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春のゆたんぽ
ぽぽぽと踊る草の匂い
たんぽぽ色の光は
そっと鼻をなでる
なでなでゆたんぽ
ほころぶこころは暖まる
ゆっくりとほぐし
軽やかな跳躍
すういすいっと風は
私をどこか遠くへ ....
卵と牛乳
砂糖を入れて
シュコシュコかきまぜ
食パン浸す
フライパンにマーガリンを溶かし
焼いたらシンプル出来上がり

小さな頃に初めた食べた
異国の香りは
本物ではないけれど
う ....
畑の隅に雨水を溜めている
ラムネ色した
プラスチック製の風呂桶

畑では老いた夫婦が
腰をかがめて手入れをしている
昔はその
小さなラムネ色の風呂桶に
家族で皆身体を丸めて
入ってい ....
またたくまのすれちがいざま

運転席に乗るドライバーよりも
車の助手席に乗せられた
大きなクマのぬいぐるみは
何も話したくない
少し怒っているようで
私は立ち止まって振り返り
走り去る ....
お好み焼きや焼きそばを食べるとき
ちょっとご飯をひとくちふたくち
甘い粒々がほこほこ踊る
毎日食べているのにびっくり咀嚼する

私はものぐさなので
精米技術の進歩
お米はすすぐだけ
ボ ....
ほぼ毎日私は朝ご飯に

納豆を食べる

その為には青葱が必要だから

新鮮な青葱を買い置き

食べる前に刻む

できるだけ細かく刻む

ザクとザクとザクザクと

五感は刻ま ....
私はずっと犬が飼いたかったのだけれど
今でも犬の散歩などをみると
羨望の眼差しで見てしまうのだけれど
いつも家には猫が居た

だいたい野良猫がそのまま居ついて
或る日ふといなくなったり
 ....
ビルの窓から外を眺めると

電信柱のてっぺんに一羽のカラスが

佇んでいる

何かたくらんでいるようで隙がない

こちらを向くなと言っている

たくさんの屋根を眺めながら

下 ....
ゴロゴロ鳴って
色とりどりの
ヨーヨー風船が落ちてきたような
夏の破裂音

軒下も見つけられずに
人気のない家の庭先にある
大きな木の下へ滑り込むと

浮世絵の世界が音も吸いこんでい ....
山の中で

あっを聴いたらだめだ

それは何かの始まりであるかもしれないが

私自身の終わりを意味する予感が

鳥肌ともに飛来する

その人工湖のほとりでは

山奥なのに車の発 ....
小学生ぐらいの女の子が下校中一人で

自分に課したルールで遊んでいるのか

罰ゲームか何かなのか

後ろ向きで住宅街をゆっくり歩いている

月面遊泳のようなスローモーションで

ラ ....
肌に艶のある小母さんが暖簾を掲げている
くいっと曲がり
小さな路地に入っていくと
木のこっぱや削り粉が雑然と置かれていて
いい匂いがする銭湯のうらっかわ

すぐ右手には
古びた人気のない ....
ぱすんと音を鳴らし

アイスキャンディーを取り出す

自転車を漕ぎながら

あっこの味あたりだ

今日も一日暑かったけれど

今時分の風が気持ちいいなあと

公園で立ち止まり木 ....
今日は一日天気で

日の照る中ティーシャツで過ごしたので

夜寝る前になっても

背中に暖かい温もりまだ残っていて

身体のストレッチをしていくと

太陽の温もりがゆっくり手足まで ....
軽トラが農地の空地に
放置されて顔だけになっている
車輪は地中に埋まって
後ろの荷台は錆びてもげて
かろうじて面影を残すのみ
緑の雑草や蔦が生い茂り
うす紫色の花がたくさん綺麗に咲いている ....
何のために作られてたか定かではない
もうとっくに誰も君の事なんか
忘れてしまっているよ

トーテムポールが森の中で
うんうんうんうん
あいづちあいづち

いつも何か言いたそうな顔ばかり ....
なべふたふたふた
円盤飛来
ゆらゆら
ちょうどよいサイズ
はまるよぱこりと
取ってから
ちいさなくしゃみが聴こえてくるよ

まだまだ寒い季節だからね
暖かくなるまでこの鍋の上で過ごし ....
駅のホーム
立ち食いそば屋で
かき揚げそばをすすりながら
おにぎりをほおばる

小学生の高学年
夏休みなどに入ると
私はひとりで新幹線に四時間ほど乗り
田舎に帰省していた
とても酔う ....
私はモノに名前などはつけない

自転車や楽器など愛すべきモノたちへ

名前をつけてはいつくしむ人たちに対して

嫌悪感ほどは抱かないがむず痒くなる

しかし私は毎日牛乳を飲むときや
 ....
頭からすっぽりと

覆面をした人たちが歩いている

何十年か前には

こんな恰好をした人たちはいなかったのに

今では当たり前になっている

街は砂で埋もれている

身体の中に ....
私は食事の後の洗いものが嫌いだけれど

洗濯は好きである

もう十年以上使っている洗濯機には

特別な愛着がある訳ではないけれど

頼りなさそうなのに音だけはでかく

ウォンウォン ....
途中の駅で降りてふらり

美味しい匂いがする

ラーメンずるり

からころころりと転がる

空のペットボトル

私のこころもからころころり

世界がくるり

飴玉くるむ大き ....
雪がひらひら

音符もひらひら

地面を濡らし小さな音を鳴らす

鳥が嬉しそうに鳴く

空からどんどん降ってくる

賑やかなパレードがはじまる

白い残響が地面を覆う

旅 ....
風が運んできたのか

優しい匂い

ほこほこ土が盛り上がり

暖かい感触

もうすぐかなと待ちわびて

木々が揺れる葉々が笑う

私は光を浴びて

川を心地良く流れて

 ....
おおらかでよく笑い
どこを見ているのかわからない優しい女性のように
いつもどこかで遠くからでもわかるように
こちらかあちらを向いてじっと佇んでいます

知らない街を心細く歩いていても
いつ ....
冷たい空から降ってくる

鮮やかな光

あんまり冷たいから

女の子はしかめっつら

行き交う人々に注がれる

輝く肌は薄くて一枚一枚剥がれてゆき

筋肉が想う心が躍動し

 ....
川沿いを歩いていると
色鮮やかな
もげた螺旋階段がくるりと横たわっていた

私は危ういバランスを保ちながら
登ってみると
先に透明色の螺旋階段が伸びている

そうっとゆっくり
どっこ ....
自転車を走らせながら

夜空を眺める

近くて軽い

感触が迫っている

もう少しで届くよ

立ち上がり私は伸びていく

ビルよりも高く

今日食べたラーメン

箸です ....
私は穴ぼこだらけ

のそのそと歩きまわり

山の斜面にぼろぼろ突き出た粘土を掴んで

くにゃくにゃ捏ねて

ちぎって少しずつ穴ぼこを埋めていく

何だか安心する

舗装された山 ....
すっぽりと紅葉を被り

ひのひかりを浴びる

こっそりと山を歩きながら

誰にも気づかれないようにと

鳥の鳴き声をまねて

飛んでいく

雲が急に流れだし

しっとりと山 ....
たまさんの灰泥軽茶さんおすすめリスト(80)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ゆたんぽぽ- 灰泥軽茶自由詩815-4-15
フレンチトースト- 灰泥軽茶自由詩1015-2-18
畑と風呂桶- 灰泥軽茶自由詩1015-1-25
ぬいぐるみ- 灰泥軽茶自由詩1015-1-22
ご飯を炊く- 灰泥軽茶自由詩1314-3-26
納豆と青葱- 灰泥軽茶自由詩1214-1-21
猫のあたま- 灰泥軽茶自由詩2013-10-22
ビルの窓から- 灰泥軽茶自由詩813-8-30
夏のハレツオン- 灰泥軽茶自由詩1513-8-25
歪み- 灰泥軽茶自由詩813-8-11
うしろ歩き- 灰泥軽茶自由詩1013-7-22
小さな路地の先っちょに- 灰泥軽茶自由詩1113-6-22
アイスキャンディーと夕暮れ- 灰泥軽茶自由詩913-6-6
太陽の温もり- 灰泥軽茶自由詩6*13-5-14
軽トラ生い茂る- 灰泥軽茶自由詩10*13-3-31
あいづち- 灰泥軽茶自由詩13*13-3-26
鍋蓋飛来- 灰泥軽茶自由詩10*13-3-21
駅のホームと立ち食いそば屋- 灰泥軽茶自由詩18*13-3-19
牛三郎- 灰泥軽茶自由詩7*13-3-15
砂の街- 灰泥軽茶自由詩13*13-3-9
ロートル洗濯機- 灰泥軽茶自由詩10*13-3-7
途中下車- 灰泥軽茶自由詩7*13-3-5
冬のパレード- 灰泥軽茶自由詩6*13-3-2
春じゃないかい- 灰泥軽茶自由詩9*13-3-1
たばこの看板- 灰泥軽茶自由詩11*13-2-19
冬の躍動- 灰泥軽茶自由詩12*13-1-19
もげた螺旋階段- 灰泥軽茶自由詩10*13-1-4
軽い夜には自転車はよく進む- 灰泥軽茶自由詩6*12-12-28
百穴人- 灰泥軽茶自由詩7*12-12-19
秋の音- 灰泥軽茶自由詩7*12-12-4

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