雨が降る日はねむれない。
目をつむれば嫌な夢
幻覚のまがいものまで見えるから
頭でもいかれたのかと思った。
あまりに私が眠らないので
男の人はお家 ....
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からっぽな心 / 電車の影を追って
電車の窓から外を見ると冬日の光の影が
併走す ....
余裕出て
冗談言える
今の俺
平和ボケ
勉強しない
この私
資格取り
先立つものは
やはり金
王国に
オカリナの音が響き
それを合図に
門が開かれました
死者にはもう悲しみはないのです
先に逝ってしまったことも
とりたてて
悲しいことではないのです
それはこの世に生きるもの ....
「もう、この恋は終わらせてしまう方が良いかも知れない」
男との電話を切った後で、黎子はそう感じた。なんとなく空々しい会話が鼻についてきた。
しゃべっていて、話が長くなってきた時に、ふいに言葉を ....
猛々しい
雲の峰々をぬってながれるその川に見覚えがあった
なぜか
その子に見覚えがあった
林の奥の僻地の村へは行ったことないのに
そのおさない者の笑顔に
....
あなたは十分美しいのに
なぜ生き物を殺しますか
あなたの細く白いその手を
ぼくの赤い血で染めますか
ぼくはマフ ミドリの子犬
勇気と知恵を受け継ぐ子犬
パパママじいちゃんばあちゃんご先 ....
また列車は停まらず通過していった
もう何本の列車が通過していったことだろう
早朝からプラットホームに立ちつづけて
もう陽は落ちようとしているのに
どの列車も眼の前を速度を落とすことはな ....
夜中に目が覚めて散歩に行った
黒の画用紙に太めの半月が貼ってある
彼女はふっくらした横顔を向けてこう言った
忘れちゃだめよ あの娘はお嬢様育ちだということを
そうだった 彼女は両親からたっ ....
じゃりじゃり砂を噛む
骨と肉のあいだに砂がつまっている
心のすきまにも砂がつまっている
どうにかしなくちゃ
身体も心も重くなる
ソレダバ
耳を傾け片足トントントン
....
現代を生きる平凡な私達には無言で了解していることがある。
空は青空がいいとか
平日と休日がある。スケジュールがうまっている。だから君に認められる。
「幾多の歴史がつもりつもって、その先っ ....
そんなに怖いですか
そんなに恐ろしいですか
怖がる対象が いつの間にか変わっていませんか
恐ろしがる対象が いつの間にか人になっていませんか
私の故郷に一度いらしてください
きっ ....
雨を切る
水面のふたえの眼差しを
かたちとどめるまで震わせる
水上に口寄せる雲のとうげ
向こうは見えず雨惑い
みなもとに降る縦糸の舟が
あまさず小道を払いおとし
南の淵から流れる北へ
....
精神病院で夜勤の朝
朝の体操で
体育館に移動した
体調の良い患者30人ほどが
開放病棟から体育館に移動し
めいめいが
散歩したり
ボール投げしたり
軽い運動をする
病棟に帰ってき ....
ふたりで見た海を通る
消したい記憶を消せるほど
ぼくは澄んではいない
吹き消されない光の源
その物真似をしている
ふたりで見た海を通る
消したい記憶を消せる ....
正解は
どこの小道に
落ちてるか
キョロキョロしては
空仰いでる
点と点
つながるのかな
私でも
ジョブズのスピーチ
思い出しては
懐古主義 ....
萎み始めた意識の片隅に
かろうじて立て掛けてある
ギターの絃はたぶん錆びついて
降り積もる時間に埋れている
僕の指は踊れないから
意味を探してしまうから
残念ながらギター弾きにはなれな ....
天の上にいる方よ
もしも輪廻転生があるのなら
つぎはどうかぼくを大きな岩にして下さい
間違っても生命あるものに
生まれ代わらせることはしないで下さい
もしもどうしても生命あるものに
....
夜の通勤急行列車
ゆっくりだんだん蛇行しながら
「プシュー」と
最後に息を吐き出して一時停車
車掌さんのクネル声でどうやら信号待ち
皆も疲れて
「プシュー」と
....
発情スイッチ
午前二時
インもアウトも
無造作に
妄想奇しくも
花開き
癇癪玉が
割れました
誰か食らってくだしゃんせ
骨までしゃぶってくだしゃんせ
こんな女で ....
母の愛
懐かしい恋人
僕自身
僕の血がかよっていたはずの手袋が無くなって
とてもココロと懐が寒くなってでもね
怜ちゃんとドライブに行くの
羨ましいでしょう
あのうれない詩人の土屋 ....
じゅうじか?
ううん
かざぐるま?
ううん
なにかのかざり?
ううん
なに?
しゅりけん
チラシを細く丸めた棒を二つ
十字形に組み合わせて
セロテープでぐるぐる巻いてあ ....
父が撮ってきた家族の写真は
いつも後ろから
母がいつも文句を言っていた
どうして正面から
皆の笑顔を撮らないのかと
でもそんな文句を言う母の顔が
妙にうれしそうなのが
いつも不思議だった ....
あのひとは
気まぐれで意地悪
あたしの気持ちを
試すかのような言葉で
揺さぶりをかけてくる
かと思うと
子供のような
愛らしさ
彼は
いつも 大気のような優しさで ....
青い空を白い雲が流れて行く
さらさらと水の流れる音がする
地上から隔絶された空の楽園
ここには僕以外誰もいない
静寂と孤独だけが僕の友達
ささやかに続く平穏な日々に満足していた
あ ....
吹き荒ぶ二月の夕刻
山裾の疎らな住宅を
訪問営業でまわるのは
実に 切ない
長靴ギリギリの雪をこぎ
通りから玄関までの細道を通りぬけ
もはや顔面がかじかみ
鼻水が垂れている感覚すらない ....
飼っていた黒猫が突然行方不明
家の玄関の鍵は掛けていた
どこか窓が開いていたのか
窓から見える風景は
空っ風舞う冬景色
街路樹の葉はあらかた落ちてしまい
魚の骨の並木道
ふと見る ....
強く高みを掴んだ
脚に力を射して
秒速の息づかいを届けた
筋肉の震え
ハチドリの余韻
ふたごの虹
高音域を続けたのち
からだをつらぬく絹糸
歌はすべて感情から生まれ
歌はすべてあ ....
なんのために
歩くのか
それが死への行進であっても
もはや
退くこともできず
ただ祖國の土を踏むことだけを
夢見て
凍土を踏みしめて行く
泣く力はとうになく
乳さえ吸う力もない
赤 ....
ひさしぶりの渋谷文化村通りを歩く
フェルメールに会いに行くのだ
ハチ公前で待ち合わせて雑踏に紛れる
風は冷たくて肌に突き刺さる
沢山の愛や希望が行き交う街で怪しいふたりは浮いて ....
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