梅雨の只中だ。来る日も雨。こちらは雨も強い。どこにいても空気が重ったるく水分を含んでいる。
昨日、婚姻届を提出してきた。受理日は今日になると言われた。警備室での提出。警備員のおじさんが二 ....
むすんで ひらいて
むすんで ひらいて 手をうって むすんで またひらいて 手をうって、その手を 上に
むすんで ひらいて 手をうって むすんで
*
結んで ....
昔々、
真昼の公園で
だれよりも巧みに
おままごとをしてみせた
きみが主婦で
ぼくが会社員で
時は今、
少し違うのは
きみもぼく ....
山奥の名所旧跡の傍ら
誇りを失ったゲージの中の鳶
胡乱な眼で見物人を眺める
その眷属と同じ記憶を追いながら
丘を越えて吹いてくるそよ風
丘を覆い尽くした向日葵は
風にそよいで小 ....
左手をテーブルの下に置いたままが癖で
ご飯どきによく注意された。
立膝をついてもいいじゃん。
箸でおかずの上をさ迷ってもいいじゃん。
ぶつぶつ文句を
もごもごしながら
バレないように言った ....
{引用=Mrs.Venus
幸せを呼ぶキリン
上空に 白虹 halo
いつか あなたと見たい
幻月環 現実感
南極の夕暮れ
寂しさも忘れるほど包み込んで
ミセス ヴィーナス
....
人生楽しもう
笑う角には福来る
苦しんだ分
喜びは大きい
料理はお手の物
庭掃きは日課だ
買い物はお手の物
皿洗いも日課だ
忍耐は必要
妥協は必須
努力は必至
状況は必死 ....
世界中の人々の
世界中の一軒一軒の
世界中の恋人達や少年少女や男や女や
老人や赤ん坊達が眠っているような
この街の
この今の
この私の夜中だのに
地球上の大陸と島々
地球上の海洋河川湖 ....
{引用=
+
とても固い結晶が
流水よりも早く融けるのを見た
蒸発したあの人の姿は
あの人以外の誰も知らない
釣竿を垂らして
静かな時間と彼方に見 ....
気のせいなら良いのだけど
こころなしか自分勝手なひと増えたような
今朝もわたしの背中を押し退けていった若い女性
謝るでもなく当然な顔してたっけ
あの日からなのかな
誰もが涙して
....
ぎょうざを焼いていたら
「星の王子さま」を読みたくなり
けれど本がみつからず
木を抱くようにあなたを抱いて
森との正しい関係について
ためらい
分割払いのようなキスは
うわのそらで
お互いの調和は水 ....
鍵が開かねぇ
....
{引用=いつまでも眠ってるフリして
芝居が下手な君
普段よりも綺麗でしょ?
と語りかけるような唇
人差し指に水を晒し それを乾いた唇に引く
少しクセのある髪を 手グシで直してあげる
僕 ....
そらには大きな口がある
風でくちづけしてくるくせに
無口なところがいとおしい
そらには大きな腕もある
胸いっぱいに星を抱き
ついでに燕をつまめるく ....
すべての葉たち
わらってる
しゃべってる
楽器を弾いて
いるみたい
風が吹き
よりどりみどり
揺れる時
草刈り後の、草の匂いがする
人の血の匂いは
ここまですがすがしくはない
もっと
体中がカッとなるような
そんな匂い
刈られなかった
花壇の花たちは
この匂いを嗅いで
体中がカ ....
赤く開いた傷口に
橙の光をなすりつけ合って
黄ばんだ言葉を交わしながらも
緑葉であり続けようとした僕達は
....
答えって一つなのかなぁ
答えは一つしかないのかなぁ
それって ホント探したの?
ホントにホント??
百人に問いて 九十九人が不正解
千人に問いて 九百九十九人が不正解
一億人に問い ....
退屈な黄 雨の日水玉 おめかしピンク 乙女心と躍るペディキュア
待ってないって素振りで 待ち合わせまであと5分 桃色チークにときめき重ねて
黒板にこっそり名前を書いてみた 指先震えるチョー ....
{画像=110612024826.jpg}
日焼けに火照った肌が大理石を求める
君の肌えを求める
つやつやした冷ややかさがぼくを貶める
こころが求めている君の冷たい瞳を凝視めながら
ズブ ....
押入れの年月を乱しつつ
奥からあの頃がつまった
プラスチックな衣装ケースを取り出す。
サイドの留めを外し
外気に飛び出た空気を嗅ぐ。
服の折り重なりに手を入れて探り
小さくたたまれた私だっ ....
ただいま。
とは言わずに
疲れた。
と言って玄関を開けると
五年ぶりの父は
風呂にでも入れ、と言った。
ただいま。
とは言わずに
なんだお前か。
と言って五年ぶりの兄は
新聞を ....
夜中に突然空腹が訪れたからって
何もつけてない食パンをそのまま
もさもさ
温かいスープとか
ミルクの入った珈琲とか
作ってくれるお嫁さんが欲しい
よし、
この流れで
お嫁に ....
10日前に言いあった
苦手な上司と声をかけあい
皆で円滑に
お年寄の入浴介助が出来た日
各々は言葉のボールを
互いに投げあい
各々はそれぞれに必要な
お年寄に手を差しの ....
箍を外すとほうていがへいていしましたが霊気でぬれそぼりました
、箍を外すとらららん星団がシャチのあいだをながれていきまし
た、箍を外すとすでにありづかの収益構造ができあがっていま
した、箍を外す ....
アツクなりきれない太陽も
そろそろ落ち着いて
そんなわけだから戻っても
もういいんじゃないかな
どきどき ばんばん 暴れ出し
駈け出してきたんだろ
吐き出す息も敵にみえて
苦しかった ....
知らない町
知らない公園
知らない老紳士
どこも同じように雨が降るから
誰も他人になんてなれない
これから先も
これまでも
私たち
出会ってたかも
しれないし
出会ったりする
かもしれないね
それは本当に
おっきなこと
だけど同時に
ちっさなこと
なにかは変わり
な ....
安っぽいラジオから
哀しげなファドが流れて
甘ったるい洋酒が手元にあれば
アイムサティスファイド
おじさんだから、
このファドに抱かれて
この時に留まる。
もしかしたら ....
ほしのふん(か)をおさえているのだ
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