はやくおうちに帰りましょう
と合図の童謡が鳴って
その日はじめて空は気がついてもらえる
六歳のまなざしは
あおい空には向かわなかった
夕空が少女に語るのは いつでも
あきらめる時に踏む手順 ....
旅先で立ち寄った老舗鞄店店主の指の骨の雄弁 彷徨の心が余る夜のなか自転車輪は地球を走る 指の肌膚崩れて少女冬の底床拭きながら母はまぼろし  
夏が透ける雨の隙間

渇いた紫陽花が

雨を、乞う



 
私たち親子の手を見比べると

娘の手は白くて 細くて
張りがあって美しい
私の手は皮膚が薄くなって
血管が浮いて見える

やはり手には年齢がでるね

真面目なだけが取り柄で
洒落っ ....
 
傘もかわかない間に

また 雨がふる

あなたの瞳に 雨がふる




 
神宮前の小橋で懐かしのフォークソング唄う人

懐かしの? 

わたしは懐かしのを知らない

知らない懐かしを知ったふりして心縮めていたの



右肩横をかすめて通りすぎた黒服男はも ....
{引用=(わたしには言いたいことって一つしかなかった)}

全てであって唯一であって
たとえて神さま宛ての一度きりの手紙だとして だから
たくさんを考えてたくさんを削ってみて
「伝わる」って ....
よくわかるのだけど
しんたいかんかくのことばへのへんかん
そして
「※それ」へのきょうかんへのかつぼう
よくわかるのだけど
わたしは
その先を知りたいんです
なぜ、なんのために、自分を削 ....
くちびるから悲しみのエコーもう二度とさよならなんて言いたくないのに

金色の雨になって会いに来て閉じ込められた私はダナエ

ひとしずく君の涙がこぼれたら小瓶に入れて取って置きたい

聴こえ ....
私の
右のてのひら
左のてのひら
載っているのは
目に見えるものばかりではない
見えないけれども
無力でもないそれらは
良いものとは限らず
悪いものとも限らない
間違えて捨て
間違 ....
コウノトリが
光りを運んできてはじまる一日は
約束に満ちている
四丁目への福音

聞いてほしい
聴いているよ

ほほ笑みの爆ぜる音が
煤けた下町に響き渡る/わたしは
泣いているビル ....
 
あなたは、ぼくじゃない

ぼくは、あなたじゃない

でも、わかりあえないわけじゃない



 
 若葉はだんだんと濃い緑に変わり
 空の青には白い雲がまぶしく輝く。
 生命が萌えたつ
 五月のさわやかな風・・・
 
 新しい生命が生まれるということは、
 それと同数以上の生命が消えて ....
空が無い
靴紐を
勇気を振り絞って
結んだってこの町には
せいいっぱいに踵を上げて
みあげても、みあげても、

空が無い
空が無い!
ガードレールの内側に
くくりつけられた花束
それに向って手を合わせる
初老の女性がいた

先日、その場所で
交通事故があったことを
私は知っている

バイクとワゴン車の衝突で
事故 ....
夕暮れの秋に立って
冬の陽だまりを眺めている
そこの冬は
春に向かってとても急いでいる
私は檸檬を齧りながら
言葉にしたくない願いを持て余している
 
パンツが脱げない

言葉からパンツが脱げない

たった一枚なのに



 
たとえばラテン語だったなら
誰にでもなく君たちだけに
伝わるだろうか
さよなら、と
ひと言のこしたいひとの数は
片方の手で足りる
それはさびしいことではないと思う
「妻の庭」

温かい光が
いっぱい,紅、桃、イエロウ
さーつと、蝶々が
訪れて、あいさつして
去った
風が吹いて
五月、青い空
お花は
沢山、沢山
今日は幸せです。
 
ほんとなんてものがないなら

うそをついて

うそがほんとになるまで



 
「私」として生きてて背負うかなしさをたとえる形容詞がみつからない


生きることに疲れて橋に向かいつつ靴は脱げないことは知ってた


春の暮れもしくは初夏への道すがら黒い縁取り一通拾う
 ....
ふと想う
一生懸命な趣味とは
道楽などと云う
ものではないのだけれども
きっと最初は
お金を使ってしまうだろう

どんなジャンルでも
ワールドカップのような
競技があるように
世界 ....
 
赤い糸

ほっとくとだんだん透きとおって見えんようになります

そやからときどき紅を差します



 
ロウソクの数は去年と同じ数また新しい春が来ました 拝啓、冷蔵庫様

長い間ご苦労さま
十六年間、寝食を共にした
おまえが逝ってしまい
わたしはとても寂しいよ

突然のお別れだった
何だか、冷えが悪いと思っていたら
冷凍食品が自然解凍 ....
{ルビ処女=おとめ}はその森に入ってはならない
森に入ればきっと出会ってしまうだろう

そして血よりも紅いその薔薇を手折ってはいけない
薔薇を手折ればきっと恋に落ちてしまうだろう

それは ....
君は一杯着飾っていたね
着けるだけ飾るだけ幸せになれると

友達も言っていた

君には複雑な鮮やかな柄が似合う
肌着はもっと暖かい真っ赤が良いよ
もっともっと着飾った方が

君はいつ ....
まだ若い老人であったころ
同僚と紅葉の山麓へドライブ旅行にでかけた
秋空のもと 静かな集落を抜けるとき
前方遙かに 背をかがめた人が横切るのを見た
同僚はスピードをやや落として言う
「老人は ....
乱太郎さんのおすすめリスト(8204)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
茜音- もっぷ自由詩515-6-16
老舗鞄店_*- もっぷ短歌215-6-16
彷徨の心_*- もっぷ短歌215-6-16
冬の底_*- もっぷ短歌215-6-16
乞う- 殿上 童自由詩16*15-6-15
【_娘の手_私の手_】- 泡沫恋歌自由詩19*15-6-9
雨模様- 殿上 童自由詩14*15-6-8
木漏れて- 芦沢 恵自由詩16*15-6-7
___(2015.06.07)_往復書簡840)- もっぷ自由詩315-6-7
ヴェクサシオン「騙されながら騙している(かのように)」- もっぷ自由詩215-6-7
悲しみの季節- 未有花短歌11*15-6-3
_- もっぷ自由詩4*15-6-1
放熱- もっぷ自由詩415-6-1
じゃない- 殿上 童自由詩15*15-6-1
五月の風の向こうに- 秀の秋自由詩215-5-31
以来- もっぷ自由詩415-5-30
【_ガードレールの花束_】- 泡沫恋歌自由詩11*15-5-29
冬の陽だまりを- もっぷ自由詩515-5-28
書けない- 殿上 童自由詩23*15-5-25
北西風- もっぷ自由詩8*15-5-22
「妻の庭」- 生田 稔自由詩915-5-21
うそ- 殿上 童自由詩16*15-5-18
「すみれいろそら、あかねいろそら」_2015.05.16_( ...- もっぷ短歌315-5-16
一生懸命な趣味- りゅうの ...自由詩9*15-5-14
- 殿上 童自由詩20*15-5-11
ロウソクの数は去年と同じ数また新しい春が来ました- 北大路京 ...短歌315-5-7
【_拝啓、冷蔵庫様_】- 泡沫恋歌自由詩20+*15-5-7
妖精の森- 未有花自由詩11*15-5-7
幸せは物足りない- 宣井龍人自由詩16*15-5-6
年を取る取るとはこういうことかー振り返るー- イナエ自由詩11*15-5-5

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