私は紙で
薄っぺらな紙で
じょうずじゃない半分にたたんでいます
広げたら戻れない
そんな心配ばかり
ぺららぺらら
羽ばたきたくて
なんにも書いてないって
みんないうけど
....
雨降り、水かさが増し
がらっぱどんは山々へ
今は雨降りの前の時間
落ちてくれば雨降りの時間
霧島から太陽がのぞくころ
がらっぱどんは休みます
今はまだ雨降りの時間
これが止め ....
僕の頭の上では
さやさやと木々のささやく声
風はやさしく髪を撫でて行き
時折聞こえる鳥のさえずりに
僕の夢は{ルビ現=うつつ}をさまよう
僕はいつもここで夢を見ている
心地良い木の肌の ....
鯉のぼりが
羨ましかった
『鯉のぼり』
我が家には
江戸時代から受け継ぐ
鯉のぼりがあった
もう骨董ものの古さなので
額に入れて飾るだけで
実際に吊るしたりはし ....
はいよー!シルバー!
ローン・レンジャー!
いつも兄のおさがりの
少し大きな上着を着せられていた
洟を拭ってペカペカした袖の先に
確かに有ったアレは、何だったのだろう
家の手伝 ....
わたしは森の中にいるようだ
ときには幹の表皮をかけあがり
ときには維管束の中をかけめぐり
ときには分解者として仕事をこなし
ときには苔の羽毛に正体をなくし
ときには朝露のひとたまにな ....
{引用=
エニー・エンター・キー ver. 1
}
ヤン(yan)とレトネ(retne)の、鍵(key)にまつわる話
ヤンが朝起きると虫になっていなかった
のでごく普通の朝であった
レ ....
裏山で雪に潰され 折れた枝を集める
曲がった杉の木に足をかけて
土と雪を這い上がり 山道に出ようとすると
蝉の抜け殻が
木の根元 小枝にまじってあった
雪溶け水の下る
山道 ....
1.詩人
一人の詩人は
自らの詩をオルゴールに閉まった
そして時々、宝石が
散りばめられた蓋を開ける
身分証明が必要なときや
金に困ったとき
....
オオルリが鳴く
川のほとりに立つ
高い高い木の頂きで
空よりも
水よりも
深く青く清澄なる色から出る音色に
森が統一されてゆく
黙秘権、
の
外側に
行ってしまうのですか、
*
孤独死を待つ白兎の、
瞳は紅い。
いつも
公用語は行方不明だから
えぐらない手つきで
水をかけあって、 ....
神様の手のひらから粉のような星が
銀紙のような雪が
娘たちのまぶたにふりかかって
あたたかい子宮に
世界中の悲しみが戻っていく
なにもこわいことはない
宇宙の奥の奥のような
青いドレスが ....
あと九作品だ、が目の前を通過する。
あと九作品なんだよ、よ。到達まで。
今まで侮っていた。
こんなに長い道のりだったなんて、思わなかった。
この前初めて気付いて
やっちまったなー。
後悔し ....
夜、起きて台所に行く
冷蔵庫を開ける
豆腐が二丁入っている
皿に豆腐をのせる
豆腐を握りつぶす
二丁ともつぶす
皿も豆腐も白いのに
皿を握りつぶすことはない
世の中の仕 ....
怜悧な感覚を研ぎ澄まして
詩人は眠れない夜明けに言葉を紡ぐ
天球と地球と一直線に繋がろうと
懸命に哀れにもがく
その姿は滑稽でもある
天恵はやがてもたらされるのだろうか
詩人はその答えを知 ....
暗く無残なブルースが、俺の身体を駆け巡る、暗くてむごくて無残なブルース、そいつが俺を作ってる
明るい言葉は、嘘にしか思えない、優しい言葉は、策略にしか見えない、ひときわ笑顔で近づいてくるやつは
....
....
すやすや眠れる布団の上
僕等には無い
王様には有る
僕等には無い
王様には有る
それが嫌なら墓を掘れ
そこなら寝ても狭くない
王様は暖かい布団の上で書く
核と戯れ王様は書く ....
仕事帰りに街を歩けば
赤い灯青い灯夕闇を照らす。
裏通り馴染みの
一杯飲み屋に
そこに
今日を捨てに行く。
そこでぼくは
ひたすら喋りながら
呑み続ける。そしたら
なんだか偉 ....
わたしたちはつながってるようでつながっていません
どこにでもつながっているようで
じつはつながってなんかいません
どこまでもつながっていない
1回まじわっただけじゃ
2回まじわった ....
ヘビが嫌いよ ニョロニョロするから
花が咲いたら祈ろかな
梯子が燃えます 2分の一のあみだくじで
サッカーの脚が蹴りマス パスと芝フと四角いボール
....
星をみようかと夜半そとにつっかけて出てみれば
降りそそいでいたのであった
降るような、とはよくいうが実際
音をたててばらばらと降るのがこんぺいとうのようだと
妙に冷静に思いながら
....
あまつぶ音のぽつぽつと頬にあたってくだけ流れるので、となりの人はそれを涙だと勘違いしてたいそう驚いている、驟雨がいっときたたきつけて去っていくと、雲の端は信じられないほどに光にあふれている、わ ....
きみが
きみのりんじんに
つくして
うらぎられたのだとしたら
いまいじょうに
つくすべきでしょう
りんじんが
じぶんになるくらい
はるのそらが
はるのそら ....
適材適所のフィット感に 私が感じているのはいったい何だろう。
比べたことはないんだけど
ぶつかるたびに動揺が1つは確実にあって それを振り切るのに半日以上かかる。
世界が幅を狭めてくる ....
ゼリーでできた椅子に座る
蟻がたかる
僕はゼリーではないのに
椅子に座っているだけなのに
娘が小走りでやってくる
お薬、買って来たよ
笑いながら黄色い水薬が入った容器を見せ ....
日本人少女にローマ法王回答
伊のテレビ番組で
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011042201001192.html
【ローマ共同】
ローマ法王ベネデ ....
樹が樹である理由のひとつ
遠のけば近づく光のひとつ
空の切れ端
うなじになびき
夜と鈴しか通らぬ道に
いつのまにかできた水たまりには
ずっと雨しか映らない
雨では ....
{引用=
きみのその
そこはかとないさみしさを湛えた眼の奥の
ひとつの清澄な翳に交わろうとして失敗を繰り返すたび
嗚呼そんな、
そんな姿でよくここまで生きて出会ったねと
喉元を締め上げる想 ....
今日も誰もいない浜辺で
自分自身などなくしているようだった
私は 立ちつくしていた
季節の中で 藍色だった
人の心をいつも歩いていく
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