これ以上なにを見れば
生きていることになるのか
体じゅうに種を植えた
女が泣きながら踊っている
表現というものの一端に
はじめて気がついたとき
唐突に悟った


あぁ
自分の中は空っぽだ


……良かった


自分という容れ物が
ちゃんとあることに気がついたのだ
借り ....
休日のメガロポリスの朝
天空にぐっとくい込むように
コンクリート製の棘として
何本もの電柱が太陽の眩しさに突き刺さろうかと
悲しく立ち尽くしている
アパートの小さなテレビの天気予報は先月にな ....
アニマとアニムス


男のなかの男(あ)、と、男のなかの女(い)
女のなかの女(い)、と、女のなかの男(あ)
男は(あ)で生きていて、女は(い)でいきている
男のアニマは(い)で女のアニム ....
ドベンチョモスの咲く
スカラヤナの丘を
きみは
マンダハーネンを
ケアナムキダ色に染めて
駆け上がる

「サンタラバー!」
思いっきり叫んだら
きみのハベレンタがフッと
軽くなった ....
きのう眠るときに
神さまわたしはしあわせです
と強く思った
いくども、いくども

今朝起きてまだ
しあわせだ
強く思える、いくども
いくども

からだがくたくたで
いまベッドのな ....
あの紅葉に燃える木の下にいってみよう 
あのみどり深い木の下にいってみよう 
あの石橋の向こうの赤い屋根の家の窓から
ひょいと顔を出して、世界を眺めてみよう  
戻ってきたら、石橋の(絵の中心 ....
「二十世紀」と「ラ・フランス」は 
親しげに肩を並べ 
(互いにちょっとの、すき間を空けて) 
顔も無いのによろこんで、佇んでいる。 

「偶然だねぇ」 
「ふしぎねぇ」 

ほの青さ ....
あたたかく降り積もった雪の下に埋めた
女になってしまう前の、
何でも言葉に出来ていた少女のわたしを

女になるというのは
自分が一番遠い他人のように感じる生き物に
なる事なのだ
女になっ ....
お見合いにチワワ連れてきたのか おそらくは
やわらかな春の香り
おそらくは
かぐわしい早乙女のような
おそらくは
この世に用意された
おびただしい
喜びと悲しみのあわいで
おそらくは
それは
幻の香り

さく ....
夜明け前にはいつも
街路樹が一瞬だけ背伸びをする

夜のうちに出されたゴミ袋は
浅く水たまりに浸かって
少しの間まどろんでいる

生きていた時のこと
本当に言ってほしかったこと
使い ....
1966年 ザ・マッコイズは
アメリカ中西部の街で「Come On, Let's Go」を歌った
飛行機事故で死んだメキシコ系アメリカンのロックン・ローラー
リッチー・ヴァレンスの曲のカヴァ ....
光では消える
だから 灯りを

照らすという意志が欲しい
だから 灯りを

ともすという力が欲しい
だから 灯りを

暗いものが見えるだけでも
心の灯り

たきつけているのは  ....
      カランと氷が泣いたなら
      グラスの水滴なぞります
      なにが足りずに欠けるのか
      なにを足せば満ちるのか
      欠けた夜空の三日月 ....
泣きたい時に 思いっきり泣けたら

どれほど 人は救われるでしょうか

だけども 人は 泣きたい時に泣けずに

ぐっとこらえてしまうのです。



死にたい時に 死ぬことができたな ....
わたしはわたしの中に
夜を溜める
そしてその夜を醸してゆく
深くなるように
やわらかくなるように

わたしはわたしの身体に
花を鳥を
風を月を沁みこませる
わたしの中の夜が
やさし ....
僕は確かに水中から青い空を見ている。
きらきらと輝く太陽がゆらゆらと屈折しながら僕の体をかすめる。
僕は普段と変わらず透明な水の中で呼吸をし、鳥の声を聴いている。
水の中でも大好きな森の息吹 ....
前の家のばあさんが死んでしまった
腰より低く背を曲げた八十いくつのばあさんだ
息子夫婦は遠くに住んで
干からびたみたいな平屋に一人で住んでいたが
隣近所に迷惑のかからないように
死んだら近親 ....
ひかり草がきょうは青紫を纏い
インク花はそれが気に入らないらしく
いつもより繁殖している
間違えるなと言わんばかり

ひかり草は気がついて少しピンク色を帯びた
あくびを一つしたのはそれは
 ....
登った
登ったって言うけどさ
正直
俺たちが運んでる訳じゃん
エベレスト山頂まで
大型荷物の宅配してるって
考えたらさ
誉められるべきは
むしろ俺たちの方じゃないの
って思うのよ
 ....
  すてきな溝があったので
  かたほうの耳をそこにあずける



  夏草は風にこすれ
  虫たちが{ルビ清=さや}かな羽音をたてる
  日の光のなかですべては
  ひとしく ....
辺りは静かで仄暗い
細かな気泡としなやかな水草だけが
照明の光を蓄えて揺れ動く
水槽の中を泳ぐアロワナは
夏の夜行列車に似ている

いつまでも眠れず、読書も捗らなかった
車窓に触れたゆび ....
裏庭にブリキのバケツをひっくり返して、置いておきました。

6月を迎え入れる準備です。

糸雨は
すまして
朝、早く
音もなく
いらっしゃるらしく

そんなおとずれ、ゆるしません。

あしあとをリ ....
はなかざりを編んでみたかった
いまはただ、そう思う
ガラス箱のような草のうえで
僕は声を持たない子ども

冷たい妹の胸に耳を当てて
見上げた空には白い斑が散っている
だれか、あの青いガラ ....
雨ですね
言葉がふえる季節

無口な人の傘が
はっとする色で驚く

傘がそのまま人の
数になり
忘れられるものもまたある

帰る頃には晴れて
笑顔になったり
いっそう激しくなっ ....
手賀沼の畔

今、道の駅があるあたり

河童が一匹人を待つ

臆病河童の三太郎

道祖神の裏に隠れて人を待つ

手賀沼の畔

大きな椨(たぶのき)の影で

臆病河童の三太郎 ....
しずかな つばさの抑揚に
呼吸を あわしながら歩きます
しろさの きわだつ蝶を
追うとき わたしの 肩甲骨も
空を感じてました

「おたんぽぽしてるの
ふうてん とばそ」
 ....
ゆくすえは
どこまで見まもることが
できるのだろう

吃音のことで
それほど悩んでいたなんて
知らなかったけれど
親は子の悩みを
まるごと肩代わりすることはできないし
してあげたいけ ....
零れる光の碧(みどり)の中を
お散歩するわたしは
待っていない



もう、
不安や警戒とは
距離を置いたのだ



「森林浴の効能」なんて詩
書いたっけ

 ....
乾 加津也さんのおすすめリスト(5083)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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果物夫婦- 服部 剛自由詩7*13-6-5
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ひかり草- もっぷ自由詩313-6-1
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