きみという少年時代の秘境について
そこに恐れていたものなど何一つなかった
きみに吹く嵐は去り際をわきまえていたし
きみの森に虎なんかいなかった
過ち達は気前よく十字を切って ....
奥に進めばいいと
席を立ったのはいいが
どこまで行けばいいのか
聞くのを忘れた
暗い明かりの下
行き交う人は
あなたの目的は全部
端から端まで知っているんだ
とでもいうように
意味あ ....
その時が来たのならば
全ての窓を開け放しましょう
それが その時であるのならば
まいにち みて いるのだけれど
ひざの上で組まれた指が
互いに爪を立てている
....
悲しみで張り裂けろこのからだ
遠くで雲が泣いている
からだを裂いて雨粒を落としている
悲しみで張り裂けろこのからだ
愛するひとなら耐えてみろ
愛するひとに同苦しろ
....
できるかぎりの優しさで
息をおくって
あざやかな
卵のひとつひとつに
そらを託しました
そうして
いかにも幸福そうな
幽閉は
繊細に
消えるのでした
....
涼し
涼しと
思うたら
わて
こんなに
なっとった
ホンマ
涼しいなぁ
110826
山本さんの奥様は
それはそれは奥ゆかしくて可愛くて声が良く
無口な山本さんの奥様にしておくのは惜しいと
陰口叩く人も居て
可愛い子と3 ....
青黒い皮膚の下で
躍動する肩甲骨に
未熟なサーファーが乗り上げて
水飛沫を上げて砕け散る
白い泡立ちとなって
打ち寄せる指先は
永遠に砂浜を掴み損ねて
桜貝の汗を置き忘れていく
....
ひとの一生ははかなくて
ふいにやぶけてしまう
ぴんとはった
うすがみのように
3月11日
がんを患うあなたの目の前で
おそらく数千の一生が
一瞬にしてやぶけてしまった
....
戻れそうで、戻れない
記憶をたどる
指のさきに、夏の
光があった。
光は
しずくとなって、
虹色の、かげろうをつくった。
ゆらめいて
いのちのかたち。
輝いて
一瞬を生きて ....
そんなに簡単に
悲しむなんて
駄目だよ
ぼくが許さない
レモネードがはじける
モリッシーが嗤う
あまりに
ぶきような
きょうの日 ....
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人に優しいから自分に優しくなれる / 逆もまた真なりだ
一生懸命生きて来て楽なことばかりじゃない
辛い時にしっかりと支えてくれるもの / ....
玉蜀黍
玉杯を挙げながら
君の衣剥ぎ取り
下弦の月に捧げる
濁っていたかもしれない
闇に光る眼差しも
火照った君の肌に淡く溶け出す
黍の甘さがそのまま
横たえた身体から呟 ....
この詩を読もうとしてくだっているかたに はじめに 申し上げておきます。
この詩には 少女の自殺がモチーフとして 扱われております。
そのような内容のものは、精神的に負担がかかるという自覚のある方は ....
俺?
俺はぼろぼろになってあの街から追放されたんだ
え、泣いてやしないよ
この泥があるからこそ蓮の花も咲くらしいから、大丈夫だよ
こころの問題じゃない
脳の問題だ
....
黒夜を作っている
欲しがる者が
あまりに多いから
黒夜に混ざって
溶け込めばいい
祭りの中へ
素になる黒夜を
好んでくれるから
今日も作っている
真空と混ざって
合流す ....
じめんのうえにたっています
あしのうらにたいおんがあって
じん
とします
ときどきそらをみます
とんでいるものがあってわたしは
鳥瞰図
みごとなけしき ....
この夜はあかるすぎる
きみが上手に眠るには
だからぼくは
月も星も
希望もしまってしまおう
明日も
あさっても
きみのみえないところへ
しまってしまおう
風景は記憶を宿している
だから俺は
ゆるゆる
その風景に
流れ込む
いつも路地裏
猫がいて
丸くなって目を細くして寝てる
気持ち良さそうに
俺は雪駄で歩いていくだろう
そう ....
目の前のあなたは
私の目を見ることもなく
その場しのぎの空気を纏う
息苦しさから逃れるため
私は砂糖が溶けるように
問い詰める
問い詰める
問い詰める
馴れ合いから逃れるため ....
あっ
風の軋む音がします
※
母となれなかった女の子供が母となる
子を宿せば母になれる
そんな容易いものではなくて
幼子の抱く古びた操り人形のように
いつのまに ....
膝の上の猫
まるで愛おしい生き物でも見るような目で
わたしを見てにゃーと鳴くの
通り雨降る、夏の午後
その視線を
すり寄ってくる体温を
振り払いたくてそっぽを向いた
うっとう ....
丘の上に立つと
夜空にはたくさんの発光体が
空に向って地上から降り注いでいるのが見える。
一様に
ボーっと輝いているが
明るさにはほど遠く
夜空に闇に吸い込まれて行く
....
あたいの心は茜色
つっかけ蹴り上げたら
明日は、きっと晴れ
何枚
ブランドや
一目惚れの服を
買ってみても
満たされないのよ
深夜に
コカ・コーラを飲んでも
ひと袋の
ポテトチップスを空けても
一杯の
カップヌードルを平らげても
物足 ....
金之助
小さい時かかったインフルエンザが元で
鼻茸ができた金ちゃんは
いつも 右の鼻腔がピーピーしていた
(インターフェロン3本打っても治らなかったんだぜ?)
(するうち自然治癒で解熱 ....
粗食・外食続きでスタミナを欲する体が
ずぼらでストイックな私のマインドに
今日はカレーを作らせた
大量のみじん切り玉ネギを飴色になるまで炒め
コリアンダー、カルダモン、クミンシードを挽き
ニ ....
枯れた空 桜花舞う
散る花びらを辿れば
行き着く 儚き生命(いのち)
目を閉じれば 浮かぶあなたの青空
常夜に変わっても 待っている
澄んだ月に 希う
”どうか無事でいてくださいと ....
鯨は賢いから
殺してはいけないのだと
海の向こうでは騒ぎが続いている
賢くないわたしは
きっと殺されてしまうから
その前に沈んでしまおう
深く、深く
肺が潰れてしまうところまで
....
あなたは
決してわたしをゆるさなかった
はじまりの
隠しあう接触のぬくもり
黒くながれおちる髪を
手櫛でやさしく梳きながら
洩れる水を袖口に運ぶ
清潔な距離がくれた
まどろみの ....
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