君は踊る
薔薇を 菫を 雛菊を踊る
揚羽蝶を踊る
木洩れ日を 気ままな風を踊る

君は踊る
虹を 青ざめた夜明けを 葡萄色の黄昏を踊る
波を 湧きあがる雲を 嵐を踊る

君は踊る
 ....
背を向けて眠る
あなたのかたちを
なぞるかたちで
空洞が訪れ
わたしのかわりに
あなたを奪っていく

シーツの重みを
じっ
とみていると
だんだんと
時間が失われていくのがわ ....
 
 
明方の台所で
豆腐がひとり
脱皮をしていた
家の者を起こさなように
静かに皮を脱いでいた

すべてを終えると
皮を丁寧に畳み
生ごみのところに捨て
冷蔵庫に入った

 ....
  ねえ
  これが、
  産まれたての時間。
  そう言いながら少女が
  綿飴をひとつ、ぼくにくれた



  まぶしい屋台の{ルビ犇=ひし}めき合う
  貧しげな七月の ....
こどもがうまれて
なまえをつけて
カンブレジ

えらくするため
かわったなまえを
つける

めだま
まぐろの
DHA
はいっているから
たべさせて
あたまが
よくなって
 ....
  雨に濡れたアスファルトに
 
  並木のみどりが映っている

  言葉に餓えた人たちが
 
  傘に隠れて哭いている

  雨は涙に良く似ている
 
  昼は処刑台に良く似てい ....
さわれないことば
冷えてゆくかけがえのなさ
いつもとぎれてしまうモチーフ

あたたかいスープもないテーブルでは
君の影がゆらめいてみえる

ほんとうは君の髪にふれていたかった
ゆびがい ....
夜更けに植物たちの呼気が肺胞を満たし
ぼくはしずしずと座席におぼれていく
鶏頭の形をした虫みたいな小さな生き物が
呟きのように車内灯に集まり始めている

窓の外では乗り遅れた人が持て余し ....
死んだら尼信の本店の普通の9155473に











六十三万入ってるから















 ....
母の日がすぎて
枯れるしかないカーネーションが
花屋の奥に隠れている

ありがとう も
ないよ ね 
今さら

なんでもない日に
ぼさっと訪れて叱られようか
母にとっての子供でいた ....
隣室から響くオルガンの音で目が醒めた
そこには何もない
ただ 君と過ごした時間の跡形だけを そのままにしてるだけなのに
やっぱりオルガンが鳴っている

ノックをしたら 音楽は止むだろう

 ....
 齟齬の由来

影はいつも
動く舗道の上
坂もスルスル
ずるいね
こっちは歩いているのに
考える人はこっちなのに
のっぺらぼうの頭の方が
よっぽど考え深げ
憂わしげだ
「そうね。 ....
       夜更けに降った雨はあがった
       そらはどこまでも透き通り
       青く高くひかりに満ちる
       さぁ腕まくりして窓ふきをしよう
       透き通るほど ....
町では桜も散り 山すその我が家までの
道沿いに見える畑には 林檎や梨の花が咲き
雪溶けの遅かったこの地にも 緑の季節が流れ始めた

除雪機で雪をとばし なんとか建てたビニールハウスでも
稲の ....
そしてまた梨の花が咲いた
記憶の裏窓に
梨の花が咲いたのだ

少年の横貌を
咽喉の線を
正しく記述する春の香気

    咲いたよ 微笑む
    咲いたよ はにかむ

その指が ....
身体中に流れるコールタールが心臓を突き破った

屋上から見上げた空には自由の文字が浮かんでた

地に着いた両足は腐り始めてる

優しい人達の笑い声は遠く

涙だけ詰まったボトルが転がっ ....
根付いたまま、窓硝子の曇りでわかる
明日はきっと爽やかな風が吹くでしょう
…おかあさん…と呼べなくなってしまうおふくろ
自分を愛することを捨てた 。
あなたの背中を拒否するように
 ....
私がクリームを塗るあいだ
兄たちは指さして嘲笑っている

私がクリームを塗るあいだ
妹たちは人形を投げ合って騒いでいた

私がクリームを塗るあいだ
彼氏たちはクイーンのベッドでTVを観て ....
 
 
ぼくが逆立ちをする
父が支える

あれから数十年が経ち
今度は父が逆立ちをして
ぼくが支える番になった

それなのに
父はベッドに寝たまま
起きてこない
 
 
母のおむつと尿漏れパッドを買う
要介護度3でデイサービスと訪問介護で
助けてもらっている

食べ物にたいする執着がつよくなっているようだ
それが生きるということなのかもしれない

子供た ....
飲み会に
よばれなかった
なかまはずれ
だから
これから
みんなを
不快な
気持ちに
するために
いきていかないと
いけないから
うめあわせのために
あなたの骨というものは、果たしてあなたそのものなのでしょうか。
それとも、それはただあなたを指し示していたに過ぎなかったのか。
あなたの肉はひどくあなたに似ていたが、どうもあなたではなかったようで ....
月や星が必死に輝いているのを初めて知った

駅から出ると月が雲を照らし星が輝いていた

タクシーで久しぶりに家に戻ると泥のように眠った

夢の中でもずっと月や星が必死に輝いていた

ぼ ....
夕だちが風をおこす
わたしの中にはわたしを包むたくさんの気泡があって
ひしめき合い、じぶんのかたまりをばらばらにしている

夕だちのあとにふく風は、プリズムの階段に繋がっている
そんな寓話を ....
川の向こうに石を投げ
それが水面に反響するのを静かに見つめている
川の向こうには小学生くらいのちっちゃな女の子がいて
手を振ってやはりこちらを見ている
僕はその子まで届かせようと石を投げ続ける ....
    
過ぎさった苦しみを
時々 舌の先で転がして
ピリッと刺すような
痛みを味わう

血の味は嫌いじゃないんです

この痛みが
私の静脈を流れていく
悲しみが青い血管に滴る
 ....
かいすいのなかのつぶは
ひとつとしておぼれてはいない



小さな子供が、星の矢に射られ、
浜辺の町の大人が、
空を向いて祈り始めた、

(その間にも子供の胸は砕かれ、
背 ....
心がからっぽになった気がして
あわててひっくりかえしてみた
ぱらぱらこぼれた今日から
太陽の匂いがした


少しすくって空にぬった
明日が生えてきますようにと
おほしさまの間に
しず ....
人はみんな死んでゆく
美人もブスも
天才も凡才も
そうして人の為した事だけが
後に残る
あの美しく散った流星の光が
目の中にだけ残るように
それから、
と いつも
はじまりは
それから、
おだやかに
火葬された赤子の
骨は小指の
爪ほど小さな
鈍い星の
欠片みたいだった
みたいだった
という
あえかなる比喩が
途 ....
乾 加津也さんのおすすめリスト(5083)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
踊るひとのための連祷- 塔野夏子自由詩23*12-5-23
シーツ- はるな自由詩712-5-23
冷奴- たもつ自由詩1312-5-21
綿飴- 草野春心自由詩19*12-5-20
加藤_官触治- 6自由詩112-5-18
映したものは- ただのみ ...自由詩18*12-5-17
グルーミング- 梅昆布茶自由詩1712-5-15
最終列車- たもつ自由詩812-5-15
狩りと市民税を司る女神_地図と情熱を司る男神- TAT自由詩412-5-14
赤い花みつけた- 朧月自由詩1112-5-14
風とオルガン- 南 さや ...自由詩4*12-5-14
かげぼふしのありくくに- salco自由詩13*12-5-13
背伸びして窓をふく- 石田とわ自由詩13*12-5-12
雪と木蓮- 砂木自由詩21+*12-5-12
裏_窓- 塔野夏子自由詩9*12-5-11
自由の文字- 永乃ゆち自由詩3*12-5-11
遺言花- アラガイ ...自由詩12*12-5-11
クリーム- salco自由詩18*12-5-10
逆立ち- たもつ自由詩1012-5-9
買い物- 梅昆布茶自由詩2412-5-8
ブハラ・ヒバ・好感度- 6自由詩312-5-7
骨のあなた- 73自由詩812-5-5
成長- 吉岡ペペ ...自由詩512-5-5
プリズム浸透膜細胞- T.L自由詩412-5-5
長い昼休み- yamadahifumi自由詩312-5-4
【_静脈_】- 泡沫恋歌自由詩11*12-5-4
砂浜の奥で- 長押 新自由詩7*12-5-4
あしたの種- 朧月自由詩1012-5-3
流星の光- yamadahifumi自由詩212-5-3
signifiant- 紅月自由詩512-5-2

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