なぐさめが
嘘だと知っていた
けれど
この世の中に
ほんとのことなど
在るのだろうか

わたしの躰に産みつけられ
冬を越した
薄黄色い{ルビ卵=カプセル}が
もうすぐ
孵化を始め ....
忘れ去ることは出来ない
うしなって
刻みこまれた
命を
そよぐ草の青さ
宙へすいこまれる

むこうで
平原が
かたむいている
ひっそりと
ふってくる雪の音
つらぬいてゆく
道 ....
身に ヨモギ葉の衣をまとうには まだ早く
春の香り浅い 籠のもち草

幼心よみがえる野に独り

春摘み草の思い出は家族の笑顔 母の味





くちびるの温もり感じるほどに引 ....
ひつじが
にくになって
スーパーで
うられていて
これは
きっと
生前は
毛が
はえていて
メリノ種
みずいろのみずたまりに
みずいろのちきゅうがうつっている
ひかりとやみがまじわって
しずくがひとつおちていく
いきることが
こんなにもむずかしいとは
つゆとおもいもしなかった
かなしみひ ....
でもよ
でもよ
いつもの店で
でもよが口癖のおじさんが また
でもよ とつぶやく
おじさんの
でもよ は
たまに逆接で
ほとんどが順接だ
あることを言うために
ほんの少しのためらい ....
冷たい雨に
凍えているシクラメンよ
東京の夕闇のなか
冬はまだここにいますか

今、暖かなる者の待つ家に
一心に帰りゆく君よ
今宵もまだなお
寒い都会の夜を
行かねばならぬ君よ
た ....
何もないところから生まれて
ふりそそぐ雪片
その結晶の
ひとつひとつを確かめたい
純粋で
静かな構成に
私は憧れる

かつて卵だったころ
なにも知らなかった
幸せも、不幸も
ただ ....
雨で濡れた制服を物干しにかけると
お気に入りのセーターと
向かい合ってゆらゆらとダンスを踊った

優しい雨のなか
口ずさんだのはジーン・ケリーの“雨に唄えば”

これは何処からきた雨 ....
羊に睡眠薬飲ませている 二重の夜が終わり はじまり
縦の星雲と重なるとき
呑みこまれる花 新たに低く
咲きうつる花


山から流れつく闇が
丘を切り取り 脈打たせてゆく
種を土に刺す月の指 ....
国道四号に抜ける
夕暮れの千住の小道に
スタンドバーの看板の
男の顔の上半分が赤くなる

大人になればこの店で
夜を過ごせるのか
まだ小学生のぼくは
家に帰るしかない

日の光が消 ....
冷たい水で髪を洗う
まだ群青に満ちてる部屋の
片隅で猫を抱く
爪をそろそろ切ってやらなくちゃ
金色の目が私を見返す
あなたはあたたかいね
雪解けの匂いがする
小さく鳴いて
するりと闇に ....
ピアノでショパン弾いていたおねーさんがわって立ち上がったあと防音壁にへばりついて穴だらけの壁肌を撫ぜながら急に使命感に打たれたようにあー埋めなきゃ埋めなきゃこれ埋めなきゃーって言い出したとき


 ....
蛙の世界の王様は、大きな大きなガマガエルです
沼の淵の一番高い岩の上を玉座にして、毎日世界を見下ろしています。その視線は、つねに安定したさざ波に注がれました。
若々しい雨蛙は王国の奴隷です
王様 ....
草を踏む
表紙をひらく
頁をめくる

一行目に木洩れ日
天使が羽を
休めている

睫毛が落ちる
ふっ、と息を
ふきかける

濡れたたてがみ
あたたかい
蹄の音
まだ、息は ....
あのね って 声が 響いた
振り向いたら 誰も 居ない

ここまでは 良く有る話
ここからが 良く効く話

だけど 良く聴ける話では無いの

耳を 欹てても
そこいらじゅう 凝視して ....
私の亡骸は
私にとってさえ
特別なものではないから
海に捨ててくれなんて
言ったって
しょうがない

今のうちに
自分の皮膚に
触れておきたいと思っても
私には安っぽい
付属物が ....
感謝を深く吸い込んで裸足 海とよく似た青いパンプスが欲しい
女の子は 愛に生き 愚痴を喰らう

すこし綺麗でいたいと思う
化粧をおぼえて 誘うことをおぼえる
何処で習ったのかは 自分にもわからない

遺伝子のなか ....
      賽の目に
      切りながら
      豆腐一丁ぶんの
      愛がほしいと
      てのひらで
      哀しみが
      揺れる夜

 ....
銀色の矢が空から墜ちて来るそんな夜

僕は系統樹のほとりに佇んで生命の音を聴いていた

風がちいさく闇を巻き込んで通り過ぎていった

ときはすでに多くを語らず寄り添っているような気がした
 ....
備え付けの
グレイのロッカーの扉を開けると
中に針金のハンガーが二本
ぶらさがっていた

わたしの前に
入院していた人が
使って残しておいたものだろうか

ただ一本の針金からできてい ....
その日
私は独り鉄棒に腰掛けて
夕日を眺めていたいだけだった

鍵を掛けて体の奥に仕舞っていたはずの
シキュウという箱の中に
エイリアンの胎児が
突如侵入してきたみたいで
ただ不快で気 ....
凍てついた北風に
千切れそうな私の耳が
ちぢこまって 蝸牛

冬枯れた街には
緑も少なく 小鳥もいない
鉛のような 空が重たい

春がこないかなあ……

声に出したら
一歩だけ  ....
あなたのストーカーのストーカーになります 言葉は
意識にあやつられるのではなく
無意識のなかに生きていた。

わたしがわたしそのものである
…とはいえない。

わたしは、エンピツではなく
たばこではなく
雪ではなく
 ....
青い空

風すぎる
小さな水の星の
覚める
さようなら
いつの日か
あの日のことを
思い出す
その時そこに
 わたしはいない
月夜ひんやり
みなもに映る
 ....
うたの放課後にボクたちは
コートを脱いで話しかけよう
水色の液体の中にゆっくり広がる魔法の声で
あの頃生まれたボクたちの右手の指は透きとおっていた

テーブルの上に並んでいる白い皿にもりつけ ....
雨が降っていると

みんなは傘を差した

だからって、雨は傘を憎んだりはしない

雨はただ、降っているだけ



忙しいサラリーマンはタクシーを降りると

天を見て ....
乾 加津也さんのおすすめリスト(5083)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
宴_/__春の祝福- そらの珊 ...自由詩19*13-2-18
- こしごえ自由詩8*13-2-17
早春- ぎへいじ自由詩9*13-2-17
メリノ種- 6自由詩413-2-16
みずうみ- within自由詩7*13-2-16
でもよ- 三田九郎自由詩6*13-2-16
早春- 月形半分 ...自由詩513-2-16
雪片- 佐野権太自由詩11*13-2-16
優しい雨- 川上凌自由詩17*13-2-16
羊に睡眠薬飲ませている- 北大路京 ...自由詩5*13-2-15
応え_まばたき(棘_羽_花)- 木立 悟自由詩313-2-15
夕暮れの影- 殿岡秀秋自由詩613-2-15
箱庭- Mélodie自由詩513-2-15
或いはぬるい祝福を送るくらいしかできない- 一尾自由詩513-2-15
王様- 月形半分 ...自由詩413-2-15
森を読む人- sample自由詩413-2-15
その声は_かぁ- 藤鈴呼自由詩3*13-2-14
乳首がキューン- 花形新次自由詩713-2-14
感謝を深く吸い込んで裸足- 北大路京 ...自由詩413-2-13
女の子- 川上凌自由詩9*13-2-13
賽の目- 石田とわ自由詩18*13-2-11
親父の暇つぶし- 梅昆布茶自由詩1613-2-8
針金ハンガー- そらの珊 ...自由詩23*13-2-7
その日- 夏美かを ...自由詩29*13-2-7
【_冬の吐息_】- 泡沫恋歌自由詩20*13-2-5
あなたのストーカーのストーカーになります- 北大路京 ...自由詩313-2-4
崩壊としゃぼん玉- シホ.N自由詩413-2-4
青い空- こしごえ自由詩5*13-2-4
うたの放課後- 玉木空覚自由詩213-2-4
2013年の雨- yamadahifumi自由詩313-2-4

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170