まだ腕時計のない頃
パスカルはいつも左手首に
小さい時計をつけていたという

一枚の額縁の中の、夜
机上のランプに頬を照らされた
パスカルの肖像は
銀の時計をそうっとこちらに見せて、云う ....
時計の一秒ごと刻む音が心臓と共鳴する
進んでいるのは過去の堆積
動いていない僕の胴体を切り刻む

未来は音を編んでくれるだろうか
帰納法を後ろ盾に布団を被り
証明書のない契約に親指を赤 ....
鳥でなければ見たことのないはずの景色を
夢で見た

子どもの頃なら
空を慕った記憶はある

宇宙からの信号は
生まれた日から
届いていたのに
地表に張り付いたまま
私の未来は区切ら ....
私はパンが好きではなかった

だから
パンを作り始めた

おいしいものがたくさんあるよ、と
言いたかった

うれしいことが
たのしいことが
おいしいものが
たくさんあるよ、と
 ....
嘘をついた少女の

大きな大きな麦藁帽

忍びよる

  祈りの歴史
まゆ毛を微調節すればするほどズレてゆく
9月の夕方にある方からメールを頂きまし
た。(あなたの詩は結構好きだがかっこつけ
すぎではないか)というような内容でした。
10月は攻撃して11月は防御 ....
秋を着飾った紅葉が
全ての葉を落とした

裸になって
冬の薄い日差しを
目一杯受けたいのだろう

やがて来る
春のために
君は最近歌を口ずさむ
歩いてきた距離は途方もなく長く、
希望を持って歩いてきたけれど
どうにもうまく行かないことが多くて
それでも前だけ向いて歩いてきた

君の歩いている道は
君が望んだ ....
中一の長女の
突然の登校拒否

いてもたってもいられない

家に着くと
テーブルの上に破壊されたスマホ

LINE外しだか
何だか知らないけれど

俺の娘に何しやがる


 ....
穴のあいていない人間はいません 新年を迎えようと 時がさする 背中を
手を合わせたくなる
いつの新年も色褪せない新年界に居るはずだ
そのように 新年を春の意味を迎えたい

手を合わせ
合わせたくなる

合掌の外れに咲 ....
点子にも ほんとうの名前があるらしいです。
しかし
点子と点呼されたときから、わたくし 点子となったのでございます。

汽車ほど、人間の個性を軽蔑したものなどありません。
この明治の世で ....
華奢な小枝が
今は居ない
おばあちゃんの
背中に見える

身を反らす
一張の弓に似せて

しなやかであるが
少し触れれば
脆く砕けてしまいそうだ

それなのに
見目良く
誰 ....
限りなく美しい荒野に立ち
私はただ貴方を待っている
南から流れる風の知らせは
温かく私の身体に溶け込み
もうじき逢える希望に満ち
耐えがたき苦難も消え去る

果てしない荒野に煌く太陽 ....
秋の陽を受けて
河原に転がっている小石
何百年も かかって
水に運ばれ
磨かれ
なめらかに 
平たくなって

足もとの一つ
掌にのせ
眺めていると
水切りをしたくなり

幾つ ....
取り出したばかりの粘土は
幾通りもの生を含んで
ぐにゃり
柔らかく在る

指で押せば
くぼみが現れ
手のひらで転がせば
丸を成す
いびつな複雑さは
魅力的である代わりにとてももろい ....
包み隠さず話すことにしよう

傲慢な魂が足早に歩く階段を
上っているのかはたまた潜ろうとする夕暮れか

どんなに怒鳴っても
高速の降り口では平静を保とうとする機微
許されない事や
周り ....
リザの朱い唇が震えて 
ガラスの森ができた 
雪の降る音がするんだと言っていた
それはしゃぼん玉が割れるような音で 
十字架にキスをする温度のようだとも言っていた  
アフタヌーンティー ....
カラスが道端で死んでいました
カラスはカラスのままで横たわっていました

そうやって
カラスはカラスのままで朽ちてゆくのでしょう

落ち葉が
カラスの上にも
ふっていました

カラ ....
冬になる前に
庭のバラを剪定した

咲き遅れた蕾の枝を
花瓶に挿しておいた
膨らみかけていた他の蕾は
次々に開くのに
その白薔薇の蕾は
しばらくはじっと蒼いまま

ある時
限界を ....
何か自分に
とても
くだらなく、
そして
やさしいことを
してあげたくて
3歳児が寝静まってから
缶ビールとスナック菓子を用意した
酒は苦手で飲めない
けれど
時給ベースの仕事で
 ....
 
祈りが、ケーキにすりかわる頃

ベツレヘムの星は、LEDの光となり

讚美の歌は、ソリッドステートの箱に閉じ込められる


 
ふくよかな夜のしじま
淡く月が傾いでは
歌のような冷気が背を撫ぜます
もう気分は
お江戸の幽霊
火の玉提灯ぶら下げて
足なんざ有りゃあしませんよ
ひと気がないのは尚結構
夜道は一人に限 ....
 空に延ばされた
 無数の手が
 草原のように
 なびいていて

 その上を漂う
 タンポポの種が一つ

 象徴とは、多分
 そのようなものだ

 手の届かない
 約束のような ....
                     131208


ファシスト消えろの大合唱が耳許にへばり付く
蛙のような声がしてもう限界だと新党結成を決意する
蛙の声は案外遠くまで届くものだと
 ....
珈琲の湯気に黄泉行く人を思いながら春待つ冬かな 朝日を吸って
煙が冬の初めの終わりの心が動き始める

静止する衛星が
ヘビーな感情の中で流れ続ける

つむじからつま先まで
嫌悪されているような
憧れと寂しさが募るように
それを言葉 ....
日常の片隅に
読書する時間
を取って置く

新しい刺激は
時に知的欲求
を静に味わう

知的欲求から
美的欲求へと
行ったり来り

日常の片隅に
いつも何かの
欲求の時間帯 ....
ケーキ屋のサンタクロースは眠れずに 家族と過ごす26日

酒を飲み不平不満をぶちまけて それでも明日はやってくるのだ

「仕事と家庭のどちらが大事なの?」 やや食い気味に「君だ」と答え

 ....
すみれの咲く秋がある
すみれが好きな少女のために

春の庭に生まれた夢が孵る時がいまなんだ
と秋の実りにそよぐすみれ
常冬に住む老婆の許の菫色の裁縫箱には
針と糸と針刺しと並んでセピア色の ....
たまさんのおすすめリスト(5201)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
パスカルの時計- 服部 剛自由詩913-12-13
- 乱太郎自由詩14*13-12-13
鳥でなければ- Lucy自由詩19*13-12-13
happy_world- 駒沢優希自由詩513-12-13
- 乾 加津 ...自由詩13*13-12-13
かっこいい散文- 左屋百色自由詩26*13-12-12
裸木- イナエ自由詩15*13-12-12
君の歌- ……とあ ...自由詩21*13-12-12
深夜の東名高速で出会った鬼たちに憑いていく- ichirou自由詩8*13-12-12
穴のあいていない人間はいません- 北大路京 ...自由詩913-12-11
新春へ「二」- 朝焼彩茜 ...自由詩10*13-12-11
点子が、行く。- るるりら自由詩17*13-12-11
小枝- subaru★自由詩18*13-12-11
風になろう・・・- tamami自由詩17+13-12-10
- イナエ自由詩17*13-12-10
【終わりと始まりと】詩サークル「群青」12月の課題「終」への ...- そらの珊 ...自由詩2013-12-10
17年前- コバーン自由詩413-12-10
リザ- マーブル自由詩813-12-10
落ち葉の季節- 朧月自由詩613-12-9
白い蕾- Lucy自由詩18*13-12-9
くだらなく、やさしいこと- うめバア自由詩2513-12-9
祈り- 殿上 童自由詩20*13-12-9
うらめしや- ただのみ ...自由詩18*13-12-8
象徴- まーつん自由詩13*13-12-8
あめさけるてまえにきみがいて- あおば自由詩9*13-12-8
「休息」- 宇野康平短歌213-12-8
サウザン- コバーン自由詩313-12-8
日常の片隅に・・・- tamami自由詩11+13-12-8
働く人のうた- 中村 く ...短歌1113-12-8
秋のすみれの走馬灯- もっぷ自由詩813-12-8

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