朝の近くで
鳥はそうそう、何ごともなかったように
空の下 奏でている
わやくちゃになった己こころ
沈めたいともがきつつ
ただ座っている
朝が近づく
やっと明ける不安からのかいほう ....
混沌とした水が透けるとき
言葉を釣り上げる喜びといったら
あぁ、まだ詩をやめられそうにないよ
吐き出した言葉が
気泡になって
無人のブランコを揺らす
目を瞑ると
魚たちが
瞼を触りにやってくる
部品を捨てながら
自転車は走る
ただ一つの
点になるために ....
55くらいの女の人がかわいくみえるのは
30年前だったらかわいかっただろうという
がんぼうが主成分である気がするが
ひかえめなところがかわいい
私は父親の顔を知らない。
けれど私の顔は、父親にそっくりだと
ある日酷く私を殴った後、母が吐き捨てるように言った。
腫れて赤くなった頬を氷で冷やしながら
私は鏡を覗いていた ....
水たまりの花びら
ひそやかな恋
赤く変わった眼鏡
ときめく胸
桃色のカーテン
優しい笑い顔
焦らせたい、そうして
ずっと濃い色を
濃いあなたを見せてよ
今年はじめて モンシロチョウを見た
まだ畑には雪がかなり積もっていて
道路や地面で アスファルトや地面が
見える所はあるけれど 花は咲いていない
蜜はまだないよ
ひらひらと 春めいた陽射 ....
小さな ゼニゴケが 人気なのだと 言う
ゼニガタでは ございません ことよ
天婦羅の 美味しいお店が
有るんだってサ
ちょっと お高いから
お高く止まった バイトの姉ちゃんが
....
傘が二つ並ぶ
遠く電車の走っていく
鐘の鳴るように何度も息を吐く
夜を追跡する まぶたを閉じる
ライオンが花の匂いを嗅ぐ食べる
美術館で尾形光琳の下絵に出合う ....
どれだけ平坦に
見えるにしたって
そこを行く人しか
見えないでこぼこ
景色に気を捕られ
段差に躓き
段差に気を捕られ
余裕をなくして
何が大切なのか
見失いそうになる
....
寝ない子がくまちゃんを寝かしつけている
みつめる
みつめる
じっとみつめる
そうすると
何かが
語りかけてくる
種を手放したあとの
たんぽぽが
茎に残された
小さな瞳で
私をじっとみつめる
世界には
なんと
....
海岸には 誰もいません
本が落ちていました
文字も絵も無く
ただ幾重にも
波のかたちに濡れていました
銀河は
人々のなかに散ってしまいました
姉は最初からいません ....
貴方は 誰ですか
きのこですか
かのこですか
傘の お化けが 返事する
からん からん
氷なのか 鼻緒の途切れた
ミイちゃんの 下駄なのか
もっと 可愛らしい 言い方 ....
頭にクッションをあてがい
横臥し
正面にある物を見る
それを目星とする
片眼をつむり正面を見る
反対側をつむり正面を見る
ゆっくり何度か交互につむる
(目星は上下に動き
鼻梁に遮 ....
緑しげる季節に
ぼくたちが出会うとき
そこへと水がながれ
そこへと水がたまり
そこから水がぬけた
だからだろうか
白昼よりたしかで
暗闇よりくるし ....
小さな砂漠で少女Bはドメガザウルスに噛
まれ目の前が灰になりました。痛みより暗
くなるのがこわかった。近くの川で魚たち
は少女Bの心をチラチラ見ている。今日は
どこへも帰らない。背骨よりまっす ....
すっきりとしない水色の空
街道を行く車はなかった
きょう退職のひと
日だまり
じっとした桜
電車にゆられて
こんなもんだと
こんなもんだったかなと
すっ ....
フェルマータに見つめられている
壁の奥の壁の壁の壁の壁の壁の壁
泣きたい時は水面に揺られて
私という器に水を張る
たっぷりと注いで染み込ませて
体中が潤い続けるようにする
泣き叫ぶ声が私を呼んだら
ひしゃくで水をすくって
たっぷりと捧げよう ....
入道雲がたかく盛り上がっていた
あの丘の向こうにぼくらの夏がある
縁側にふたりならんでこしかけて西瓜を食べた
僕が種を飛ばすと君はぼくより遠くへとばそうと
おたふくみたいに頬ふくらまし ....
もう なんにちも
雨は降らないし 降りようがない
雨乞いの呪文も
もはや効き目は薄れ
わずかばかりの
水を流して
やり過ごしている
{引用=さかな 苦しいだろう
さかな 底に怯え ....
右足が重いと
おもっていたら
いつのまにか
根が生えていた
しかたがないので
歩きまわる
根をおろさずに
....
便箋を整理していたら人から貰った手紙が幾らか出てきて見覚えのある色彩を携えた紙の様子に何となく懐かしくなっていたのだけども不意に忘れてたポストカードなんかも目端に映ってうっかり息がつまった肺胞がいくら ....
縁側に置かれた
座布団にひなたと
猫のにおいが残っている
どこかで水が流れているのに
影も形も消えてしまったみたいだ
風に運ばれ
気まぐれな ....
月、ズレている
傾いた樹々の
細い幹
ゆがむ葉脈のような枝
ひとすじごとに
白く吹きつけられた静寂
明け方の雪原に
立ち上がる
無言の者達の息吹
堅く締まった雪を貫き
亡霊のように現れる
....
虹色の鱗を降らせるように
両手いっぱいの朝が帰還した
残雪の厚化粧を落とし忘れた山の稜線
ゆたかな崖の丸みを隔てて
磐井の流れが
怒号のように冬の重荷を河口へと吐き出す
薄氷は大地を鮮明に ....
熱をおびたからだが大地にめりこんで、しめった土にすべてつつみこまれたとき胎内とつぶやいた、声にならなかったけれど、それはうつくしいひびきだった。
胎内はわたしのなかにもあるんでしょうか?と受話器のむ ....
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