神様との約束
吉岡ペペロ
おてての小さなおんなのこは神様との約束をよく守った
だからおんなのこはいつも忙しかった
神様いがいの約束はたまに守れないこともあった
おんなのこはそのことでじぶんを責めることがあった
そのたびにもっとつよくなろうと祈るのだった
でもそれじたいが神様との約束になっていた
だから心配しなくていいよ、大丈夫だよ、
おんなのこのベッドを月が照らしていた
月のことばはひかりだけだった
だからおんなのこにことばとして届くことはなかった
月はおんなのこに使いをだした
使いはおおきなからだのおとこのこだった
おとこのこはおんなのこと出会ったしゅんかん
じぶんが月の使いであることを忘れてしまった
おんなのこはおとこのこと恋におちた
おとこのことベッドで月に照らされた晩だった
その日おんなのこは神様いがいとの約束を守れなかった
じぶんを責めるおんなのこにおとこのこが
だから心配しなくていいよ、大丈夫だよ、ともだちと仲良くするんだよ、
おんなのこがおとこのこのほうに顔をむけると
ベッドを月のひかりが照らしていた
月のひかりいがいそこにはなにもなかった
おてての小さなおんなのこはおおきな勇気につつまれた
つつまれたまま月のひかりを小さなゆびでなでていた