五時間半のパートも毎日つづくと
腕も、足も、腰も痛くなって
お風呂上がりにはからだじゅうに
星を貼って、寝ます
星は、
ツボとよばれるからだの黒点に貼るから
いくつか貼ると
わたしのか ....
既婚者のシャツにつける口紅スタンプを自作
膝下五センチのスカート丈
三つ折りの白い靴下
おかっぱに切りそろえた髪
私は校則通りの平凡な中学生
ふくらはぎ下までのスカート丈
伸ばしたままの靴下
パーマがかかった茶髪
そう、あな ....
手で「ちょき」を一人の時にしたことが無いと気づいてふとやってみる
アルプスのどこかで飲んでいるつもり一杯のココア晩秋の部屋
透明の水彩絵の具で描かれた君の九月の絵のナス食べたい
....
やがて水が
熱を帯び
傷んだ管のひびわれは
取り返しようもなく波打って
かつて海であった記憶をたぐる
かなしみはコンクリートをふちどって
どれだけ抱いても減らない全てに
途方にく ....
医師はどこにも病気が
見あたらないというのだがー
汚れた世界をばかりを見続けていた
とも思えないが 硝子体に埃が溜まって
見つめる視野の中心が霞み
左目で見る妻に ....
今、僕は、旅先の尾張名古屋名鉄ビル9階の
「矢場とん」で味噌カツ定食を待っている。
景気づけに、豚の横綱がポーズをとっている
絵柄のグラスビールをくいと、飲む。
思えばあれは9年前…独り旅 ....
フランクルの「夜と霧」の頁を閉じた後
卓上のプラスティックのケースにぎっしり入った
何本もの砂糖達の、頭部に
強制収容所につれ去られる人々の
血の失せた顔が一瞬、浮かんで見えた――
両親 ....
妖しく燃え立つ大地の
白く輝ける夜更けに
残忍な、
神々の祝祭が終わると、
廃墟に零れた
紅い 涙の滴りを吸って
一輪の、
ことばの花が咲いた
その名は、わたしたち
生け ....
この雨ときたら、どうだろう
わたしたちときたら、どうだろう
ねぇ、どうだろう
数は未知数
棄て駒はいつも捨て身で
少しの燃料を積み
自由のために炎の中をかけていった
どこから狙われているのか
生きる僕はいつでもターゲット
ここが僕の心臓だ ....
不注意でピカルディを
生まれて初めて割ってしまった
その刹那あなたの姿が帰ってきた
絶対に大丈夫と思っていた強化ガラス
この世に絶対なんてないと言いたかったのか
絶対にわたしよりも先には ....
誕生日いがいは
お祝いの日じゃない
なんでもない日が
ずっと
毎日続いているけど
グッと耐えて生きていく
🌼
私は今
自分という人間を
ふるいにかけて ....
同人誌と関わるようになって、もうずいぶんになります。最初は、ノートに手書きでした。味があるといえばありますが量産できないのが致命的です。その後、ガリ版や青コピーにも手を出しましたが、思うような本が作 ....
うにタンうにタンうにハラミの順で喰う
魂を売りに骨董屋へ行った
もちろん詩人の魂は売れなかったが
特別な思想とか宗教をもたないのであれば
家の掃除とひきかえに昼飯を食わせてやると言われた
それじゃあ、と言って
骨董屋の凝固まった ....
ひとはそれぞれの色を持つ
混ざるもの混ざらないもの
それぞれの色がキャンバスのうえで混じったり混ざらなかったり
様々な色調とタッチでそれぞれの場所を見つけて収まりひとつの風景をなす
そ ....
みたことをみてないことにできないとその風景で秋の風鳴る
命日の早すぎるかな数えだすはじまりのきょうふた月も前
あの秋かあの冬か春か真夏には虹を二人でみる運もあり
去るもの ....
行き先の希望言うのをやめてみて確かに着いたここに十年
タバコ屋のおいちゃんが店閉めるってそうして町は暮れてゆくんだ
冬を待つわけは格別ないままに捲る日めくり明日燃えるごみ
....
親指が巻き爪だった一週間ビーチサンダル秋の風知る
あの頃にすがることしかできないとみあげる空に同じ月あり
台風が心を壊すほどの日に追憶のなかの秋晴れをゆく
暮れてゆくこど ....
時折 挫折します
嘘です
いつでも挫折しています
そのうち挫折があたりまえ
嗚呼 挫折こそわが人生わが歌
骨折も痛いが
挫折も痛いああ痛い
坐骨神経痛を略 ....
一限目から必殺技の名前考えている
雨は雪になり2週間降り続けた
そこから先は灰だった
手のひらで溶けることのない
真っ白な灰は
強く握っても固まらなかった
光をほとんど通さない厚い雲
沈んでいく石の群れ
影が ....
ほんとうをひとつ石のしたに埋めた
約束をひとつ鏡の裏にかくした
退屈がちょっと窓からのぞいた
懸命がぼくのしりをたたいた
月は宙ぶらりんで柳のしたを通りがかった
杜甫と李白がちいさな ....
もうちょっと、ちょっとだけ飲ましてな
そしたら
添い寝してあげるね、お月さま
世紀末はどこかで霰が降るらしい
いつかこの変わらない天が
何年か後は蒼の色を忘れてしまうのかな
揺れながら人を避けながら
それでも踊るのは何故だろう
ゆらりゆらりゆら ....
等圧線の険しい尾根道を
一気に駆け下りた寒気の精鋭に
容赦なく身体を押えつけられて
また2センチ青空が遠のいた
街路樹の痩せた指先から
次々に零れ落ちた枯葉の巡礼を
容赦なく運動靴 ....
tegami
手紙は来ない
無名戦士の墓に春が訪れ
風が花びらをそのうえに散り敷こうとも
ときどきその墓標を濡らした雨があがり
空をよこぎるように虹が橋を架けたとしても
乙女た ....
ひとはまっすぐ生きられない
かならず、曲がり角はやってくる
見覚えのない交差点はこわい
視界の閉ざされた曲がり角は、もっとこわい
たとえば
人生がなくても小説は書けるという
それは ....
欠ける月の裏側
隣にいた乗客は
溶けて灰になっていた
塞いだ耳の奥からは
もう一人の僕が囁いていた
雑誌の名前も知らない女が
此方に微笑んでいるのは
レン ....
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