もし雲に
乗れたら
世界中を
旅するのに
もし雨に
なれたら
渇いた花に
水をやれるのに
もし空に
なれたら
困っている人に
手を貸せるのに
小さな男の子と
女の子だった私たちは
なかみだけそのままで
古びてしまった
雨にふるえている
きのえだをみても
語り合ったりしないで
すれ違うばかりです
探し物はたがいの
胸 ....
あらゆる言葉が難解な象形文字である時
私は私の言葉達を塞ぐ
私の言葉が流れ出ないように
そして外部の言葉をせき止め
私は少数の過去からの語り人達の
誰よりも沈黙を願った言葉達を採り入れる
....
刈り入れ後の田圃
夕暮れ時に老婆一人
誰かを呼んでいる。
腰は幾分曲り膝に手を当てて
前を向き誰かを呼んでいる
視線の先には白い犬が一匹
老婆に向かって息せき切って走っている
懸命に走っ ....
?
私がつかもうとしたのか
私の砂漠へ
日常のほんの小さなすき間から
思いがけず吹き込む風のむこうの
荒涼とした世界
あなたがつかもうとしたのか
....
文鎮が
ふうわり ふわりと宙に浮き
驚く書生の顔前を ナマコのように漂って
原稿用紙が舞い上がり
驚く書生の目の前で 舞子みたいに踊りだし
万年筆が身悶えし 書生の指を逃れ出て
ぽ ....
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陽の当たるところ
その建物は言いました
都会には幾つも建物があるけれど
そのなかでもぼくが一番さ
ぼくは一番大きな建物 ....
ラッキョウを舌で転がすアマゾネス
せせらぎを聴いて寝転ぶ梁の上
釣り忍ふたつみっつと増えていく
FRISKをガシガシ噛んで小暑かな
午後からの授業をフケて青田道
花南 ....
誰かの森の中に寝転んで
陽だまりを浴びて
ただひたすら
夢だけを見ていた
こんなに晴れた日に
目を閉じているのは勿体ないと
この星のささやきが
聞こえた気がした
そろそろ
現 ....
ヒッグス粒子の
その存在を
つかまえようと研究しているひとがいる
証拠とアリバイを突き合わせてゆく
その仮説は
書きはじめられたミステリー小説のようだ
動機なき殺人 ....
うまく生きようとすると
詩が
書けなくなるんだ
誰かのルール
なぞるだけでは
言葉は
何も語らないんだ
落としドコロ
なんて台詞を
今日は何度繰り返した?
ねえったら
....
吹き荒れる風を
闇雲に掻き分けて
高く、高く
昇り詰めて
速く、速く
流れを作って
一番白い雲の高みから
独り占め
むっくりと太った柴犬がのしのしやってくる
なんかその照りぐあいは
焼きたてのチョココロネのようで
ぎゅっと抱きしめたら
頭からぽろりととれて
チョコクリームがどっさりでてきそうだ
チョ ....
あんたの言葉は勇み足
あたいの想いは勇み足
そんなふたりの愛は、やっぱり勇み足
何もかもが
嫌になって
何もしたくない日
音楽も聴きたくない
TVも観たくはない
本も読みたくもない
そのために余ってしまう時間
その時に睡眠薬を口に放り込んで
眠れるかどうか ....
サインはV
抱えきれない秘密を携えて歩く
頬をなでてゆく風さえ感知できずに
あの夕焼けは何だろう
燃え落ちていく太陽が近くて
僕は崩れ落ちそうだ
愛することと憎むこと
表裏一体だなんて陳腐だっ ....
なんにでも
おさまるべき箱があるのなら
透明な箱にいれてください
透き通る
部分をきれいにするために
明るい道を歩くことにしますから
線路脇ヒメジョオンに見送られ次の駅で降ります、わたし
信号にたどりつくたび赤になる 誰かに 急ぐな! と言われたみたいに
夏蝉は耳がないと聞きました だからことごとくおしゃべりなの ....
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小さい頃から
自分はいらない人間なんだと思ってきた。
いつもいつも、死にたいと思ってた。
そんな時はよく、空を眺めた。
広いな ....
ざっそうは
おしえられなくても
はえてくる
パンダのシンシンは
おしえられなくても
じゅにゅうする
ちのみごは
おしえられなくても
ちちをすう
わたしは
おしえられない ....
焼却炉に捨てられた明日
すくいあげた夏の横顔に
毛繕いを済ました嘘が
気だるく黄昏る
あなたと壊疽した月曜に
遠い過去からの絵葉書が
陰気な紙ふぶきとなって
豊満な口もとを埋め尽くす ....
先に
想いが渡る
次に
鼓動が渡る
最後に
身体と車輪が
ついていく
川面は
曇り空の下で
もっそりと
黙りこくったまま
10両編成の
小癪なリズムに
渡られ ....
裸足で
知らぬまに 遠くまできていた
虹色の汽車にのって帰ろうと想う
歩んだそこには、
軌道がしっかりのこっている
帰りは 来るときほどの苦労がないね
そんな声がする
ただ、さびしいあき ....
安らいでいたいと思ったら
あの人のことは忘れてしまえばいい
なんてちょっぴり寂しい
食器棚からティーカップを取り出し
角砂糖をぽとんと落としてみれば
落ち着くところはやはり見えない心の底 ....
如何に生きた、尋ねる声がする
平和でした
知識と技術と民主主義の時代でした
学び続けています
誰かを助けたりはしませんでした
世間のひとすみで労働をお金に換え
蝸牛のような家を借り
....
すきなものがふえると
人はやさしくなれる
だってうれしすぎるもの
こころがくたくたになったら
うれしかったこと小出しすればいいや
キツイナがちょっとゆるむ
たましいがぱちぱちな ....
日本帝国海軍が開発した零式戦闘機は
零戦と呼ばれその航続距離・重武装・格闘戦闘に於いて
連合軍とくにアメリカ軍に取っては
最も怖れられた戦闘機であり数々のアメリカ軍を
空中戦によって大きな打撃 ....
ギュッ と 搾り出した
いのち そのものが
ここにある100
パーセントの
ジュース
貴重
高価
とてもじゃ ....
また新しい朝をもらって
水をやりすぎても花は枯れ
日照り続きでも花は枯れる
足跡を残すために砂浜はあり
足跡を消すために波が追いかけてくる
有る ということについて
猫の前足の ....
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