イラついて
鬱血した脳髄をガリガリ齧りたくて、どうしてもそうしたくて
釘抜きで顎を削っていたら鈍臭い音がして
俺の口腔には脳漿の雨だ
舌の上に降るたびに目映い光が…
 ....
本当の欲望の姿は尖った鉛筆の芯で軽く打った点の様なもので
ともすればまぶたが落ちそうなこんな夜こそ
俺はそいつの姿を見なければならない
死んでいけばいくほど
生きようと ....
(みっつのおはなし)



エニシダは、立派な低木樹です。
あたしの背よりも少しだけ高い
ちょうどいい面もちをしています。
毎年、雲雀たちが
無数にからだを駆け抜ける季節には
 ....
だれかが天上から
そっとオールをさしいれてくる。
凪いだ水面のようにしていた雲はしずかにわれ
そこから幾本にも分かたれた
まばゆいばかりの光の束がおりてくる。
はじまりは右のオー ....
あたしたちを支えあってる重力は
ぶらんこみたいに
そっと息を詰めて
あたしはむせかえるようなひかりに
あたたかな胸を浸して
果てなんてないような
ひどく澄んだひだまりと
おも ....
流れる弦は海に着かず
草を結び 澱みを巡る
去勢された犬は人家へ帰り
牙を抜かれた犬は土に還る


見えない凧を追い
海辺を馳せる
見えないものは 光り光らず
浪と岩 ....
並列運転でのろのろと自転車をこぐ
パーマのとれかかったあなたの髪を
ふやけた空が切り取ってる
あなたは時々私の二の腕をつまみ
ニヤリと笑ってみせた

季節は無情にも過ぎていくというが
そ ....
深い深い場所にいる
誰にも言わないで
眼を逸らさないから
言葉に縛られたまま
堕ちるまで見ていよう
すべて失ったときに
縋るしかないと
そのときまでは
深い場所を泳ぐ
いらつきは雨のよう
ホームに駆け下りたら
行ってしまった電車
半分だけ見て出た映画
飲みかけのアイスティー
しおりをなくした小説

時がたっても
大人になっても
ぜったいにゆるす ....
あおぞらにふれることのなかった雲に
おやすみと声をかける
届いているように見えたのは
錯覚だから
あなたは泣かなくてもいいんだよ


秋は
なにかがたりない
地上の彼処に ....
夕日が
熟した柿の実の中へと
沈んでいく
静寂が生まれる瞬間だ
紅葉は色を落として
深い眠りについた
幾つかの音を拾って
風が遠くからやってきた
心音に重なる
騒がしさが消えて
耳 ....
朝起きて 大地を読み
今日吹く風は西か東か
空気は何色?
お日様は見えるのかと
空に聞いてみた

決まりなどない
どこ吹く風
今決めるのさ 今求めるのさ

風の匂いは  ....
六月に運ばれてきたその娘を
誰からともなく
Juneジュネ、と呼んでいた
体育の授業中に倒れたそうで
ブルーのジャージの上から
医者の武骨な手が
ポンプのように胸を押す
イチ、ニィ、サン ....
パウルス・ポッター

四百年の向こうから牛がしばらく自分を見つめていた
牧草が広がり、緑色から水色に薄い空気が融けていく低い彼方の地平線に建物の塔が棘のように刺さっている
遠く平地から此処まで ....
予め
蕾は刈り取られていた

頭上を
越えていった
鳥の名前を知らない、
車輪のあとに立ち尽くす
わたしの肩を抱いて
そっと
目を伏せたあなたの

手と、
手を
重ねると
 ....
  6つ全ての面に
  60と書いてある
  拳大の立方体
  それにそっと手を触れると
  彼は吸い込まれてゆく
  ゆっくり
  60分かけて



  彼がすっかり吸 ....
遠くの向こうから眺めていたら
誰かと思って近寄ったら
案山子だった

今にも動きそうな気配を漂わせているのは

こがねいろした稲穂が風で波打っているからだろうか
生命に溢れた大地に自分だ ....
突然降り出した、
ガラス色の雨。
失恋の涙にも似た、
ガラス色の雨。

梅雨の終わりに降り出した、
ガラス細工の雨。
雲というガラスが砕けた、
ガラス細工の雨。

傘を差している背 ....
仕事帰りの若いサラリーマンが 
夢庵でネクタイを緩めて 
しゃぶしゃぶ定食を食べていた 

思えば僕にもそんな 
寂しさにみたされた夜があった 

職場の老人ホームで 
お年寄りが喜ん ....
夜の遊園地で
忘れられたこどもが泣いている
メリーゴーラウンドのうえ
コースターの支柱のかげ
観覧車の箱のなか
夜の遊園地に
忘れられたこどもは
こどもの姿のまま

たそがれ
台所 ....
春、一斉に花びらひらいて
みんな
死んだ冬のこと
忘れてた

あたしを殊更に
どうかさびしく
絶えずその
可愛いつむじの辺りを
くるくると廻っている
 ....
「いつの日の事だったか
 あたし よくは覚えていないの」

     ((雨・雨・雨の音))

  瞼を潜って沁みてくる光
  カーテンを閉じて
  もう
  睡って仕舞い ....
そのころ
あたしは
すっぱだかになって
ベットにもぐっていた

おなかのビーチ

ちょうしっぱずれの
カセットテープが
へやのすみで
まわっている



 おぉーい ....
彼女がたとえ男だったとしても

ゾウだったとしても

ぼくは彼女の存在を愛しています

今朝そう告白して

そういうことだったんだと

はじめて楽になれたような気がしました

 ....
通り過ぎてゆく笑い声
背筋をノックする人差し指
忘れない

ドレスのチャックを上げてくれたこと
わたしに腰をふらせたこと
忘れない

隠れ場所のなかったこと
なんて答えていいか
分 ....
 失われた八日目の記憶の中に雪原があった。雪の上に立てられた僕らの家の中には、静かに多くの人が住んでいる。静かな人たちは、物音を立てずに部屋の中を動き回っているが誰もお互いを認識できない。そして誰もし .... 悪い頭を持った奴の口から出てくる言葉が悪口
だからおまえの話は全部悪口

思ってるよ
いつも頭の悪い器の小さいしょうもない奴だって
でも人には言わないようにしてるんですよ
だってそれは悪口 ....
クジラに呑まれて死にたかった。暗い胎内の小高い場所で三角座り。マッチを擦ったらすこし歌って。誰も助けにこないことがちゃんと分かったら。アイスティーの海にくるぶしから溶かされて。人魚として生まれかわ .... 渋谷で夕食にした
友人はペスカトーレのセットと生
私はアスパラガスとウニのトマトクリームを頼んだ
隣の若いカップルは今しも席を立つところ
突き当たりにはインド系のカップル
パキスタン人かも知 ....
ひとつの指をひたし はじまる
どこまでか語らぬ夜の布
音の氷 青の氷
散らばる


片目の月 鉛の月
色のない筆に暴かれる
空は骨
空は骨


青のどこかに金があり ....
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