向き合って生きるということは
剥き合って生きるということと言うと
皮を剥き剥きし合って生傷だらけになるし
逃げ惑う君を袋小路に追い詰めて
今にも死んでしまいそうな気持ちに追い込んで
そんな君 ....
ねえ、キミもためしてみてよ
魔法のシガレット
小さいころに気どってくわえた
....
月の瞳に
海が映るのか
海の鏡に
月が潤むのか
旅立ちはいつだって
こんな夜の、ブルー
マストを背にした
ひとつひとつの心に
青はなにを
語りかけるのだろう
....
明け闇に稲妻
白い栞のように
風は慌ててページをめくる
朝を探している
朝
井戸につるべは落とされて
鏡が割れるように
宝石が生まれるように
しぶきは上がる
あたたかい頬 ....
花屋の娘に恋をして 妻に花束を買って帰った
なにも言葉を 落とせそうにない口を ありがとうの唇で塞いだ
愛人が旅行へ行きたいと言い 出張を装って出かけた
「早く仕事が 終われば日帰り ....
晴れた日に
テレビゲームをしていたら
外で遊べと言われ
公園でサッカーをしていたら
ボール遊びはするなと言われ
自転車で探検に出かけたら
行き先を必ず言えと言われる
ぼくたちの遊びを ....
ゆめのなかでさえ
あのひとは後ろ姿で
いつだって
後ろ姿で
ゆめのなかでさえ
好きとはいえなかった
あのひとの抱きしめたぬいぐるみを
大切に抱きしめて
ぬる ....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている
朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
渡すまで
気づかなかった
2と3を間違えてつけたケーキ
隣あってたから
間違えたんだよ
なんて言い訳を
笑って聞いて
おいしいって
お世辞言って
ろうそくは
点けず ....
夏の終わり
りんりんと鳴く虫の音の響く夜の淵
なまあたたかいぬめり気が
頬をなでる
セックスを終えてアパートを出た後の
このにおい
夏のにおい、のような
記憶のか ....
のどかな煙突のある
工場町
It is only a blue sky.
丘の上で
おにぎりを食べる
天使の天下り
綺麗な光線
くしゃみをする
少し寒い
停職処分を食らい
....
時に 花となり
微笑みを 届けましょう
時に 鳥となり
詩(ウタ)を 奏でましょう
時に 風となり
涙を 拭いましょう
時に 月となり
静寂(ココロ)を 抱き ....
セミの声を追いかけて
見知らぬ森ん中
麦藁帽子のつば先は
南の方を指していた
虫かごん中はからっぽで
虫取り網を空高く
どんどん奥へと進んで行った
四方八方セミの声
どっちへ進めば ....
せつない夜は
何して過ごす
ことば遊びの
ことば紡いで
とろとろ落ちる
時間を織ろうか
それとも
赤い月から滴る
ゆらいだ糸で
あの人に裂かれた
心を繕うか
....
あ
何かが弾けた
あ
何かが消えた
あ
何かが生れた
あ
何かが飛んだ
あ
何かが始まる
あ
何かが終わる
始まりは終わり終 ....
君の夏の中に
向日葵は咲いた
去年よりも太い茎で
大きな花を咲かせて
はっきりとした向日葵は
これからしおれてゆくだろう
けれども君はそれを
悲しんではいけない
それが自然なのだか ....
滴がポタリ
雨が降ってきた
新しい命が
又一つ芽吹く
小さいからつい
甘やかし過ぎる位に手をかけ
失敗は許されないから
厳しい教育が出来ない。
大切なもの
失うと二度と
手 ....
蜃気楼を信じて
砂漠に打ち上げられた鯨
現実から逃げ出して
淡水の夢を見たけれど
安らぎは
もっとずっと
遠かった
求めたものと
与えられたものと
砂粒みたいに
隙 ....
スタジアムへ行こう 野球を観に
ルールなんて知らなくていい
メガホン叩いていればいい
踊り踊っていればいい
僕の好きな野球 君と一緒に楽しめればいい
会えなくて辛い夜は ....
やめたいと言うと
やめちゃいなと君は言う
そんなに簡単じゃ無いよって言うと
いつも簡単だよと返される
いつか君は僕をやめるのか
いつも簡単みたいだから
とても恐ろしい
一先ず君の胸に耳を ....
夏がゆっくり 歩み
晩夏のうしお
ひたひたと
我が胸を濡らし
透明な羽根 輝き
つくつくぼうしは
夏の最終章を寂しげに歌い上げる
木々の圧倒的な緑の先に
秋の気配は
そよぐ風 ....
こころ、が
ほどけていく
ゆるり、ゆるり、と
流れていく
苦水を干し
甘水を欲する
頑なに形を得ようとはせず
熱に垂れて
想いに焦げて
こころ、は
時折 玉となり ....
はじめてラブと出逢ったのは
新宿歌舞伎町にあるペットショップ
狭い檻のなかで怯えるように震えていた
あなたの瞳をみつめた瞬間から
ラブ
わたしたちはあなたの虜になってしまう
思わず ....
さよなら、さよなら、
記憶を解き放って
遠ざかる夏の
四角く切り取られた 空
枠からはみだした場所では
かなしみによく似た顔の
ぼくたちが
今も、酸欠になっている
....
静かなるこの夕べ
魔法の世界
空間が歪む
暑い朝、暑い昼
飛びかう情報
滅茶苦茶のおばさん
尊敬なんて言葉が無い
誰も頭を下げない
金金金銭銭銭
気持ちが伴ってない
親から ....
残暑見舞いを書いて
少しは凌ぎやすくなった季節を迎えたの
季節の移り変わりが
少しずつ感じられるようになって
毎日 緑の中で呼吸している
ときにまぶしいきらめく光に目を細めながら
いつ ....
あるメロディーを聴いた
けたたましい騒音の中から
あるメロディーを聴いた
さかまく日々の雑音の中から
街に集まった人びとは
メロディーに合わせて歌を歌った
どんなに綺麗 ....
ジリジリと太陽が
アスファルトに焦がれる思いを
告げる午後二時の
濃い影がさす
向こうには
枯れてしまったシクラメン
欠けてしまったクリスタルの花瓶
半分腐りかけの林檎
止まっ ....
空よりは高くはない
ただ、
この丘から見える景色をながめている
「素直にしているの?」
「凛としているの?」
そんな問いかけは
この宙に、あてもなく溶けていく
....
松葉杖を
ついて歩く人を
追い越し
ふいに立ち止まり
背後を振り返る
その人のずっと後ろで
松葉杖をつくより
もっと不器用に
びっこを引く小さい姿は
あの頃のぼく ....
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