ドラの音
ジャーン
シンバルの音
シャーン
新しい世界が
今開かれる
ないていたカラスが
ほらまた笑った。
気合入れて
人に流されて
自分も残す
人生は完璧を要求されない
そのままでその{ルビ瞳=め}のままで
僕を呼ぶあなたがいる
ほほ笑みの中で
いくつ時が過ぎたの?
やさしさは時に誰かを
傷つけるものなんだね
そんなやさしいまなざしで
僕をみつめない ....
地獄の沙汰どころか
こうやって生きているときから
と
あの人は言った
ひとと獣の違い
それは
困ったときに
頼れるものがあるかないか
思いとか信じるとかのことなの
そう尋 ....
ファインダー越しに 麗しの笑顔
シャッターを切る 指先は まだ青い
かわいい少女 カメラの中に とりこむ
永遠の一瞬 フィルムに焼き付ける
あざやかなグラフティ 妖精のストーリー
....
なぜそこに
それがあるのか
自分ではわからない
人に聞いてもわからない
なぜそこに
それがあるのか
調べてみたら
なぜそこに
それがあったのか
謎が一つ増えてゆく
なぜそこ ....
レイン
あのとき足音にかき消され
君の言葉が聞こえなかった
雨が降る
自由が再び吸い込まれていく
星が湿度を復元する
束の間の動作
長旅を終え
地面に歪んでは消える ....
人は夢を見ます
記憶の整理だとか
願望だとかという噂もあります
それでも夢を見ます
鮮烈に残る夢も
忘れる夢も
この心の目だけは見ています
悲しいこともあるでしょ ....
その本には
わずかな言葉しか
書かれていない
けれども
見えない言葉が見えてくる
それは
未来への希望であり
人生への疲れでもあり
恋する人への思いでもある
同時にそれは
読む人が ....
山鳥は、
語りえない
ゴム、しゃぼん
せかいは いとも
かんたんに
喧嘩する
きみを ぼくは零す
しゃぼんのせかい しゃ
ぼんの せかいは 簡単に
....
考えながら眠りこける 考えてたこと忘れてる
農薬まみれのリンゴを洗わずに囓る
走り出したら止まりません 止めたいときは覚悟して
愛の言葉も銃声も ときには役立たず
いつも最新の情報は ....
貴方は優しくささやく
貴方の思いは岩をも砕く
傍にいて欲しくて
泣いた。
かわら煎餅を食べた
元気が出た。
貴方のお母さんの作ってくれた
おにぎりの味は忘れられない
重き荷を背 ....
「ゆうれい列車」
ホームで下を向いていたので
うっかり
ゆうれい列車に乗り込んでしまった
しまった
向かい合った二列のゆうれいたちが
脚をそろえて腰掛けている
脚は途中か ....
いつも行く公園で
ちょうど首を傾げた時に
北斗七星が一番きれいに見えるところに座って
近所から漏れる夫婦喧嘩の声を聞く
夜の中を
二人の声は
礼儀を知らぬ新入りのタクシー運 ....
夜の はざま はざまに
夢のうしおが 満たされて
今日という『事実』が
完璧な微笑をたたえて
夜のみぎわが ざわめいた
今日の風はどうだった?
帆船が白い帆をはり・・・
蒼穹はさらに深く
眩い雲はほのかに流れ行く
若木の緑をそよがす風は
初夏の薫りを匂わせながら
見晴るかす彼方へ消えて行く
雲のまにまにのぞく{ルビ天色=あまいろ}に
いつか見た白い炎が燃え ....
虹で身を清められると思ひませぬか、御前様。
あの七色の光の帯は、数多の宝石やも知れませぬ。
御前様。
嵐過ぎ去りし後紺碧の空に横たはるあれは、
もしや此の世で最も美しき獣やも知れま ....
1
逆光の眼に飛んでくる鳥を、
白い壁のなかに閉じ込めて、
朝食は、きょうも新しい家族を創造した。
晴れた日は、穏やかな口元をしているので、
なみなみと注がれた貯水池を、
....
何の前触れもなく
唐突に
涙腺が緩み始めた
止めどなく溢れ出てくる様子は
雨の日のマンホールのようで
なんだか笑いそうになってしまったけれど
それでも
引きつらせてしか笑えなかった
....
久しぶりに会った。
君はすねていた。
プレゼントを渡した。
手紙を読んだ。
背中でキスを
せがむんだ
君は「すき...」と言ったまま
黙ってしまった。
もどかしい思い
どうに ....
かならず行きます
ステップ踏みます
百倍わらって
mihimaruだって
歌うから
勇気はないから
きっと言えない
....
夜中に雨が通り過ぎた朝
近くの林から
夏が歌っている
共に生きていることを
呼びかけながら歌っている
昨日が雨だったことを
忘れさせるような昼
川の中から
夏が歌っている
自分が ....
重ねあう肌のあたたかさに
見いだそうとするもの
胸の奥に秘めるもの
真新しかったスーツに
シワもめだってきて
某寂無人のかかとに踏まれた
つま先が疼く
こんなはずじゃなかった ....
なだれゆく 曇天の鱗
きりぎり 虚空にさす枝先
絡めた糸で 傷付けるから
鳥は 近づいてはいけない
どこにもいらない花のように
身を潜めて
散る花の中へおちていく
踏む先に ....
あなたを大事に思っている人がいます
あなたを見守っている人がいます
あなたは気づいていないかもしれないけれど
半信半疑や
距離感や
....
つんつんと
たっているのに
どこか愛らしい
君に似ているよ
大人ぶってつんとしているのに
どこか愛らしい
どこか愛らしい
愛されることに慣れてしまった僕は
不用意な言葉を君に投げかけて
信頼されていることに安心してしまった僕は
君を裁き続けることをやめようとしない。
ただ愛して欲しいと思う二人の人間が
....
見果てぬ夢を抱いたまま
いくつもの夜を越えて巡ってきた
摂氏34度
陽炎のような曖昧な輪郭
記憶と現実が交差して
今 密やかに始まる
8月の同窓会
かくせぬ僅かな緊張
....
暗がりのなか 痛みを見つめる
舐めとるように
呑みこむように
ひとつの静寂と
ふたつの静寂を
片目は聴く
雨が近づいてくる
羽をひろげ阻む
丘に棲むけだもの
....
記憶のかたわらで
あの人の奏でる、ヴィオロン
夜想曲は、もう
恋のできない私に似合いね
と わずかに唇をゆるめてから
伏目で弾いた鳴きやまぬ、旋律
それはどうしても、波としか呼べなくて ....
トキメキを求める 浮ついてる まいらいふ
ドキドキを求める 刺激好きな まいわいふ
あいのぅ ゆのぅ 苔の生えぬ希望
あのぅ そのぅ 下手をすれば死亡
愛人の刃物が光れば
....
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