シン・ジャガのシンは新です。
収穫されたばかりの新しいジャガイモです。
シン・タマは新しいタマネギです。
新しいたまさんではありません。
残念ながら、ぼくはもう再生不可能です。

では、
 ....
ことしは喪中はがきが多い
きょう、八通目が届いた
古い友人
映さん、七三才
わたしの姉と同い年なのに

映さんの本名は、恵子だという
知らなかった
詩友とはペンネームでのお付き合いだか ....
ほつれていくテレビに
故郷が映った
見慣れた橋や川面の姿
人も映っているけれど
ほつれていて
よくわからなかった
会釈くらいはしたかもしれない
そう思うと
雨の音が聞こえた
 ....
鳥たちに怒られながら、桑の実を摘む
抱えたボウルに次々とほうりながら
これは私のものよと、何度言っても怒られる
何度も何度も、鳥たちは同じことを言う
こちらも負けじと言い返す
だけどすぐに疲 ....
食べることは生きてる証し
我が人生は、食べることが目的
──でもないけれど、
事実は、かなりそれに近い

さて、今日は何を食べようかな?  

中華そば大好き
煮込みハンバーグ激ウマ
 ....
 洗いざらしの衣類のなかで、リーバイ・パタの詩画集をひらく
 女のいない男がしてやれるのはたったそれだけのこと
 コインランドリーが不法占拠されてしまう夢を
 ついさっきまで見ていたんだよ
  ....
 今夜は生ハムのサラダで
 軽めの赤ワイン
 Cotes du Rhone を開けて乾杯といこう
 仕事をあがってから一人で
 デパ地下のデリカフロアへ出掛けてみた

 五月のゴールデンウ ....
いますこし
あなたのかたわらで
あなたのつくる木陰に
わたしをやすめさせてください

かつて
あなたから遠く
遠くはなれていったわたしを
あなたの幹にもたげさせてくだ ....
お腹が空いてきた夕刻、終点である当駅に到着した列車が停車位置を誤り、そのまま停車フェンスを突き破り、歩行者通路を横切り、駅コンコースの中央にまでなだれ込む事故がありました。
しかし幸いなことに、前駅 ....
わたしたちは歩く
可笑しなことはないのに
となりできみが時々ちいさく笑う
(なにか間違っている?)
でも訊くことなんかできない

わたしたちは黙って歩く
おおむねすべてのひとたちは
 ....
複雑な小路が入り組んだ先に
ほんの小さな広場があって
そこに君の住むアパートメントがある

夢しか見えない君を訪ねる
思い切り太っていて
あらゆることに考えが歪曲し
君はすっかり君でなく ....
あのひとはやみに閉ざされていたころの
北極星
もう去った
気配だけが

ことばにつながる みち が幾らでもあったことを

まだわたしはひとではない
ひとであったことはいちどもない
こ ....
話して 話しつづけて
話しても仕方の無いことを
病院の屋上から見えるもの
遊ぶ犬たちのことや
食べられてしまった飼い兎のこと
売薬の無駄遣いで喧嘩しても すぐにほぐれて
直らない足の痛痺れ ....
お言葉ですが、と言った男
確かに言葉に違いない
うまく喋る
来年の言葉も昨年のように喋る
言葉は耳で聞くものではなく目で見るもの
肉体だからね、目で見る
 山下君、山下君だったね
 はい ....
 
 
水に濡れたまま
雨にうたれている
妻が傘の下からタオルをくれる
いくら拭いても
濡れタオルだけが増えていく
妻は可愛い人
こんな時でも傘には入れてくれない
濡れタオル屋でもや ....
きみはうす汚れた扉にもたれるのをやめて
新しいにおいのする通りのほうへと急いだ
おれは正体の知れないジレンマにすこしとまどったあと
洗面台で昨日の夢をようやく洗い落とした


冬の街は ....
冬の入口で
RENの骨を拾った
十六年のいのちだった
夏毛のまま
逝ってしまったRENの
体温が残るこの手が淋しくて
白い子犬を抱いた

DANSKE、と名付けた

も吉と歩いたあ ....
西の畑で長靴を履いて
耕運機を回した
小型の テーラーっていうやつだ
なんでテーラーなんていうのか
ぼくは知らない
テーラーで
でこぼこの畑を行き来した

空は丸く
雲を塗り伸ばし
 ....
寝床に横たわると
せせらぎが聞こえてくる

母の家は川に近いが
夜は窓も閉めているし
国道を挟んで
川の流れる音など聞こえるはずがない
たぶん一晩中自動で回る
換気扇の音だろうと
弟 ....
   あしたの天気予報をテレビで眺め
   ちゃぶ台のうえのビニール袋から
   隠元をとってはへたをとり
   ざるに放り投げてゆく
  
   あしたは夕方雨が降るらしい
   隠元は ....
「笹舟」

ほそくふるえる茎をくわえて吹いてみた
ちいさいころの夕焼けが鳴った
{ルビ百日紅=さるすべり}のあった空き地
少年探偵団のぼくが落とした時間
材木屋のある路地は行き止まり
ふ ....
土佐の海辺の村で
毎日毎夜薄暗い電灯の
野外畳の上にでんと座り
鍋に茹でられた貝という貝
爪楊枝でほじくり出して
それぞれに違う味覚
食い喰らい喰らい食い
瞑黙ひたすらに
味わい味わい ....
洗いたての芝生がちろちろと
脈を交わらせている

川までの道すがら
ちいさな生き物は溺れ死に
汚れた内臓は、光る命へと洗われる

車椅子に花を差し入れる

目を細めてファインダーを覗 ....
十二月、空はひくい。
落ち葉の季節も過ぎた。
竹箒を立てたようなケヤキの並木がつづく国道。
鳥の巣が傾いたまま、
ケヤキの梢にひっかかっている。
いつ落ちてもふしぎではない、そんな気がする。 ....
わたしに命をふきこんだのは
横須賀の廃屋のようなうちに猫と車と住む
がんこなかんばん屋の男だった

かんばん屋と猫と車はそのうちで
消えたがる女をなんにんも生かし
わかれをつげてきたという ....
箱をあけたら金にひかる歯がころり
うるといい値になるそうだ

しゃれこうべしゅうしゅうと
お墓の下でなげいとりゃせんかしら
おれの歯ぁどっかいったぁって虫食い歯でさ
男かしら女かしら
き ....
薄い薄い薄い薄い
透明な、点滴のパックを
銀色に遡っていくもの、の
私は(あなた

手放して、
空気の中へ、

あなたは視界の果てで
輝きを受ける、
あなたはあなたの星空の中
一 ....
秋の蛇口をひねると
空虚がぽとりと落ちてくる
管は水平に都市の闇を這い
水源地は{ルビ紅葉=こうよう}で充たされている


空虚で顔を洗うと
頬がすこし紅くなる
正直な肉の反応に
つ ....
俺はまだ

















あの唄の歌詞の力を信じていたい

















 ....
 その問いかけはまったく正しく
 答えられないって知ってるくせに
 問いかけたキミたちはずるいぞ

 でもね、世の中ってやつは
 答えられないことや応えられないことばっかりで
 できてたり ....
乾 加津也さんのおすすめリスト(5083)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
シン・ジャガ- たま自由詩7*24-1-16
喪中のひと- たま自由詩1023-12-8
テレビ放送- たもつ自由詩11*23-12-3
その次のこと- 妻咲邦香自由詩7+*23-10-16
世界の果ての卵かけご飯- atsuchan69自由詩13*23-10-15
友だち- 中田満帆自由詩723-8-10
化粧室- リリー自由詩3*23-4-4
いますこし、あなたの木陰に- 田中宏輔自由詩22*23-3-27
今日の列車事故について。- 七味とう ...自由詩123-3-6
羊雲- 自由詩15*22-9-11
帰路- 山人自由詩10*20-11-16
小さな庭- 田中修子自由詩8*20-5-10
話しつづけて- 大村 浩 ...自由詩14*20-4-5
明滅- たもつ自由詩1520-4-2
濡れタオル屋- たもつ自由詩13*20-2-21
そしてがらんとした部屋のなかだけが- ホロウ・ ...自由詩5*19-12-13
光を嗅ぐ- たま自由詩819-12-9
西の畑で- オイタル自由詩319-9-21
せせらぎ- Lucy自由詩17*17-7-23
隠元- 石田とわ自由詩9*17-7-8
短詩2篇- 白島真自由詩24*16-12-22
底の記憶- ひだかた ...自由詩19*16-12-19
雨上がりの庭- 印あかり自由詩18*16-12-17
ことばを灯す- たま自由詩22*16-12-11
横須賀の駐車場がみる廃屋のゆめ- 田中修子自由詩11*16-11-3
金の歯に熟れ柿- 田中修子自由詩5*16-10-29
病室(レターパック)- 由比良 ...自由詩7*16-10-26
秋の蛇口- 白島真自由詩13*16-10-25
フランダースの犬- TAT自由詩3*16-8-16
「大人になったら」GLIM_SPANKY<SUNRIS ...- 平瀬たか ...自由詩4*16-8-16

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