花ぬすびとをききながら流れるのは一粒の涙
移ろうことが許せなくて怖かったあの頃
あの頃と同じ一粒
*YouTube 花ぬすびと (明日香)
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こんな色をして
みんなのためにがんばっている
すみのほうでおどけた顔している
こんな色をして
そこにいないひとのことを想い
胸をいためてはまた
きみはみんなのことを想っている
きみのい ....
スキップが出来た日
ひとりの道を楽しむ会の
仲間になった
逆上がりが出来た日
さかさまを楽しむ会の
仲間になった
しびびーが出来た日
くさむらを楽しむ会の
仲間になった
....
何でもなかった一日が、
特別な日になってから四年が経った。
君の笑顔は夏の向日葵よりも眩しくて、
卑屈だった僕の心を照らしてくれた。
僕の悲しみは悲しみでなくなり、
母なる大地 ....
死ぬまで内緒を忘れている
しゃけたらこ おにぎりばくだん投下するシンジゲートの朝は忙し
しみじみと昔の恋がよみがえるように便座に熱戻る朝
カシミアはさぞ美味しかろうよ 虫食いの穴に悪態を吐く
秋空の雲の流れる ....
通り縋りの街に
何処か懐かしさを覚えて
忘れていた記憶を思い出そうとする
ふと浮かんだ笑顔に
少し胸が痛くなるけれど
明日のお天気のことを考えてみよう
幸せは無味無臭だから
気づ ....
会いたいな
会いたいな
今年もやさしいあなたに会いたい
いつでも私を見かけるたび
やあお嬢さんと挨拶してくれる
薄紫色の私のドレスを
きれいだねって褒めてくれる
また今年も
....
おやすみなさい
今日の日は過ぎた
明日は親知らずを抜きに行く
二週間前に予約して
あっというまに
今日が来た
虫歯になっていますから
治療したとしてもどうせ
使いみちのない歯だ ....
二番目でも良いと言った女が一番
木の天辺に腰かけて 青空と雲ばかり見る
木の葉を見下ろして 草が波のよう
風から生まれる 花の歌
花しか知らない 風の夢
靴が かかとから外れて
靴が 足から うっとりと飛ぶ
羽など ....
椅子になってみようと思って
椅子にはなれなかった
三秒で挫折した
たゆまぬ努力なしに
椅子は存在しえない
私の大腿四頭筋は悲鳴を上げ
痙攣を始める
あまねくすべての椅子は
慈悲とい ....
人の体温に恋して
霊は家に住み着くらしい
頼んだわけでもないけれど
周りにたむろする木や草の
のぞき込む好奇心を追い返し
昼間 人が出かけても
テーブルの下 柱の陰
ドアの後ろの暗が ....
いちじくは
花を 外に 開かない
いちじくは
内側に無数の花をつけ
やわはだの秘密を 隠し持つ
ある日
たったひとつの いちじくの実に
たった一匹の 蜂が来た
....
僕の<ありがとう>に
羽がはえて
僕の<あり蛾とう>が
飛んでいく
特製オムライスを作っている
君の左肩にふんわり
とまると思いきや
君の脇腹をつまんで
帰還する
<最近 ....
夜の匂いを忘れてしまうまえに
早くしなくちゃ、って思ったんだ
玄関から一歩踏み出したときに
夜の匂いがするということは
昼間とてもあったかかったということかな
熱が土にたまって、それが噴 ....
光しか見ていない人は
本物の光は描けない
背中に杭がささる
子どものころはそのまま
小学校に行った
人には見えないので
痛みをこらえている表情を見せなければ
だれにもわからない
休み時間に追いかけられて
プロレスのヘッド ....
なんと醜いものだろう
ただの肉塊であったなら
赦されたものを
このなかには
潜み蠢くものがある
....
滴り落ちて返事もなくて水面の波紋がひとつ消えてゆくまま
滑らかな器にそって水は満たされやがてはそのかたちとなる
曇ったガラスになぞった文字は夜明けとともに透き通って読めない
瞳に映る ....
帰宅早々インターフォンが鳴り
え? 宅急便?
受話器を取ると
「とりっくおあとりーと!」
子供達の雄叫びが両耳に飛び込んで来た
驚いた
かぼちゃランタンがそちこちに並ぶ時節
とうとうアク ....
夏の空気に寄って立つ 少女はあざみの花
かな文字で記した遺書のような視線が
日焼けした少年のまだ皺のない心のすみに
紅い糸を縫い付けることは終になかった
四季が幾つ廻ろうと心の真中が憶えている ....
間違いたくて最終電車をやり過ごす
日付が 変わった
きょうは
だれに
さまよう
幻想を見るのは自由だと言い聞かす
差し出したものに見合うだけの温度が欲しい
どなたか
....
本当のことを言うのを失言と大人は諭すこどもの余白に
わかってる何度も読んだ本開き一番いいとこ破って捨てる
明日ならばきっと良い日と思いたい昨日にめちゃくちゃに落ちてる今朝
....
はかなげな羽が降りてくるようにシダーウッドの練り香の夜
素のままの足先冷えるにまかぜては南瓜の裏ごしなんかしてみる
面取りの支度を終えた大根の白さに嫉妬 そうゆうをんな
忘れたり思い ....
滑り込みセーフ! って言っちゃうあなたって 幸せ
だってね 明らかにアウトだもの
ほら 入口からセーフのアチラが観えない?
「ふーん」
(ふーん )は負 ....
薄紫色の大気はひんやりと冴え渡ってそこにあった
南天の赤がこじんまりと眼の端に映るそんな朝だ
生きることはそうわるくもないさときどき意味のとり方を間違えるだけなんだ
そうみんな生のかけらを交 ....
腐ってた
タマゴがさ
買ったばかりのタマゴがね
ケーキを焼こうと思ってさ
4個目のタマゴだったのよ
5個使うんだけど
パカッと割ったらプーンとね
くっさい臭いがしてきてさ
えー ....
想像してみて。
この柔らかな死体が
何を思って生きていたかを
たとえば
生きている理由とか
翼の意味を考えただろうか
空を飛ぶ機能が失われたそれは
時折はばたく真似事をするだけの
使い ....
吐いて月の大きさ
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