山々の間の空を
喜び一杯に翼をひろげ
流れていった
雀の群
{ルビ翻=ひるがえ}り
枝々に小さい太陽を灯す
柿の林に舞い降りて
無数の黒い音符になった
天 ....
朝がくるまでに
悪いことしましょ
朝がくる前に
悪いことしましょ
願いごと叶えてあげるわ
悪魔のKissしてあげるわ
朝がくるまでに
悪いことしましょ
....
朝のひかりがさし込んで
おいでよ、と
気もちのいい ハンモックが
てを招く
まよっていたさまよっていた
さ
自分のそんとくは
消すことできないよ
空ながれて
ひとりひとりが、 ....
なにかゆって
なにかゆって
なんでもいいから
なにかゆって
あなたの言葉はわたしのお水
あなたの視線はわたしの光
なんかゆって
なにも考えないで
な ....
多摩川に架かる鉄橋を渡りきる頃
メールの着信を知らせる携帯の光が走る
両親も恋人と認める彼からのメール
簡潔な朝の挨拶に優しさ溢れる短いことば
先輩は幸せ過ぎるから
傍から見ると憂鬱 ....
手を叩いて
肩を叩いて
足をもんで
背をさする
マッサージで
スキンシップを
図る
良い気持ち
雪の日心は寒い
1人ぼっちで
ボイスパーカスで
ラップを歌う
初詣デート前日
明日 お参りした後
おみくじ ひくことになるだろう
『大吉』か『大凶』じゃないと 中途半端だから
さきに神社に行って『大吉』か『大凶』出るまでひいておこう
『大吉 ....
ポットの注ぎ口から
授乳温度の液体ネコを流出させて
膝の上に置く
ネコは不定形
とろーり とろーり
湯気を立てて
うたた寝をしている
ネコの脳波はカップの上で波紋を立てて
き ....
貴方だけ
心を許すのは
貴方だけ
私を愛する人は
私だけ
攻めるのは
私だけ
守るのは
激しく
強く
速く
優しく
お日様はいつも明るく
接してくれる。
あたた ....
地球が滅びるとき
進化が過ぎて
全種類のいきものが
一斉に空を飛ぶ
大気圏を越えて
少し離れたところから見た地球は
丸裸になっていた
そんな夢を見てしまったら ....
平穏の中の静と動
平穏の中の戦い
平穏の中の癒し
平穏の中の不安感
心の痛み
体の悲鳴
助けて
助けて
スポーツで現実を忘れ
音楽を聞いて時間を忘れ
泣いて笑って叫んで
....
満月が
飽和してゆく
そっと
するどい涼しさは
船乗りだけの
うろこです
ただ一言でかばわれて
消え入ろうにも
悔やまれて
丸みを帯びた
涙の甘さに
....
ラクダに乗って楽だ!
チーちゃん待って
じゃんけんポン
たんすでダンス
くだらない事言って
生きてゆく。
時間の共有
時間の長さに満足
如何に有意義に生きるか?
死とは何か? ....
(きみは近く
足元から古い崖が、伸び悩み
きみはすぐ下のことが分かる)
ひどく、近く
じっとしている
長いこと
息を奪われて、呑みこんだ夜
ふさわしい音はながれ ....
ひねもすノタリノタリかな
花瓶の中の水仙
洗濯物を干す
有給を取る
世界は逆ねじの歌
世界は左回り
世界は平和の歌
世界は大人になる
私に夢を下さい。
私に愛を下さい。
私 ....
あなたが 空が大好きだから
わたしも 空を見上げる機会が増えました
空の色とか 雲の形とか
興味なかったけど
あなたが 嬉しそうに語るから
いつのまにか わたしも
空の 表情や 機嫌が 気にな ....
何をどこに忘れたのですか?
駅の係員は開いた記録簿に目を落とし尋ねた
普段から乗りなれた通勤電車
それなのに今夜は何かが確かに違っていた
勧められるまま飲んでしまった新年会
赤ら顔の同僚 ....
親指でしか語れなくなった
指先が覚えてしまったのだ
無機質な凹凸に触れるだけで
整然とした文字が手に入ることを
まっさらな紙の緊張や
そこに落ちるイビツな文字
との格闘も捨 ....
小鳥を逃がした事がある
さみしい時に啼いてくれたのに
鳥籠にいる姿がかなしくて
僕の目の届かない世界まで遠くへやって
今もふとすると胸うちで啼いている
傷ついたその折れた翼で
....
遠い風の透けた
銀のしずくが
{ルビ月影=つきかげ}おぼろにひびいて
さびしく薫る
ぬれた黒髪
結いあげる白い手
静かすぎる吐息の重さは
うつろな視線の光
映る予感の静寂が ....
潜り込んだ布団から
寒い朝、這い出て
コーヒー飲んで
コーンフレークを食べる
今日は日曜日何もない
天気は良い
ヒゲをそり
歯を磨く
寝ぼけて新聞取りに行って
みかん食べて
....
クリスマスに電車が止まる
たった一人のジャンプで
軽く舌打ちをするOL
どうして? どうして? と母親に尋ねる子供
どうやら その死はどこへもとどかないよ
小さなわがままと ....
イチゴの詰まった胸に
あこがれてしまった
しゅんかんは、あの時の少女だった
いちご、買おうか。
好きでしょう
食べない?
ぼおっとしていたら
背中に今年はじめての
ひだまり
....
鼓動を知っている
急激に階段を上がり
寝床に入ると
生きている苦しみと共に
息切れと共に
脳を覆う
熱を合わせると
寝床が海に変わり
大海原を旅する船になる
鼓動 ....
蒼い影を映して続く冬の森には
透き通った何かが隠れている
凛と張りつめた空気の中で
何かが動き始めている
それは凍りついた木々の向こうに
広がるはるかな世界
白いやさしい{ルビ時間=とき} ....
あたたかな
あたたかな皮膚を
思う
なんだか涙がこぼれてくる
いのち
ってものを
意識にうつす
ゆっくりと、
ゆっくりと、
つぶやくような
そんな言葉で
....
うまいもん食って
うまい酒飲んで
うまい話して
うまい思いして
さあ明日から仕事
遊びがあるから
頑張れる
そして又うまい酒を飲む
世渡りを上手く
お小言を聞き流し
うそを ....
時間だけが過ぎてゆく
正確に時間は過ぎてゆく
でも早い時と
遅い時がある
楽しい日も
辛い日も
少しづつ
大人になってゆく
今できる事をしてゆく
豊かな人生を歩む
歌を歌い ....
波の声
かたりかけてくる
じゃまにならないように
ちかく、ちかく、とおく
足元をぬらさないくらいの
ところにぼくは
すわって
つかれてしまったよ
うずくまったよ
なにか答えてほし ....
昨日哀しみを突き放し
今日の瞼は何も隔てない
地表を渡る細波を
裸足でなぞり
葉の無い枝のように
四方へと手指を広げている
数羽の鳥が羽を休める
屋根の上には
ソーダ色の空が
....
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