濡れそぼつ紫陽花を
傘の中から覗いたわたし

やがて
雨が上がれば
水滴さえも花にして
紫陽花は凛と
咲くのだろう

濡れることを厭うわたしは
濡れる役目を傘に負わせて
 ....
「苺いちえ」と書かれたレシートの裏側へ戻る 私の絶望は何かの病巣のようであって、その病巣はたえず再生産しながら増え続けている。確かに若い頃、万策に窮して絶望の源の方まで落ちていったことはたびたびあった。だが私は結局絶望を燃やし切るこ .... インク花の囁きのさやかなるここは
六月の雨の庭
アジサイの清楚に花盗人の恋をする
いのちの謳歌の聴こえる
ほら、あちらではカエルも
カタツムリもそれぞれに
恋をしている

乙女もわざと ....
閉じかけた目をもう一度開いて
あなたの世界にあるものをもう一度見つめて
彼らはあまり音をたてないように
あなたがきちんと目覚めるのをずっと待っている


テーブルに ....
私達は皆疲れている
日本人のサトウが言った
何故疲れているのか
訊ねたら
疲れていないと
生きた心地がしないからと答えた

そんなことでは
生きた心地がする前に
死んでしまいますよ、 ....
ピーマンだった朝
ごぼうと言われた昨日の昼
もやしっ子と中学時代揶揄され
これまで
土の匂いが抜けたことは一度もない
ハウスに移り住んだのは妹と義理の弟
僕は小さな畑の端っこで
売り ....
ごく普通のおばさんです

暮らしぶりは平凡ですが
お小遣いを稼ぐために
少々 仕事もやっておりまして
それを理由に家事は手抜している
ズボラな主婦でございます

趣味はスーパー銭湯とグ ....
わたしは冗談を述べるつもりなどサラサラない。現代詩を文字表記で捉えるときに念頭に置かなければならないことがある。
それは生の血を重油に入れ換えるかの如くに機体であらねばならないと云うことだ。  ....
鉄塔を仰ぎ見る

CO2を排出せず、地球に負担をかけない発電方法で有り

並んだ
鉄塔に
回らない
羽が
錆びた
音を立てて
軋んでいる
誰も居ない
海岸沿いの
道路には
 ....
ギリシャで
注意しなければならない選手を
挙げてもらえますか

そうですね
やはりFWの
スペルタレスペテロパパドレトドモスでしょうか
裏への抜け出しが速いですからね

そのスペルタ ....
思い出している きみの髪 指先
朝のカーテン越しに見えた マロニエの花が
あたしには似合わない と笑った
「シーツを巻いとけばいいよ」 と言った


ピアノを弾き始めたら
あたしは  ....
わずかばかりの乗客を乗せた
昼下がりの鈍行列車の
窓を少しだけ開いてみると
六月の薫風がそっと忍びこんできて
僕の睫毛を醒ますのだった


この車両は最後尾なので
終着駅に到着する
 ....
根を断ち切ろうとしたから
枯死しかけたのだ
根は父からの愛

古い蔓を伐ったから
新芽は萎れたのだ
古い蔓は母からの愛

依存することを嫌い
愛されることを拒んで

君は自分にな ....
僕の文法のSは君と僕
Vは生きることだ
訳もわからずOをもとめてさまよう
たまさか生まれる言葉でCを綴る

規則正しいものに反感を持ち
疑うことの正当性をつかもうとして
いつのまにか自分 ....
まるくなった猫の眼 チャイナドレスの黒い髪
いつものことのように 振舞う
カフェは満員だったけど 手を上げると
席を作ってくれる シェルブールから来たギャルソン


もう 彼の故郷に行 ....
ある日おふれがあって
自分を優しいと思うものは右に
そうでないものは左に並びなさい

そしたらどうする
あなたは右に並ぶのか
はたまた左に並ぶのか

どうする?

ある日
大きな ....
コンビニ弁当がなかった時代
単身赴任が成り立っていたのか
恐らく成り立っていなかっただろう

でも団塊の世代は嫌いなので
大変だったとしたって
ザマアミロとしか思わない

今は毎日コン ....
病室の窓を開けると

干し草の香り


夏休みの匂いがする

と女房は言った。
「はっきりした病気でよかったわ」
すでにベッドに張り付いてしまった彼は言った

顔のつやも申し分なく
話すことも、普段どおり
少し皮肉っぽい物言いも

ことさら普通にしようとしている
 ....
裏側 裏側
なんの裏側
本の裏側 さしすせそ

咲いた咲かない あたしの才能
尻拭いばかりさせられる
水族館に住んでいた
セイウチみたいになりたいな あら
外はすっかり雨もよい

 ....
わたしにも速度がある
誰にでもあるというからには
あるに違いない


とても遅い


祖母たちの
三度目の転生にすら
追い抜かれる


巨樹のさかえた森の
最後のらく葉 ....
陰惨 画賛
インクが黒く死に重視
印紙が白く二重に
死は三重に、苦は七重に
午後に10号発破 六時 勇姿
破竹、死地中に獅子獣 666 三重6
産後、重合 肉汁は血
死後に銃

クク ....
潤んだ空に買わされた傘が幸せ願っている 我々は新しい太陽を目指す









おれらは新しい太陽を ....
今年友達になった人が
フウセン蔓の種をくれた
うちの庭に咲いたの
私が種を採ったのだから
春になったら撒いてねと言った

フウセン蔓の花というものを
私は見たことが無い
二十年も前に
 ....
四角い瞳に映る 蛍の軌跡
沈潜した草の匂いに 雨の気配
黄緑の曲線が 野放図に交差する
笹の陰の暗闇で 羊は見ている

静かな黄泉の国で 横たわっているような
喧しい牧羊犬も ここには ....
タバコの箱くらいのおおきさの
チョコレートの箱に
金魚の絵が描いてあって
その金魚は箱をぱしぱしとたたくと
絵のなかの水のなかで
ぱしゃぱしゃと跳ねるのです

面白がってぱしぱしぱしと
 ....
土を穿つ夜の影
かたちにかたちを閉ざす影
底の見えない
水のような影


径をふちどる暗い静脈
聞こえないものを包みながら
風から風を奪いながら
ゆらゆらとゆらゆ ....
最近私は夜毎

生の人参一本齧っている

皮を剥いて縦に七等分ぐらいに切って

何もつけずに無心に齧り咀嚼する

生ゴミのような味のときも

柿のような淡い甘みのときも

ジガ ....
乾 加津也さんのおすすめリスト(5083)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
紫陽花- 千波 一 ...自由詩1114-6-29
「苺いちえ」と書かれたレシートの裏側へ戻る- 北大路京 ...自由詩714-6-29
燃焼- 葉leaf自由詩414-6-29
六月の埋葬- もっぷ自由詩5+14-6-27
濡れることも出来ない夏なんて- ホロウ・ ...自由詩5*14-6-27
カルロス・ドス・メデス「チャベス兄弟」- 花形新次自由詩314-6-25
野菜生活- 乱太郎自由詩23*14-6-25
【_おばさんの呟き_】- 泡沫恋歌自由詩14*14-6-24
現代詩概論_その壱- アラガイ ...自由詩5*14-6-24
代替えれじい- ねなぎ自由詩214-6-23
ギリシャ戦を前に- 花形新次自由詩114-6-16
朝のソネット- 藤原絵理 ...自由詩3*14-6-15
車窓- 八布自由詩1114-6-15
クレマチス- Lucy自由詩1814-6-14
文法1- 梅昆布茶自由詩1114-6-14
ノクチュルヌ- 藤原絵理 ...自由詩7*14-6-12
_ある日- アンドリ ...自由詩314-6-11
村上れんじ「コンビニ弁当」- 花形新次自由詩314-6-11
朝の病院- ……とあ ...自由詩11*14-6-10
見舞い- 山部 佳自由詩314-6-9
欲しいと言えなかったもの- こうだた ...自由詩8*14-6-8
菌類の先端- 遙洋自由詩6*14-6-7
いんいちがいち_いんにがに- 中村 く ...自由詩5*14-6-7
潤んだ空に買わされた傘が幸せ願っている- 北大路京 ...自由詩414-6-6
まるでギャグだ- TAT自由詩214-6-3
ふうせんかずら- Lucy自由詩20*14-6-1
アリエス- 藤原絵理 ...自由詩814-5-31
うたかた- 砦希自由詩13*14-5-30
ふたつ_めぐる_Ⅱ- 木立 悟自由詩414-5-28
人参健康法- 灰泥軽茶自由詩1314-5-28

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