廃屋に一本の桜が立っている
誰一人愛でる人もなく
人知れず枝を伸ばし
花を咲かす

月明かりの夜
街灯に照らし出されて
ぼんやりと薄桃色の
その姿を浮かび上らせていた

夜の静寂に ....
重力を連れて散歩に出る
途中で箱に捨てられた電卓を見た
すでに衰弱して鳴く気力もない
可哀想だったが液晶は嫌いだ
電圧に媚びを売る様が正視できず
家に連れて帰ることができないのだ
ポケット ....
ねえパパ
最近 
珈琲カスをあまり食べられなくて
ミミズがかわいそう

娘たちがリビングで飼育している
数千匹のミミズ達は
私がドリップした後の珈琲のカスが
大好きなのである
だ ....
合気道の稽古で
左目を傷つけた
痛風の発作が
右の親指の付け根に出た
車庫入れのときに
自動車を壁でこすってしまった
黒皮の財布を失くした

それでもぼくは
幸せであると唱える
 ....
去年の12月末、唐突に詩のレコメンド欲が湧いてきた自分は、以下のような文章を書きました。

「もうすぐ現代詩フォーラムがができて11年経つという事実と11のレコメンド」
http://po-m. ....
かなしみをください
あなたの傷口のように深い夜に

ことばをください
書き忘れた遺書のように
端正に綴ってみたいのです

桜が眼に沁みてなぜかせつなく
なにかを教えてくれるのですから
 ....
立ち呑み屋のテレビに年老いたプロレスラー ジャンがみててくれる部屋で
どこも痛くなく暮らしたい
ジャンがみててくれる部屋で
どこも寒くなく暮らしたい

神さまがみててくれる部屋で
どこも痛くなく暮らしたい
神さまがやさしくしてく ....
 
月夜の桜にご用心

照らされた花吹雪に心をもっていかれるという

そんな夜はおひとりになりませんように



 
もうすぐやってくるものを迎えるために
部屋の配置を変える
“あるがままを受け入れる” それが存在の呟きだとして・・・
翼は鳥に似合う
「重いものを背負っていますか?」
おせっかいをやいてみる ....
昨年春から、実在したサラブレッド、レースをテーマにした、競馬ライターかなざわいっせい氏の「ファイト!〜麗しの名馬、愛しの馬券」というショートショート集を、オリジナル作も混ぜながら、連作作品としてシナリ .... 別に昆虫の話じゃありません
これは一種の開き直り
あなたは平和主義者ですか
わたしは違います

大仰に言ってみても
所詮 頭と胸
頭で知った理想を
胸にぶら下げて生きること
本音と建 ....
我が社に知的障害持った青年が入社した
長い期間研修で頑張って入社した
彼は我々の新しい仲間だ

18歳の彼は真面目で優しい
彼を見ていると
健常と障害の違いは紙一重だと思う

彼の ....
小枝の別れめに すごした雪が溶けかけている
のしかかられた小枝は いつも 問いはしない
さまよいながら 降り募る 重さにただしなり
折れたら落ちる 回る季節に巡りを てばなし
花芽を ひとつ連 ....
夜明け
窓を開けると
空に明星が瞬いている

テーブルにこぼした煙草の灰を
手で掬いとっているうちに
夜が終わっていく

春先の
暖かい雨は降り止み
朝日が微かにひかる
神経が泡 ....
   携帯は見ない
   家事はいっさいしない
   仕事のことは考えたくない

   窓も開けないで
   一日中 ボーとして
   無為の時を過ごしている

   病気じゃないけど ....
豆腐屋の娘の口へさくらんぼ ショーウィンドウの前から
ふわりと剥がれた影は
軽やかにステップを踏んで
もうひとつの影にくっついた

大きな紙袋をぶら下げて
せかせかと動き回る影は
スマホを耳に押し当てたまま
 ....
帰宅する

幹線のJRの駅から田舎電車に乗り換え
一五分ほど奥まった田舎の駅
そこが自分の住む家の最寄り駅である。
妻と子が二人、義父母二人
六人が暮らす自分の家だ

自分の父母は随分 ....
お好み焼きや焼きそばを食べるとき
ちょっとご飯をひとくちふたくち
甘い粒々がほこほこ踊る
毎日食べているのにびっくり咀嚼する

私はものぐさなので
精米技術の進歩
お米はすすぐだけ
ボ ....
それはなかったことにして

ではなく ないことにして

これもなかったものと泣き

いや ないものと叫びたいだけで


火の粉が夜空を浮遊する


仰ぎ見るわたしの口 ....
小さいころ、春になると
ばあちゃんと手をつないで
つくしを摘みにいった
いつも風が強くて
河川敷にはいっぱい
つくしが伸びていた
シャツにてんとう虫をつけて
ビニール袋につくしとタンポポ ....
そして
げんこつが口から出なくなっている
そして
窓もない玄関もない俺の部屋
そして
掃除してエアコンつけて誰もこない
そして
スロー再生しておっぱい見えない
そして
口裂け女の胸を ....
よく晴れた朝
新しい職場へ向かう
昨日の特訓で疲れているけど
今日も頑張れる
覚えなくてはならないことがありすぎて
頭がぱんぱんになる
あまり眠れなかったけど
ちょうどいい緊張感だ

 ....
【いとおしい 石】


真新しい制服をきて
さあ これから はじまりますよという玄関で
籠の鳥が けたたましくないていたから 鳥にも 
ありがとう 入学してくるねって 声をかけ
ただいま ....
手賀沼やキラリ水面に春来たり

菜の花や見舞いの窓に陽の光
春風に花の散るらむひさかたの ひかり幽けしゆふまぐれの月

み春日の奥山の端の海の面に 夕羽振る風や花な散らしそ

夕されば三笠の山にさす入り日 花も朱にそ染み果つるかな
げんこつ出してと
子等に言えば
なんと可愛い手が三つ
両手で六つ
げんこつの大きさに握った
おにぎりを一つずつ

パーを出してと
子等に言えば
なんと可愛い手が三つ
両手で六つ
 ....
娘の手帳に、平和になりたいと書いてあった
忙しい生活の31日の隣に小さく

彼女はもう
眠ってしまったのかもしれない

冷めたコーヒーと乾いたマフィンが
ずっと手つかずのまま

 ....
海の近くに本が落ちている
頁をめくると
漁師町の屋根はどこまでも続き
伝えたいことは
すべて終わっている
誰に叱られることもなく
海鳥が飛び方を記憶している
たまさんのおすすめリスト(5201)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
【_廃屋の桜_】- 泡沫恋歌自由詩23*14-4-1
重力を連れて散歩に出る- 自由詩1614-4-1
珈琲好きのミミズの件- ichirou自由詩5*14-4-1
ぼくは幸せである- 殿岡秀秋自由詩814-4-1
現代詩フォーラム11周年記念_私的レコメンド11選- 散文(批評 ...10*14-4-1
憧憬。春- 梅昆布茶自由詩24*14-3-31
立ち呑み屋のテレビに年老いたプロレスラー- 北大路京 ...自由詩514-3-31
暮らし- もっぷ自由詩614-3-31
ご用心- 殿上 童自由詩21*14-3-30
曖昧な一日- 空丸ゆら ...自由詩1514-3-30
完成させよう。- 平瀬たか ...散文(批評 ...3*14-3-30
頭_胸_腹- ただのみ ...自由詩15*14-3-30
新しい仲間- ichirou自由詩13*14-3-30
巡花芽- 砂木自由詩16*14-3-30
桜の樹の下へ- 小林螢太自由詩20*14-3-29
【_仮病_】- 泡沫恋歌自由詩20+*14-3-28
豆腐屋の娘の口へさくらんぼ- 北大路京 ...俳句414-3-28
影の春- nonya自由詩20*14-3-27
不安−詩想との訣別- ……とあ ...自由詩17*14-3-27
ご飯を炊く- 灰泥軽茶自由詩1314-3-26
赤い空_________「群青」四月課題『嵐』出品- 芦沢 恵自由詩24*14-3-26
つくしの佃煮- 末下りょ ...自由詩12*14-3-25
禁断の北大路京介引用詩- 左屋百色自由詩14*14-3-25
バイオリンを弾く猫の絵のついたマグカップ- Lucy自由詩21*14-3-25
いとおしい_石- るるりら自由詩18*14-3-25
春二題- ……とあ ...俳句10*14-3-25
春の夕べに臨みて作る- 山部 佳短歌214-3-24
おにぎりとおいなりさん- 岸かの子自由詩8*14-3-24
undefined_sign- mizunomadoka自由詩714-3-24
simple_plan2- たもつ自由詩1214-3-24

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