K

親不孝な倅の
誰も知らない部屋の机のひき出しには
それでも両親に宛てたAIR MAILのクリスマスカードが
残されていた
研磨剤じみた陽光が降り注ぐだけの
カリフォルニアの生誕祭 ....
いつまでも泣いていたら
大人になれないよ
そう言われて
余計 泣きじゃくった子供の日

だったらずっと
泣いている
子供のまんまでいいから
泣いている
大人になったら泣けないなんて
 ....
レース飾りの白いおんなの子が散って
発生成育は繰り広ぐ
くちびるを誰で染め上げた
誰がこの子を赤く汚した
(見初めたのが間違いでした)



                      ....
オリーブオイルの入ったビニール袋が

ちりちりと音をたてドアノブにかけられた

時間がなかった

呼び鈴も鳴らさなかった

ビニール袋だけが<存在>だった

胸のいたみは弾痕になっ ....
脳の裏側まで入り込む文字と言葉 読めない
現実が空想の言葉に追い付かない

医者にダメにされた 右目 見えない右目

左目だけで現実を詠む
あたしの左脳は大丈夫なの?

あぁ 早く ....
久しぶりに恋愛をした男の子は年下で、シャネルの匂いがした。
しっかりした肉におおわれた太い骨。
しりあってから十五日めに触れて、
触れてから六日間はなれなかった。

夜中に逢い、朝がたま ....
かはかし
かばはばかし
ししはししし
ねこはこねし
いぬはぬいし
うまはまうし
くまはまくし
りすはすりし
かめはメカし
やぎはギアし
わしはしわし
くまはまくし
わにはにわし
たかはかたし
うはう ....
1階のショウ・ルームには巨大なマシーンが
腹這う竜さながら何台も展示されている
合衆国とドイツの工場から空輸された
これら封入封緘機は全国津々浦々に納品され
封入された郵便物が各世帯に届く仕組 ....
温められた皿が食卓に置かれている
「私を彩って。そして汚して…。」と
上気した白さで語りかけてくる
アンティパストでは物足りないと言いたげな光沢で
ゆるやかなフォルムの輪郭を際立たせている
 ....
ぼくはいつも作業服を着ている
田舎ではみんなそうだったし 何の不自由もない
社名の入った制服 オフの日でも安全靴
それがぼくの正装だ

そんなぼくの格好を 都会の君は嫌った
ある日 一 ....
お前が私の頭に触れることは
玄関で靴下まで脱ぎ、放ったあとの
一つの儀式だった

おい、納豆の匂いがするぞ
八歳の妹は部屋から顔を覗かせる
お前はその頭も追うのだけれど
 ....
犬が笑った

そんなことは思い込みかもしれない
それでも事実目に見える形でしか説明されない多くのものを投げ捨てるけど
不確かな現実はうやむやなまま流された
犬は僕を見ているのではないかも ....
   
音もない暗がりは
言葉のない世界だ

言葉のない世界とは
そう簡単なものではない

あらゆる感覚器の受容体の
スイッチをオフにして
体験する世界
とらえようのない間
対 ....
 
 
病院の待合室で
ヒマワリたちがソファーに並んで
自分の名前が呼ばれるのを待っている
けれどヒマワリたちには
個別の名前が無いので
何時まで経っても呼ばれはしない
ヒマワリは次々 ....
記念式典
歩道の上に
人の大きさほどの
鉱が置かれる
式典が終わり
鉱は五つに分けられ
そのうちのいちばん小さなものが
あやまって溝に落ちる
あわてて拾 ....
そこから
中央に
丸い石を並べた
ネックレスのような道があって
豊かな膨らみを二つに分けるような
多分の道
人々がその橋を渡る日もあった
お年寄りとか カップルとか
呼吸のために
水 ....
ねぇ
あの島の海燕の卵を捕りにゆくから銃を貸してよ
登れない/切り立った崖の/そのまた崖の窪みに巣はあるから
自動小銃で煩い親鳥を乱射してやるの
海燕の卵なんて食べたことない ....
ささやかな夢に押しつぶされて
子供が
悪臭をたたえている

湖の表面では
脱ぎ捨てられた衣服が
藻の振りをして漂っている

明日
踏みつけるべき小さな草花を
今日踏みつけて道を作り ....
ハイツ和合にたずねてゆくと
花火ちゃんはフローリングの床でお皿をわっていた
ぺたりとWの字にすわりこんで
からだやわらかいんだ
ね、つめたくない?
訊いてからちがうちがう
なんでお皿な ....
月にいちど血の塊を産む
生まれなかった卵と一緒にトイレに流す
私の体は痛む
痛みは臍の下から生まれて体中に(つま先までつま先まで)
それは生まれなかった卵の為に
じんじん じんじんと

 ....
山の中の切り株
風で倒れた木は切られ
まるで抜けた歯のよに
風が通るよ

私はそこに座り
下を見下ろしていた
彼が落ちて行ったのは
この場所からだった

偶然という言葉で
かたず ....
薬局のカエルは
店先に置かれたその日から
休むことなく
この街を見守ってきた

少女が殺されたよるも
カエルはその目に
犯人の顔を焼き付けていた
なのにカエルは
警察にも、
遺族に ....
 
 
ブーツを仕分ける
仕分けまくる

 「ブーツの仕分けに関する判断基準」(抄)
  第三条 良いブーツ(以下「良いブーツ」という。)は天国を歩ける
   ブーツとする。
  2  ....
             ひとみを閉じていればいい
             こころを閉じていればいい
             電車が通過する前の
             空気と地面の振動が ....
おてての小さなおんなのこは神様との約束をよく守った

だからおんなのこはいつも忙しかった

神様いがいの約束はたまに守れないこともあった

おんなのこはそのことでじぶんを責めることがあった ....
人を怒らせるのも1つの才能です
成績の面でも写真で見ても何一つ遜色は無いのですが
彼女のいる所で突然誰かが怒り出すことがあります
それも尋常ではない速度で怒りが爆発するので
前兆も何もないまま ....
語らない
石のメアドを
知った

赤外線で
返ってきたとき
ぼくは
ぼくじしんのさみしさにつきあたり
冷蔵庫を閉じて
こたつにもぐりこむ

石の
メールアドレスは
six w ....
 
浜辺に崩れかかった民宿が一軒とりのこされていて
ひやけた壁のうえを暗灰色のツタが何十本もからみつくようにして這いまわっている
看板に書かれていた文字はとけたチョコレートのようにぼやけ
まっ ....
コーラ片手に
ジーパン着て
ハーレー乗り
ギター持って
弾き語りする

あの場所
あの時
あの時間

サングラスして
ウイスキー飲んで
シャワー浴びて
くだらないジョーク
 ....
この子は生まれた時から変わっていた。
どう変わっていたかってのは
ちょっと目に分からないくらい変わっている。
何が楽しいのか、絶対に笑わない。
笑わないってのが、また、一つの何なんだが
ニッ ....
乾 加津也さんのおすすめリスト(5073)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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涙の行方- 明楽自由詩3*10-12-15
うれたからすうりうれないからすうりからす- りこ自由詩8*10-12-14
使命- 吉岡ペペ ...自由詩310-12-14
あたしの中の官能魔術- 水穏(み ...自由詩1*10-12-14
終わる恋- はるな自由詩310-12-14
どうぶつくらし- 阿ト理恵自由詩4*10-12-14
インサーター- salco自由詩5*10-12-13
メインディッシュ- 渡 ひろ ...自由詩19*10-12-13
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失くし物- 山中 烏 ...自由詩6*10-12-13
- 遠藤杏自由詩4*10-12-13
言葉の墓標- シホ.N自由詩110-12-12
ヒマワリ病院- たもつ自由詩610-12-12
ノート(47Y.12・12)- 木立 悟自由詩310-12-12
夏の公園- いてゆう自由詩510-12-12
海燕の巣- アラガイ ...自由詩3*10-12-12
ささやかな夢に押しつぶされて- 真島正人自由詩3*10-12-12
絹をなでる- せかいの ...自由詩610-12-12
しっぽのついたいのち- とんぼ自由詩1610-12-12
さようならのうた- 朧月自由詩210-12-11
一番星- アズアミ自由詩3*10-12-11
ブーツ仕分け- たもつ自由詩210-12-11
線路沿いの春の日に- 鵜飼千代 ...自由詩17*10-12-11
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陪席する触媒- 木屋 亞 ...自由詩1*10-12-11
メアド- はだいろ自由詩410-12-11
高浜- せかいの ...自由詩710-12-11
土曜の夜。- ペポパン ...自由詩4*10-12-10
かわりんぼう- ……とあ ...自由詩16*10-12-10

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