出先の喫茶店で「童心」がお題の
コラムを書いてから、自宅のママに電話した。

――じゃあ、読むよ。
――今、周に聞かせるからちょっと待って。

ママが携帯電話の音量をあげてから
できたて ....
よろこび
いつくしみ
むさぼり

穢土はひとのこころにすむものか
浄土もまたひとのこころにあるものか

コーヒーに
砂糖とクリームをゆっくり溶かしながら
そんなことをおもう

そ ....
窓のない部屋 
白い手首がシャッフルする
水面に触る木洩れ日の
うやむやな笑み と
瞳に乗せたアリジゴクの
匂い 夏の
あまいめまい
名を呼ばれて振り返る
捏造された記憶
朝顔によく ....
目を閉じると
緋色珊瑚色菜の花色
まぶたの裏に
現れては消える明るい斑

風の無い中庭は
緩やかな分子で満たされて
枯れ枝から枯れ枝へ
見知らぬ鳥が声を探している

鎖骨のあた ....
図書館で飼われたる犬冬の服 一人だけホテルに泊まらず
テント暮らしのあなたは
私と同じね

私も中学生の頃
今よりずっと幼く見られたから
子供料金で電車に乗っていたのよ

そのお金で本を買ったり
駅のホーム ....
火の年に、
大水の声を描く
詩人は、
自ら指を燃やして、

轟く稲妻にも似た

 その声を、

陽に焼けて古びた愛と、
数々の秘密と背徳を埋めた土に
透明な色のインクを滴らせ、
 ....
鬼の子に『桃太郎』を朗読させる小学校教師 ピアスを開ける勇気がない鬼 真冬のリビングに
玉葱の皮がひらり
落ちている。
昨夜、
母親が手探りで
カレーかポトフーを
つくろうとしたときに
すり抜けたのだろう。



浴室で、
 ....
七月のある日 兄は ぼくを呼んだ
風通しの良い部屋に一人伏せていた兄は
「今度は帰れないかも知れない」という
「弱気なことを…」
ぼくはそう言ったきり次の言葉が出ない

幼少時父も母も病で ....
 
ひとは、これほど醜いのか

愛は、これほど弱いのか

ただ祈るしかないのか



※2005.7.7 ロンドン同時爆破事件の日によんだ詩
 今、一度


 
一面の雪の朝
私は
兄とかまくらを作る
田んぼ中の
雪を集めて

できました
私たちの秘密基地
しゃがんで入れば十分余裕
通学路からも
はっきり見える
不格好な雪の家

それ ....
ごはんできたよ と 声をかけても
テレビから離れられないでいる
夜の器に盛られた農場は テーブルの上で
少しずつ ふけていく


ブロッコリーの木に
間違えてよじ登った子豚は
降ろ ....
朝の五時半を少し回ったころでした
六畳の畳が漂流し始めたのです
思わず活けようとしていた椿を咥えましたの
そうしてうんと股を開いて立ち上がりました
初めてですこんな太ももの上まで晒しちゃって
 ....
     光のあたらない
     すみっこにこそ
     きらりと光るものが
     ひそんでいる

     目立たなくても
     すみっこの力を
     侮っ ....
ふしあわせは
雨のように降ってくる
不穏な空から予定通りに
稲妻をともなって突然に

傘も持たずに
ぼんやり歩いている時に限って
ふしあわせ予報ははずれて
私の思考と良心はずぶ濡れ ....
外葉をめくったら
白い小さな亀がい
て、脱皮直後の未
防備ゆえのその純
真な甲羅にしばし
じいっと魅入る、
命あるものはみな
平等にそんな生ま
れたてがあった。
 ....
今日も街を行き交うひとびとの影を踏んで歩く

一瞬にして微塵に還るもの
止めどなく細く長く伸びるもの
軽く薄く風に舞うもの

ときどきそれさえも無い人に出会うが
それも街の雑踏の風景の一 ....
おびただしい雫という雫が
都市と都市の間で あらゆる物と物の間で
たがいに伴を呼ぶ
満月のような視座で みえないその糸に命を与えようとしている男のポエジは
蜘蛛の意図のよう
雫と雫がつながり ....
私はちょっと出られないな
きっと
出られない

今さら
とってつけたように
気づく今までは
出られるって信じてたのか
出ようとしつづけることに
意義がある
なんて思っていたか

 ....
    

      すべてが寝静まり
      寝返りと寝言の中で
      やかんを磨く
      あしたはどんな一日に 
      なるだろう
      油で汚れ焼けた ....
 移りゆく事象に
 普遍性を見出そうと
 あなたは時を凍らせた
 記憶という名の冷却剤で

 汗ばむ肌に下着を貼り付け
 冷えた板張りの床の上
 道に迷った子供となって
 膝を抱えて座 ....
畑の隅に雨水を溜めている
ラムネ色した
プラスチック製の風呂桶

畑では老いた夫婦が
腰をかがめて手入れをしている
昔はその
小さなラムネ色の風呂桶に
家族で皆身体を丸めて
入ってい ....
雲ひとつない高笑い
真っ青な永久歯で
空は
高層ビルに喰らいついている

控えめな思い出し笑い
押しつけがましくない暖気で
光は
目抜き通りを撫でている

束の間の微笑み返し
 ....
僕のオペレーティングシステム上では
翻訳されがたい世界や言語

壁伝いに手探りで歩いて行ければ
いつか切れ目にゆきあうだろう

なにかが融合するところまでは歩かなければならない
信号も横 ....
あったかいひざにはにゃんこ足元にも猫が寄り添う冬の寒い日

今もなお大きな体でひざに乗る重たいけれど嬉しいにゃんこ

移動するたびにどこでもついて来るストーカーだねほんとに君は

引っかか ....
またたくまのすれちがいざま

運転席に乗るドライバーよりも
車の助手席に乗せられた
大きなクマのぬいぐるみは
何も話したくない
少し怒っているようで
私は立ち止まって振り返り
走り去る ....
     家が死んだ
     広い庭に大きな木のある
     昔ながらの家だった
     縁側のあった家は壊され
     大きな木はどこかへ運ばれた
     乾かす洗濯物も ....
友人の車のターボチャージャーがいかれて修理に15万ほどもかかるので
通勤の足の無い友人に僕の車を貸してある。
僕はといえば通勤は自転車で5、6分歩いて10分というところなので
日常的に自分の車に ....
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神の名前- atsuchan69自由詩4*15-2-7
鬼の子に『桃太郎』を朗読させる小学校教師- 北大路京 ...自由詩1115-2-5
ピアスを開ける勇気がない鬼- 北大路京 ...自由詩615-2-3
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