おにぎりを握るてのひらで
詩を書いた
いつか
おにぎりのように
なるように
バレンタインにもらった砂利みたいな
チョコレートうれしくってポケットに
突っ込んだ手で握りしめてもぜんぜん
溶けなくってへんだな一粒口に入れて
みたらこれっぽちも甘くないってやつ
ぼくの片思 ....
あの頃の街は灰色に閉じ込められて
誰もが外に出なかった
紅いダリアが咲いているというのに

入道雲が空を鳴らしていたあの日
浴衣姿で空に消えて往った

ぼくは哀しみを理解できず
た ....
わたしたち、ちいさな山のちいさなおうちで、朝食のお皿を並べて二枚、三枚、並べているうちに足りなくなって、並べても並べても足りなくなって、テーブル継ぎ足しても足りなくて壁つきやぶって外に伸ばして、それで .... 雨が降り始めた
はじめは静かな
そして次第に大げさな音をたてて
雨粒が校庭の砂地へ染み込んでいく
監督がいったん切り上げろと
ベンチ屋根の下で叫んで
みんなで部室棟の張り出した庇の下に駆け ....
明日は嘘しかつかないぞと決めて
枕を抱いた
会社を休んで無人島に行った
波が話しかけてきて椰子の実をくれた
「人と話すのはひさしぶりなんだ」
生まれてから死ぬまでを考えれば
そんな日があっ ....
おとなになれなかったこどもは
おとなロボットに乗った
大きくて頑丈 パワーがあって
こどもには持てない武器をたくさん搭載していた
こうしておとなロボットは戦場へ出て行った
いったい誰がおとな ....
母乳ぴんく 南猫町駅前シャッター通りの裏道の角の隅にこじんまりと建つその名も高き「かねこでんき店」。
店主の金子タマ丸氏は電気起こしの達人猫でその燃料は「快感」。
タマ丸発電システムは消費者がタマ丸店主の ....
雨上がりのそら
草原に敷かれた鉄路
長大な貨車を曳く機関車が
ゆっくりと風景をよこぎってゆく

産業革命をささえた心臓が
風景のなかで鼓動している

そんないまではめったに在り得ないシ ....
さかなの匂うまちから 黒い袋を抱えて
私は電車の座席にすわっている
黒い袋をおさえて
乗客の視線が私の膝の上に集まっている
おさえても おさえても 黒いゴミ袋が飛び跳ねるのだ
まだ生きている ....
               150524

過去問はすべて解くこと
それが常識
それがここに居られる最低条件です
過去問が解けないようでは、これから先に進めるわけはないでしょう
そんなこ ....
かなしみにあいにいこう
イドを掘って地下の水脈から
どこにもない抽象的なものに


‡音の出ない笛
書けない手紙
飛べないロケット


固定化された夏の行事と
 ....
連日深夜まで残業して、さらには上司からの叱責などのストレスにさらされて、私は発すべき声も思考すべき言葉も抜き取られてしまった。朝目覚めて外が明るくなっても、いつの間にか孕んでしまった暗黒に .... 「冷えていく鉄」


鉄だとわかっている
何度目かの純情だから
素直に信じる
うん、わかっている
その熱では溶けてしまう事もない
背中が曲がる前の、愛しているは、信じない
少女の ....
ついに鳴らされた音のために
ついに発せられなかった言葉を思うとき
街は 列車は 夕陽は 失われる

冷たい深海魚の 冷たい尾鰭
夏の日に 生き物ははかない光だ
溶けずに残っている便箋
病 ....
 「道を渡って、手を振る」

 骨のコツコツ鳴ります
 糸の編むように眠ります
 サバ缶とサケ缶の区別はつきます
 お尻から椅子に座ります
 迷路の続きにまた迷います


 ....
長い休暇から
雨降りが逃げ出した
もうずっと帰ってこない
雨降りの日

彼女は滞りなく職務をこなした。書類は1ミリのずれもなく積み上げられ、文字たちはとても居心地良さそうに見えた。雨が降る日 ....
足の裏をみたら無愛想だった
私自身あまり話しかけたこともない
思ったより冷たいやつだとおもった
彼もまた

固くて冷たい彼に触れるうち
いろんなものを踏みつけてきた昨日をおもった

ど ....
 
赤い糸

ほっとくとだんだん透きとおって見えんようになります

そやからときどき紅を差します



 
いつだってシーラカンスのきぐるみ着てる彼は、今ごろの時期からは汗だくであっちこっちあせもをつくるんだ。天花粉をはたいてはみるのだけれど、シーラカンスのなかがいいにおいになるだけなんだって。

私な ....
口を開けばこの世におわかれ
結局その理由がわからなかった
全て終わってしまった衛星都市で
いくつものぬけがらだけが
からからと丁寧に掃除されている
野良猫たちはそれでも
誰かに ....
ながれる息はチューブを駆け巡る

空が季節の階下を滑り墜ちる度に

遠く、
、近く、
と、眼窩をさまよう信号の波

放物線と消えた夜の足音

ひそやかな星の輝き

死なせて ....
つるーっと
玄関から入ってきた
ひとつのボール

丸いな
手にとるわたし
明日は晴れるのかな
お母さん

きっと晴れね
これ水色だもの
受けとるお母さん
夕ご飯は何 ....
 
「山林へ」
いつものように山仕事の準備をし山に入る
ふしだらに刈られた草が山道に寝そべり
そこをあわてて蟷螂がのそのそと逃げてゆく
鎌があるからすばしこくない蟷螂は
俺たちと同じだ
 ....
発する柔らかな音のかたちが
まだ定まらないころ
神経衰弱でトランプを捲るように
何度も見て触れて味わって
モノとなまえが一致して行く
意味を纏うのはまだ先のこと
ちいさな器は無限に広く深く ....
都心を射ぬく沈黙のバスを執拗に尾行する
半分にすり減った横顔のまま

ビルの狭間にこうこうと深く冴え渡る闇の遠くで
連動する疲弊の連鎖に眉を震わせ

容赦なく目に斬り付ける
横殴りの光の ....
漢字の書き取りをしながら息子が大粒のなみだをぽろぽろとこぼしている
耳という字を書いていた
どうしたんだ?と聞いたが俺には言わないらしい
その後スマブラをしたんだけど俺の勝ちがちょっと続いたら
 ....
起きた時喪失を感じる。夢を遡り昨日を遡り、どんどん過去へと逃げていく私の心の半分。私は朝起きるたび心が半分になる。そして、過去へと遡って行った心は決して帰ってこず、その代わり消え去った思い ....  ポケットは好きだ。
 もし、この世界からポケットがなくなったら、ぼくはきっと、お猿さんになっちゃうだろう。いちばん好きなポケットはダウンジャケットなんかについてる、ハンドウォームポケットっていうや ....
乾 加津也さんのおすすめリスト(5083)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いのり- フユナ自由詩16*15-6-13
石ころを、たべる/即興ゴルコンダ(仮)投稿.45- こうだた ...自由詩6*15-6-12
空鳴り- レタス自由詩2*15-6-12
黒い山- 片野晃司自由詩11*15-6-11
- 青井自由詩215-6-11
whatever- mizunomadoka自由詩715-6-3
おとなロボット- ただのみ ...自由詩23*15-5-30
母乳ぴんく- 北大路京 ...自由詩115-5-29
NEKOTALGIA・Ⅶ_<かねこでんき店>- 南無一自由詩115-5-27
ロコモティブ- 梅昆布茶自由詩1215-5-27
黒い袋- 島中 充自由詩5*15-5-26
ポスト/ドラマがはじまる前に- あおば自由詩9*15-5-25
あいにいこう- 佐藤伊織自由詩515-5-23
倫理- 葉leaf自由詩115-5-23
「冷えていく鉄」他6作- クローバ ...自由詩7*15-5-20
硝子の質量- 伊藤 大 ...自由詩415-5-20
花の殻_湧く、次々と- ヨルノテ ...自由詩4*15-5-16
Amefuri- Debby自由詩415-5-14
足の裏側- 朧月自由詩615-5-11
- 殿上 童自由詩21*15-5-11
くるまる/即興ゴルコンダ(仮)投票対象外.35- こうだた ...自由詩4*15-5-10
ホログラム- 春水八郎自由詩5*15-5-10
使徒- アラガイ ...自由詩11*15-5-10
段差のない家- かんな自由詩11*15-5-10
山林の詩- 山人自由詩7*15-5-9
愚愛の詩- ただのみ ...自由詩17*15-5-8
白い月- Lucy自由詩12*15-5-1
死にたいと言うな_助けてといえ- 馬野ミキ自由詩27+15-2-18
起きたとき- 葉leaf自由詩715-2-17
ポケットのひと- たま散文(批評 ...16*15-2-16

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