔いがまわってよくわからない

愛してる愛されているそんな日々時間忘れて過ごせる秘密

昼間から夜へと変える黒いもの街の明かりは命の光

僕が今見ている世界 ....
寒中恋酒女

壊中金銭薄

身中満妄念

偲遠過去多々罪障

望月落涙虚

残少人生希清廉

要身辺整理整頓


遥山冠雪語狭小我

宇宙大深志更遠

自由何処在 ....
明日の色は
だれにも見えない

必ず見えない



もしかしたら、とか
うまくいけば、とか

思いを
重ねれば重ねるほど

夜は深く染まって
真っ暗だ



 ....
フレドリック・ブラウンの死にいたる火星人の扉という創元社の文庫本
推理小説だが
彼には火星人ゴーホームという超絶な作品もある

火星年代記というレイ・ブラッドベリの名作

火星の赤い砂はア ....
起きたら10時ごろで、弟の友人が来ていた。
雨だった。
携帯について語っていた。
出ていって、また寝た。

昼すぎ帰ってきて起きた。
隣の部屋で、買ってきた携帯の設定がピロピロ鳴っていた。 ....
近代美術は嫌いだといった
きみへの報復

変な絵じゃなきゃ 売れない時代
{ルビ現実感=リアリティ}なんて
誰一人 求めちゃいないのよね
とも悲しそうにきみは言う

そう 世界は変わっ ....
午前4時
郵便ポストに朝が届く
とおくで電車が泣いている

溜まったメールを洗濯機につめこんでぐるぐると回す
とげとげしたやりとりも
昨日の君との会話も
ぜんぶ漂白剤にあらわれて
言葉 ....
それで結局一番取扱に困るのは自分自身であって
説明書が書けない せいぜい 長さと重さぐらいだ
従って「取扱説明書」は比喩でもなんでもない 真実だ
ぼくは電化製品だ コンセントとプラグは父母だ 修 ....
いまアルバム《常夜灯》を聴いていると
中島みゆきと云う偶像の存在は50%で
30%はアレンジャーである妹尾一三氏
10%はミキシング・エンジニアMr.David Thoener
残りの10%は ....
わたしはうまれるまえの
かたまりの内側に潜んでいた
ある日溶岩とともに かたまりが溶けて
わたしが流れ出た
海が生まれた
空には赤い夜の太陽が
花開きながら飛び散っていた
 ....
線路の上をただひたすらに走る毎日は、それが仕事とはいえ時につまらないものに見えてきます。

そんな時でした。あなたに出会ったのは。

午前八時三十五分、あなたは反対車線からやってきます。
マ ....
この部屋は四角い
建物も四角い
紙は四角く切り取られ
電車は四角く走っている

土地は四角く区切られて
名前は四角く囲われる
レンジは四角く温めて
テレビで四角くものを見る

君は ....
僕達の世界は
連結された断片が
縫い閉じられた模様を織りなすタペストリー

つぎはぎだらけの時間を
つなぎ合わせて生きている

僕達の過去は
累積されない想いで満ち溢れ
飽和している ....
たまさんのおすすめリスト(5208)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朔_或いは静かな底で- そらの珊 ...自由詩2712-12-6
樹木のセミヌード- Seia自由詩512-12-6
- 葉leaf自由詩1012-12-6
樹木のセミヌード- sample自由詩5*12-12-6
存在と錯誤- ただのみ ...自由詩28*12-12-5
- もっぷ自由詩1712-12-5
『_を_の_人_』- るるりら自由詩1212-12-5
修辞- salco自由詩8*12-12-5
人は仮面をつけているから美しい- イナエ自由詩13*12-12-4
『生血』- あおい満 ...自由詩8*12-12-4
ぐっどらっく!- 乱太郎自由詩19*12-12-4
秋の音- 灰泥軽茶自由詩7*12-12-4
鼻歌礼賛詩- まーつん自由詩3*12-12-3
雨の子- 月乃助自由詩9*12-12-3
- 北大路京 ...短歌312-12-3
自家中毒- そらの珊 ...自由詩16*12-12-3
月の舟に乗って- 未有花自由詩12*12-12-3
よくわからない- 夏川ゆう短歌212-12-3
えせ漢詩- 梅昆布茶自由詩1012-12-3
明日の色- 千波 一 ...自由詩8*12-12-2
火星の銀色の月- 梅昆布茶自由詩2112-12-2
起きたら10時ごろで- nemaru自由詩7*12-12-2
朝は来る- 川上凌自由詩4*12-12-2
休日- アズアミ自由詩912-12-2
取扱説明書- 空丸ゆら ...自由詩1212-12-2
- HAL自由詩4*12-12-2
『赤い快楽』- あおい満 ...自由詩8*12-12-2
午前八時三十五分、恋に落ちて(掌編小説)- そらの珊 ...散文(批評 ...5*12-12-2
しかくいせかい- まーつん自由詩11*12-12-2
チューブウエイアーミー- 梅昆布茶自由詩1012-12-2

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