湿り気を帯びた
黒潮からの風が流れくる
幾分か柔らかさを含んで
太平洋の西のはずれ 日本列島 梅雨
空気が清々しい 今年
寒暖の激しさは何処へ
二酸化炭素の濃度が増えて
肺が ....
ぽかぽか
陽だまりのなかで
アキはねむる
優しくて
それよりもっと
優しくて
あくび
ふわっと
浮かべて
目をこする
ネコが慎重に
せのびをしては
その路地を
て ....
なまなましい透明な輪郭ばかりが
声をともなって底からわきあがってくる。
止めようと思ってもとまらない
体が、ふるえる、ふるえる。ふるえながら
私はあなたのゆびばかりをしゃぶった。
止まらない ....
「モクテキは何か」
「今 何をユウセンすべきか」
「シテンをどこに置くかが重要だ」
(なんて
ゴシドウくださるおかげで)
くちゃくちゃの紙クズみたいな
オツムの中は
ひ ....
あのこがね、あいにくるって、はしりだす。
走り出す、愛に狂って、笑いだす。
笑いだす、会いに来るって、真夜中に。
真夜中に、あいにくるって、叫んでる。
叫んでる ....
艶めかしく
雨に濡れた髪
差し出された謝罪の言葉と赤い傘
どちらも受け取らず
ただ
あなたを誘惑してる
濡れた髪
言葉も傘もいらないの
抱き締めてほしいだけ
....
今までたくさんの詩を読んで
そこからいろいろなことを感じて
詩を書いてみたいと思い立ち
様々な詩を書いてきました
書いたからには
読んでもらいたい
認めてもらいたい
そう思うのはいけ ....
小さな頃から
オシロイバナを身にまとって
教室へ向かう道の途中
家へ帰る道、夕焼け空の下
遠くに並ぶ影が羨ましかった、よ
あれから、数年
オシロイバナは ....
はじめは
音もなくただ
切り取られた絵を
見ているようだった
気付けば
あたりいちめん
降り続いていた
ほそく長い銀色の
むせ返す空気を
土に
留めておくように
....
タマゴ焼き
ふわりふわりと
足取り軽く
タコのウインナーと
ダンスする
揚げたばかりの豚カツが
レモンのギターをかきむしる
ちょっと嫉妬な
千切りキャベツ
箱につめて
....
晴れわたる太陽の下
仰向けになって寝ころんだら
辺りの陽気に包まれて
心の中の芯まで
温かくなっていくようだ
じっと動かず静かに浴びて
始めて気付く
太陽の光の温かさのように
....
この思いを詩にしたいのに
言葉が
わからない
言葉が
伝わらない
今日もかけない
詩が
かけない
また今日も
襲ってくる
自己嫌悪
夕暮れ、薔薇は香っていた
まだ残る夕光の中で
私は花びらをそっとむしりとる
指先がいとしくて
何かを待ちわびて
ふっと夏の透き通る波が
心に押し寄せて来て足先を濡らし
すべてを呑 ....
{画像=080619012728.jpg}
私のテレビは
真空管から宇宙へと通じている。
だから赤と青と黄色の虹が
画面から青空へ架かっている。
そこでは
虚像こそが実体を有し、
存 ....
一面の草むらから、湧きあがる青い空。
向き合うわたしの窓は、青い空をもたない。
手にした一枚の写真を見て、
水を得た魚のように泳いだ海は、
黄ばんだ家族の笑 ....
自ら築いた家庭を守る
そんな当たり前の事ができなかったのだと
あのひとは言った
幸せそうな笑顔の傍らをすり抜けるとき
言い知れぬ悪寒を覚えるのだと
あのひとは呻いた
家族のために自 ....
靴箱の上にある
木彫りのふくろうは毎晩
わたしの前で目を光らせる
夫は気づかなかった
それはわたしの幻想かもしれないし
夫の現実逃避かもしれない
靴箱の上の定位置に
じっと座って ....
あじさいは雨に
色をもらう
少しずつ少しずつ
となりの子とは違うように
淡く。パープル
ぬれてるからって
傘は差しださないで
雨がすきなのわたしたち
雨でわたしたちは
きせつを彩 ....
わたしのははは
おうたをうたいます
ねるまえにかならず
いいこ いいこよ ねんねしな
わたしはめをとじて
すぅすぅこきゅうします
はやくおうたをとめて
かわいこ かわいこ ねんね ....
ふくろうを売りに来た人は
中年の腹が出た女だった
彼女のお腹の中には
不満や悲しみや欲望が
脂肪の姿をして蓄まっているに違いない
ふくろうなんて飼えません
と断ると
玄関に置いておく ....
ふしぎな
ずっと
ふしぎな
きみのあくび、つたわると
こっちまで弱いんだ
あくあくあく
(うさこちゃんのだきまくら・・・)
アンテナとおして
でんせん
リラックスの色水 ....
陸に上がった魚
窒息する
声が出ない
仕方がないので
しっぽでモールス
{ルビ−−−=ツーツーツー}
{ルビ−−−=ツーツーツー}
{ルビ−−−=ツーツーツー}
{ルビ−−−=ツー ....
アイラブユー アイラブュー アイラビュー
もう歌うのは止して
きみがあの子を好きだってこと 分かったからさあ
アイニードゥユー アイニドゥュー アイニーヂュー
もう歌うのは止して
そんな ....
見慣れた景色
窓の外
あの家の屋根から
少しだけ頭を出していた木も
過ぎ行く歳月を知らせるかのように
大きくなった
風のある日は
大きくうねり
晴れた日は
緑を激しく ....
海だった
湿度百十五パーセント
水蒸気の飽和したの六月の風
ビルに囲まれた灰色の世界に
潮騒と潮の匂いを届ける
風が吹き抜けるこの街は
海だった
気付いた君
ぬめつ ....
誕生日
クリスマス
結婚記念日
何かとお金がかかるけれど
贈り物をするには便利でいい
イベントがそのまま口実になる
アンティークのレスポール
ゴールデンレトリバー
....
さっき そこの角で 天使の羽根を拾ったんだ
君が落としたんじゃない?
嗚呼 なんて神々しいんだ
人間だとは思えないよ
ねぇ どこに翼隠してるの?
僕を置いて天国に帰らないでね マイ スイ ....
ひかちゃんが
幸せになるか、不幸になるかわからないけど
きっと
自分にとっての幸せってなんだろう
って考えて
探求できる子にはなると思う。
って今日着た手紙には書いてあ ....
ハシバミの枝から
膝頭をつたい
たらたらと流れる
経血の艶
頬を刺す紅の
口許を拭う銀の{ルビ絲=いと}で
ゆっくりと迷宮を搦め
鋼鉄の綾で縛りながら
血潮の徒花を捧げ
甘い毒を流し ....
一念発起でもしたのか
寝ぼけ眼をこすりながらも
真新しいランニングシューズに足を通す
ちょっと昔だったら
恰幅が良いともてはやされた下腹を揺すりながら
近所の公園に出かけていった
....
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