神様との約束
吉岡ペペロ

おてての小さなおんなのこは神様との約束をよく守った

だからおんなのこはいつも忙しかった

神様いがいの約束はたまに守れないこともあった

おんなのこはそのことでじぶんを責めることがあった

そのたびにもっとつよくなろうと祈るのだった

でもそれじたいが神様との約束になっていた

だから心配しなくていいよ、大丈夫だよ、

おんなのこのベッドを月が照らしていた

月のことばはひかりだけだった

だからおんなのこにことばとして届くことはなかった

月はおんなのこに使いをだした

使いはおおきなからだのおとこのこだった

おとこのこはおんなのこと出会ったしゅんかん

じぶんが月の使いであることを忘れてしまった

おんなのこはおとこのこと恋におちた

おとこのことベッドで月に照らされた晩だった

その日おんなのこは神様いがいとの約束を守れなかった

じぶんを責めるおんなのこにおとこのこが

だから心配しなくていいよ、大丈夫だよ、ともだちと仲良くするんだよ、

おんなのこがおとこのこのほうに顔をむけると

ベッドを月のひかりが照らしていた

月のひかりいがいそこにはなにもなかった

おてての小さなおんなのこはおおきな勇気につつまれた

つつまれたまま月のひかりを小さなゆびでなでていた






自由詩 神様との約束 Copyright 吉岡ペペロ 2010-12-11 02:30:29
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