海燕の巣
アラガイs


ねぇ
あの島の海燕の卵を捕りにゆくから銃を貸してよ
登れない/切り立った崖の/そのまた崖の窪みに巣はあるから
自動小銃で煩い親鳥を乱射してやるの
海燕の卵なんて食べたことないんだから
こんなちっぽけな世界を征服してみたいんだから

だって この島のポリ公鳥なんて 一人に十匹もたかって
自動小銃一丁にピストル二丁もあれば 乗っ取れてしまうわ
一網打尽の快感 。
『撃つ気にさえなれば その気にさえなれば 』
この島は我がモノよ 。

ねぇ 天高く聳え立つ聖霊/あの危険な崖の斜面に居座る / 海燕の卵をお祖父ちゃんに食べさせてやりたいから
銃を 貸してよ 。
一度でもあなたのその銃で/ 捕って食べてみたいとは思わないのかしら 。








自由詩 海燕の巣 Copyright アラガイs 2010-12-12 17:47:29
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