カーテンの隙間から伸びる
白い光の筋をたどって
窓の外へ出てみたら
青々とした緑の芝生が
朝露に濡れて笑っている
裸足のままでその上を
歩けばきゅっきゅっと足の裏
草の葉と根が撫でて ....
買っとけ
....
くるくるまわる
風ぐるま
くるくるまわる季節の風
目の前にないにしても
鈍くちらちら光る
まわる羽の色
あのやすっぽさに感じいる
匂いたつ沈丁花の
垣根の道を
するする進み
....
何十年も会っていない
友達を まだ友達と
呼んで良いか どうか
分からないけれど
年に一度、その友達と
年賀状を交わしている
お互い会おうと言わず
メールはせず
電話もしない仲なの ....
水面を見上げると
ちいさなおんなの子の顔
こちらの様子が気になってしかたないのか
大きくなったり小さくなったり
*
わたしだけの世界
酒屋さんの軒先に置かれた古い火鉢
....
むかし、「なんきょく」というおおきくて
さむいくにに、ぺんぎんのこどもがすんでいました。
ぺんぎんのこどもは、こおりのうえを、よちよちとあるくのですが、
まわりにいるほかのぺんぎんた ....
たしなめるように
胸に手を当てる
自分の手のひらを感じる
まだ大丈夫です
あなたへそっとつぶやく
だれかががんばるから私もって
それが機動力にならない
そんなお昼前の私はまた
....
だれの心にもあるの?不安が
外ではきらきらと太陽が輝いてる
一瞬忘れたい
なんて思うそれはいけないこと?
桜がまた咲いたよ
花びらは同じじゃないけど
あなたの悲しみ ....
落合選手は、凄い。
原選手の引退試合でしっかりと
糸を引くようなセンター前ヒットを、打った。
(そのバットは刀の光で、瞬いた)
王選手は、凄い。
刀で宙吊りの紙を
切り裂 ....
いつもきらきらしていたくて
ラメをかぶってみました。
目に入って
涙がいっぱいでてきました。
みんなは笑ってた
もっともっと笑ってほしいな
このまま東北の方へいこう ....
蝶の羽根を持つ馬の
たてがみは 毛糸で編まれている
影絵の後ろ 電池の照らす
いななきが 廊下の溝土を蹴る
さなぎに 芽生えてしまった馬は
何もかもが理不尽で
本当の蝶より 大きく美し ....
調子に乗っている女の子に
ゴリラみたいだねといいたい
あと
ねずみみたいだね
といいたい
そのあとドレッシングをあたまからかけて
たべる
海老を
アゲハの幼虫を飼ってたら
蜂が出 ....
あなたが大きくなったなら
楽器のできない私のかわりに
ギターをきかせてちょうだいな
聴きたい歌なら沢山あるけど
あなたの好きな歌でいいよ
あなたと ....
長いうでに春風をからませて
すいすいとあるいていく
かび臭いまちを泳ぐように
恋はもう
ずいぶんまえに終わっているのに
曇天に胸が鳴る
彼がふりむいたら
また恋がはじまってしまう
....
あれはもう 海などではありません
すべてを喪失させる
漆黒の 巨きな悪魔の使い
瓦礫のやまの影に
行き場をうしない
銀鱗をわずかにみせる潮溜まり
確かにあのとき あたしは泳いでい ....
地面が腫れるから
迷子になって
肝心な時に尻込みするから
奇妙な洋服を着ていても
目立てない
いつもの と片手を挙げる
少しだけ非日常の感覚も
見慣れた頃には ....
水に流れない塵が
水のなかから夜を見ている
水と 水ではないものの影
常の渦 常の渦
遅れる光
手になじみ
音の背の丘
曇と息は見つめあう
痛みの矢 ....
ハイネケン飲みながらストライクとばす。
ストライク、ストライク、ストライク、ガーター、ターキー、ターキー、ストライク。
祖母の七回忌の知らせを知って、
自分が引きこもり始めて七年経つ事を ....
どうして涙がでるのだろう
水に戻ると書くように
海から生まれた僕たちの
からだの中の塩分が
外へゆこうとするからなのか
どうして涙がでるのだろう
広い世界のかたすみで
こんな ....
合浦の浜に藤を見に行くのが好きだって
ばあちゃん 僕にお菓子を買ってくれて
二人してバスに揺られて 行ったよね
桜も沢山な公園だけれど
その頃は いつも人が ごったがえしで
僕は ....
合浦の浜さ 藤ば見さ行ぐの好ぎだって
ばっちゃ わーさおがしば買ってけで
二人すてバスさ揺られで 行ったっきゃね
さぐらもてっぺな公園だっばって
そったどぎだば いづも人っこ ごだごだ ....
関東大震災時のデマゴーグから何を学んだか
今はお墨付き精度の数値で風評被害が拡散する
マイクロシーベルト、ベクレルとゆー単位の定義ではなく
習い初めた言葉の音響に不安を投射し踊る羊群
情報化社 ....
その店はあった。
丘の上にポツリと立ち、遠く工場の白い煙がもくもくたなびいている。小さな木製の看板に無造作に書かれた、種屋、の文字、周りはトタン板で覆われ、回りには見たこともない草が生えている。 ....
好きで、よくライブへ行くのだが(インディーズ・ロック・バンドが多く出る)、どうしてもベースに見入ってしまう。ギターやドラムやヴォーカルやキーボードももちろんそれぞれに素晴らしいのだが、ベースの、あ ....
しずかな場所へきた
きりんがいたので声をかけると
一瞥し
首を振り 遠くを見つめ返事はかえってこなかった
遠くに子豚がいたので
声をかけてみると
子豚ではなくきりんが返事をした ....
人の怒り
兎の悲しみ
牛の痛み
マンモスの憂い
ゾウリムシの儚み
蠍の板ばさみ
イソギンチャクの絶望
カワウソの焦燥
蝮の煩悩
ウォンバッ ....
生きる事、それが日々を告白する事ならば
僕は日々を生きている
そう考えていいのですか、先生
あなたの言葉が思い出せないのです
あなたの言葉がわからないのです
先生
あなたは裏切 ....
あの娘は日傘をさして
ビタミン剤が頼りで
シミが増えたなんて
いつもひとりで騒いでいます。
おまじないが大好き
神様は友達で
毒林檎を握りしめて
そっ ....
娘が誕生日にプレゼントをくれた
そういえば
最近娘とは会話もしていなかった
細長い化粧箱
包装紙をやぶいて中を見ると
ドライバーが一本入っていた
私がそれを手にするのを確認する ....
うなぎを食べた
隣のひともうなぎを食べていて
少し泥臭いと呟いていた
このひととうなぎは 少し泥臭い関係なのだと思った
今日はうなぎを食べたし
ま ....
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