愛よ
おまえは道端の石ころみたいに
でしゃばりもせず佇んでいる
それは
太陽の光をたくさん吸い込んだ布団
使い古して先の曲がった万年筆
おどけた瞳を持った豚の貯金箱
....
まだ青い実が
道に落ちている
成熟を知らぬままに
その存在を主張する
ああ
ボクに
何が出来るのだろう
いつまでも
子供のままじゃ
いられないんだ
青い実が
道に落ちている
誰もそれを
拾おう ....
くり返し聞こえる
ずっと耳の奥
石をたたく水の音
ふうわりと浮かんだ陽炎を
あなたの肩越しで見ていた
線香の、つんとした部屋
気管がくるしいのは
意識を奪われているから
ゆるんだ浴 ....
太陽が昇り始め
朝がきた
キミとの
最後の夜が
終わった
寝不足の瞼に
氷を押し当てて
苦いタブレットを噛み砕く
明日から
どう生きようか
つまりは
キミのいない ....
きまってくちびるを かみしめる
きみだから なみだなんか
みせて くれない
どれほどの
思いなの
ただ 知りたくて その悲しみは、
きみのやさしい心を おおった
なみだの表面積 ....
一つ夜を越えたなら
また新しい夜が其処にいて
また一つ越えて行かねばならず
繰り返し
繰り返し
夜を越えて行く内に
新しい年を迎え
それでも新たな夜はやって来て
満たされず
満たし切れない
埋め ....
夏休み前の教室で
ぼんやり先生の授業を聞いていた
教室の窓の外では
アブラゼミがうるさいくらいに鳴いていて
授業に集中できない僕の頭の中を
これでもかというほど占領していた
ジージ ....
眠れない夜を
乗り越えて
カーテンを
開ける
おはよう
朝が来たよ
今日も
世界は
美しいよ
ちゃんと
地球は
回ってるよ
大きめなバッグにぶら下げた薄桃色のバッジが揺れている
ちょっと誇らしそうで
それでいてたわいもない気恥ずかしさも感じられ
膨らみかげんにチェックをいれてしまう
どれくらいのひとが知って ....
鏡に映るは頭蓋骨
湯気に煙るアンモナイト
砂場に描いた渦を飲み干し
喉に裂けるは根の無き林檎
音にはならず口惜しき様
無言の放射を裸体に感ず
(命あるものまるでただ
渇きを ....
電気を消した暗い部屋で
月明かりの射す窓に向かって
扇風機よ
お前はやけに
凛とまっすぐ立ってるなぁ
夜風にふくらむカーテンと
何かを話しているようだ
堕ちていく純白の天使は
悪魔にでもうちおとされでもしたのだろうか
かれこれ何年も生きてきたけど
思い出をおもいだそうとしても
綺麗な青空の下の出来事が思いだせなかった
閉 ....
100回魔法が
使えるようになったなら
僕はそのうち何回を
自分の為に使うだろう
自分を嫌っているようで愛している僕は
たくさんたくさん、使うだろうね
....
090709
真っ暗な
点字図書館で
目が覚めた
真っ暗で何も見えない
見えないから
目が無くなった
触れられないから
指が無くなった
怖くて ....
陰鬱な雨音が窓辺に滲みて
低くつづく唸り声と
さかんな水飛沫とともに
霧中に奔り去る夢の銀輪たち
仄暗い部屋で
目覚めると
突如、
胸に激しい痛みを覚えた
良くない
一日の訪 ....
居間のテーブルに、汗をおびた白い皮膜がひろがり、ひとり
のピンクのビニール手袋は、両手で艶めかしい声をあげた。
一面、ピンとはった空気が、わたしの熱を帯びた息で震える ....
風が吹いてる
人々はざわめいている
月にはひとの足跡がついている
それでも
ぼくら
会わなくちゃいけないんだ
星の川に
きみを
横たえるよ
雲をかき寄せるから
....
どうやら苦手なものに好かれてしまうらしい
人前で話すのはいつまでたっても苦手なままなのに
旧友の結婚式でスピーチを頼まれてみたり
不得手解消と中途半端な意気込みで卒業した英文科の呪いなのか
....
傷つくことを喜びなさい。
あなたは傷つくほどに真剣だ。
傷つくことを喜びなさい。
あなたは傷つくほどに前向きだ。
傷つくことを喜びなさい。
あなたは傷つくほどに生きている。
傷 ....
まるで
造花みたい、って
でも
こっちが本物で
香りだってするし
でも
偽物みたいに
綺麗で
どっちなのか
わからなくなるよ
いつでも鞄の中に折りたたみ傘
そんなこの季節は
私たちの生気を吸い取って
過ぎているんじゃないか
私たちの吐くため息ひとつ
雨雲にしているんじゃないか
そんな錯覚がマジになりそうなほど
鬱々と ....
カリッて
あたしの殻を
割って
中から
とろんって
あたしが
溢れ出すから
叫び出そうよ 暗い暗い午前4時
眠れぬ夜は まだ続く見込み
お似合い黒の花広げ
懐かしく新しい傷を背負う
谷から這い上がった後に
さらに深みにこける
雪でできた砂時計は
落ち切る ....
醜い姿でも暗闇に溶け込めるなら
私はそれでもかまわない
腕にできた赤く汚れた傷が眠っていてくれるなら
終わらない夜であってほしいと願う
鎮静の歌が聞こえる
回帰の匂いが立ち込める
....
木立を駈け抜ける風のように ゆく
雲になった ぬうのへ
いつか また おなじ空の旅で遇いましょう
ながく伸びた端っこが消えて ゆく
大きく手をふったなら 手紙に したため ....
踏み込む勇気、ある?
あの夏
ぼくらは
無邪気だったね
森のなかで
草をかき分けて
誰も来ない場所で
ふたりで息をひそめて
もう
ボクには
登れない
思い出が
蚊のように
つきまとうから
そこに すっくと 立っている
ばらけた もくへん
積み上げてみたり 繋げてみたり
ふたたびの
夢を はぐしてる
[女子高生]と云う
必然的なブランドを持っている わたしは
勉強 部活 テスト 友達
いろんなオマケに追われながら
毎日を貪るように 喰らい
生きているような気がする
虚 ....
降り出した雨に
次々と傘が開いてゆく
あたしもつられて
傘をさす
雨の音が
変わる
傘にあたる雨の
人工的な音が嫌い
閉じ込められた
空間が嫌い
傘が重くて
....
渚を歩いていたときのことだ。
波打ち際に、細くなめらかな黒い曲線が描かれていた。
それは波の姿を象って視界の及ばぬ範囲へと延々と続き、
足元に目をやれば無数の点の集まりで、なにかの種を思わせ ....
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